徒然草!

お元気ですか。よくお越しくださいました。
ブログの名は、
とぜんそう!と申します。

西の原

2009年03月14日 | 野山の風景
立春をとうに過ぎ、啓蟄も過ぎ、すっかり春めく今日この頃、
季節はずれの写真ですみません。
冬の、それも初冬の三瓶、西の原の写真です。
(このあと、三瓶は、大雪だったそうなのですが…)

日没の頃です。かすかに、日本海が見えます。

反対側がを見ると、三瓶のお山。
山肌が赤く染まっていました。



ただ、夕焼というと、夏の季語だそうですが、
冬夕焼も、「寒空に色あざやか」と歳時記にあり。
その通りだと思いす。

この西の原では、もうすぐ、野焼があります。

大田市観光協会のホームページ
火入れのお知らせを見ると、目的が3つ書いてありました。
山林火災防止、害虫駆除、草原の維持、だそうです。
3月21日に火入れがあるようです。お勧めです!

草原が焼かれますが、
ススキのある辺りは、
野火が勢い良く上がって、迫力があります。

「龍天に昇る」という春の季語が思い浮かびます。

ぜひ、一度お出かけください。
去年は私も見に行って、様子をアップしたんですが、
残念ながら、今年は行けそうにありません。

「野焼に行きたいんでしょう?」
「最近、あんまり写真を撮ってませんね?」
はい、どちらも、その通りです・・・。

盆梅

2009年03月08日 | 里の風景
お元気ですか。
すっかりご無沙汰してしまいました。
しばらく島根を離れています。

先日、大盆梅展という催しを見に行きました。
恥ずかしい事に、盆梅(ぼんばい)というものが分からなかったのですが、
広辞苑にも、俳句歳時記にも載っている春の季語でした。
 
天神さんのお宮の内外に、鉢植えの梅の花がたくさん。
樹齢百年、二百年という梅、しだれ梅などもあり、見ごたえのある展示でした。
バラ目バラ科バラ科サクラ属ウメ、だそうです。

一緒に見に行った身内は、紅梅ばかりを写し、
「白梅は、さびしそうだ。」などと言っています。
わたしは、どちらかというと、白い梅の方が好きかなあ…。

なかに、「思いのまま」という名の梅がありました。
一本の木に、白、紅、薄紅、など、色々な花が咲くのです。
スタッフの方に聞くと、鳥のなせる技ということでした。
二人して、見上げてました。

 梅一輪いちりんほどの暖かさ(服部嵐雪)
というあまりにも有名な五七五が思い浮かびました。

作者は、松尾芭蕉の高弟だった方だそうです。
これも、分からなかったので、調べました。
ほんと、いつも思うことですが、知らないことばっかりです。

雪割一花

2009年03月08日 | 
歳時記・春の花のページを見ると、
まず載っていたのが、梅。

「ほかの花に先がけて咲くので花の兄という」とあります。
 珈琲の泡の重たく花の兄(どんぐり)



では、この花も、花の兄かなあ。
春となると、まず、思い浮かべる花です。三瓶の雪割一花。
キンポウゲ科イチリンソウ属ユキワリイチゲだそうです。

兄というよりは、姉でしょうか。
いや、そう呼ぶには、つつましすぎる感じもします。

残念ながら、今年は見にいけませんでした。
写真も一昨年のものでして…。
昨年の年賀状や、HPにも使ったものですが、見たくなって取り出しました。

春の日差しのなか、よく見ると、
芥子木吸(ケシキスイ)という
小さな胡麻粒のような虫が、花びらの上を動き回っていたことを思い出します。

どんな花か、三瓶自然館の学芸員さんが、
以前に新聞に連載されていた記事の中に見つけました。
自然館HP 読売新聞 四季折々

これを読むと、植物って、賢いものなんだなあと思います。

さて、ここで、一句といきたいところなのですが、
「ゆきわりいちげ」で七文字。
さあ、あと、十文字をどうしようと悩むのであります。

姫の名は…

2008年11月12日 | 里の風景
姫の名は、「眞玉著玉之邑 (またまつく たまのむら)」。

マタマツクタマノムラヒメ・マタマツクタマノムラヒメ・・・
句友の三吉さんは、覚えようと一生懸命、繰り返していた。

まるで、早口言葉のようで、難しそうだった。
私は、はなから、あきらめていた。
何でも遅いが、あきらめるのだけ、はやいのだ。

俳句の会で、出雲市の「朝山神社」にやってきた。
その長い名前の持ち主は、このお宮の姫神だそうである。

大変な美貌で、大国主命が毎朝通われたので、
朝山…という名なのだとか。
そんなら、「毎朝神社」のほうが、分かりやすいのでは…。まあ、いいか。

出雲の国は、句友の音符さんの在所。
旧暦十月十一日(新暦11月8日)。神在月のこの地を案内してもらった。

神在のくねくね道を後つけて

紅葉のすすんだお山の上に、朝山神社は、あった。
旧暦十月一日から、十月十日まで、ここに、
八百万の神が滞在されるということで、お祭りがあったそうだ。

へー、昨日までか。
さらに、お社の上の展望台あたりに連れていってもらうと、
遠くに、出雲大社のある岬と、稲佐の浜が見えた。

昨日の夕方、あちらへ向かわれたのだと、音符さんは指を差す。
出雲大社まで、距離はかなりあるのだが、
この見晴らしなら、そんな言い伝えも生まれるのであろうなあ。

とは言え、前々日から雨。
紅葉の色も暗く、岬は、ちょっと、かすんでいた。
雨雲の下、岬も雲みたいだ。

ちなみに、神々は、出雲で七つのお宮をまわられる、
などという話も知り。
地元の人と一緒だと、いろいろ、面白い解説が聞ける。

小春日和

2008年11月05日 | 里の風景
最近、ちょっと、頑張っていることがある。
前々から、やってみたかった勉強をしている。

休憩時間に、外を散歩する。
昨日、今日は、いい天気だった。
11月初めの連休は、悪天候だったけど。

旧暦10月に、ぽかぽか陽気が続くことを
小春日和といい、冬の季語なんだそうだが、
どうか、この天気、しばらく続いてくれますように。

もうすぐ、暗い空が続くようになる。
山陰の冬空も、魅力的ではあるのだが。

塀の横に、仏の座の花を見つけた。
シソ目シソ科オドリコソウ属ホトケノザ。
これは、春の花だよなあ。

季節はずれの「返り花」かと思って、調べてみたら、
この時期に咲くのも、普通のことらしい。知らなかった。

ついでに、分かったのは、春の七草の仏の座は、
この花と違う、黄色い花だということ。
田平子というそうである。あれま。

ほんとに、知らないことばっかりだ。

仏の座の上に、見たことのない虫が飛んで来た。
きれいな翅を持っている。この花の花びらよりも、小さな虫。
葉っぱのうえに、くっきりと、影ができていた。

神の旅

2008年10月29日 | 海辺の風景
子どものころ、汽車は、憧れの乗り物だった。
トンネルに近くなると、汽笛が鳴るのが、おもしろかった。
山陰本線はトンネルが多いので、何度も汽笛が鳴った。

出雲市までの駅名を覚えようと思った。大田市から東へ、
久手(くて)、波根(はね)、田儀(たぎ)、小田(おだ)・・・。

久手、波根までは、石見。その先は、出雲。
同じ島根県だけど、ここから、よその国・・・。
この感覚は、今でも、変わらない。

冷たい雨の日が続いて、田儀の海は、ずいぶん寂しげであったが。
この海の夏景色は、青く澄んで、ゆったりとして、とても美しいのだ。

向こうの岬のほうに、稲佐(いなさ)の浜がある。
神無月には、全国からおいでになる、神様をお迎えするという浜だ。

今年の出雲大社の「神迎え」神事は、11月7日。
立冬の日。もう、そんなに、先ではないなあ。
一度、見てみたい、神迎えのおまつり。

旧暦カレンダーをちらりと見ると、
今日は、旧歴10月1日、神無月の一日目であった。
出雲の国では、神在月。連日、祭礼やイベントで、賑わうらしい。

出雲大社のホームページによれば、
11月7日の夕方から11月14日の夕方まで、
神々の集いがあるんだそうな。

各地で、神の旅が始まっているんだろうか。
出雲まで、汽車で来られるのか。
いや、「汽車」はもう、なくなったのだなあ。

浜でお迎えするということは、
舟でお越し、という設定なのだろうか。



石蕗の花

2008年10月27日 | 海辺の風景
ちょっと用事があって、おとなりの出雲市に行ってきた。
国道9号線を東に走る。途中、海の見えるところがある。
JR山陰線が、すぐ近くに見えるところもある。

駅のホームや道端や、
海辺に、石蕗(つわぶき)の花が咲いていた。
キク目キク科ツワブキ属のツワブキだそうだ。

俳句でよく聞くのは、石蕗の花と書いて「つわのはな」と。
冬の季語であった。
晩秋なれど、冬めいてきた海の色と潮風に、似合うと思う。

むかし、春先に、石蕗の新芽を摘みに行くのが楽しい遊びだった。
葉の柄に、綿毛が生えているような柔らかいものを、
婆ちゃんに、煮てもらった。

今でも、やっぱり、ツワは春の楽しみ。「食べ物」である。
ご近所からおすそわけを頂くと、家によって、ちょっとずつ、
味が違って、これまた、美味しいのだ。

花にも、目がいくようになったのは、
すっかり大人になってからである。
なるほど、キク科の「花」なのだ。

田儀(たぎ)の駅のそばで、車を止めて、
花と海をしばらく眺めた。我が在所でも、満開なのだけれど、
ここから見る日本海の風景も、とても良いのである。

出雲市駅行きの列車が止まっていた。
一見、乗り合いバス風。1輛編成のワンマン列車なり。

山陰線は、単線なので、駅で待ち合わせをすることがある。
西の浜田市へ行く列車がやってきて、すれ違い。
それぞれの方向へ、発車した。

特急二輌普通一輌石蕗の花


酔芙蓉

2008年10月19日 | 婆ちゃんの庭
今月は、月がきれいでしたね。
「仲秋の名月」は、9月なのだけれど、
10月の月は、さらに美しいような気がしました。

暦の上では、晩秋となり、月も冴え冴え。
11月7日には、立冬と、なるそうで・・・。

月と同じように、この秋、日々楽しませてもらっているのが、
婆ちゃんの庭に咲く、酔芙蓉の花。
アオイ目アオイ科フヨウ属のスイフヨウだそうです。

花や虫の名前をつけかえたくなる癖があるのですが、
この名には、納得。言うことはありません。
上は、寒露の頃の、夕月と酔芙蓉。この花の一日がもう少しで終わります。

朝方、白く咲き始め、夕べには、薄紅色に染まります。
お酒に酔ったような姿から、ついた名前だそうです。
音の響きもよろし。まあ、日本酒が好きというせいもあるかなあ。

下は、朝やけのなかの、酔芙蓉。
この朝、咲いた花と、花を終えたものと、並んでいます。
一日花だそうですが、次々に、咲いてくれます。

終わった花は、数日後、突然、姿が見えなくなります。
シベも、ガクも、何も残さず。
花のあったところは、ただの棒の先みたいに、見えます。

よく見ると、花の下1.5cmくらいの所、
茎に、切れ目のようなものがあって、
そこから、地面に落花するので、花の跡も何も残らないのです。

意外なほど、潔い散り方です。
いや、散り方ではないなあ。潔い落ち方と、言うべきか。



梅鉢草

2008年10月11日 | 
また止まる梅鉢草の花の前(畑みどり)

みどりさんは、私の句友です。
毎月、島根句会で、一緒に俳句を作ります。

みどりさんは、いつも、穏やか。
もの静かですが、俳句で、お手本を見せてくれます。

この句のとおり、三瓶の草原で、梅鉢草を見つけると、
みんなの足が止まるのです。

10月の句会、北の原で、この花に会えました。
バラ目ユキノシタ科ウメバチソウ属ウメバチソウ
秋の雨のなか、白い灯がともっているようにも見えました。

出会うのは、いつも秋。と、思うのですが、
何故か、歳時記を見ると、夏の季語。

「梅鉢紋」という紋所に似ているので、この名がついたそうで・・・。
そんな名の付け方もあるのか、そんなに似てるわけはないだろう、
などと思いつつ、紋所のホームページを見たら、本当にソックリだった!




まん丸いつぼみ、小さなハート型の葉っぱも、愛らしい。
北の原、西の原、東の原・・・、
ススキも咲いているので、ぜひお出かけあれ。

私も、梅鉢草の句を作ったことがあります。
反省をしたる梅鉢草の前(どんぐり)

ちょっと、みどりさんの句と似ているかなあ。
いや、大先輩には、とてもかないません。

しかし、この花の紋所・・・。これが目に入ると、
「私は、何をやってきたんだろう。」と、
柄にも無く、しみじみして、しまうのであります。

千振

2008年10月05日 | 
毎年会えることを、楽しみにしている花が、いくつかある。
枯れのすすみ始めた草のなかに、
顔をのぞかせた小さな花も、その一つである。

今年も、三瓶の原っぱで会えて、よかった。
秋の時雨が、ぽつぽつと、降り始めたところだった。

千振。別名は、当薬。
千回振り出しても、苦味が消えないというのが、
その名の由来で、最も苦い薬草だそうである。

センブリという薬は、残念ながら、飲んだことはない。
この花を見ても、口に入れることなど、考えもつかないし。
どれくらい苦いものなのか、知りたい気はあるのだけれど。

戻って、百科事典ウィキペデイアその他で調べてみると、
綺麗な写真がいっぱい載っていて、目の保養になった。
目にも効きそう。それは無いか。リンドウ目リンドウ科センブリ属センブリ。

面白かったのは、
日本古来の種で、japonicaという名を持つということ。
健胃薬なのに、育毛剤にもなるということ。

歳時記をいくつか開いて見たが、「千振」では、なかなか見つからず。
「薬掘る」という秋の季語の傍題として、載っていた。
かつて、薬草を採取するのは、秋の仕事だったんだなあ。

千振引く、当薬引く、千振採る、千振干す・・・などの季語があり。
ふーむ、この花。ほんとに、薬の花なのであった。