津田院長によると、米国では診断精度および痛みの観点から内膜細胞診は行われず、代わりに高リスクの人に限定して頸管拡張後に麻酔をかけて、子宮内膜組織診(子宮内膜をかき取ること)を行うのがスタンダードだ。歯の治療が痛いだけで医師が患者に訴えられるお国柄が反映されているのかもしれない。口腔内カメラ
津田院長は、患者の負担が大きい内膜細胞診が本当に必要かどうかを見極めるため、経膣(けいちつ)超音波法(エコー)の診断を重視している。エコーは、子宮体がんの前がん病変である内膜増殖症も含めてとらえる特質があり、検査も「無痛」。津田院長は1980年代に、子宮体がんとエコーに関する成績を国内でいち早く発表している。根管長測定器
「子宮内膜の厚さが概(おおむ)ね4~5ミリ以上だったら、子宮内膜病変を疑い、内膜細胞診を検討します。しかし厚さがそれ未満の場合は、たとえ不正出血があっても、他の自他覚所見やリスク因子も総合的に判断して、細胞診を実施せずに経過観察することも多い。閉経後の女性なら、萎縮性膣炎による出血が原因であることが多いためです」(同)