デンドロビウム ノビレ(高貴石斛)の斑入り個体、'サクラ' (Dendrobium nobile 'Sakura') です。
2016年11月にアマゾン杉さんから、ヤフオクを通じて入手。
2018/4/1撮影
横向きの花を見て分かるように、花柄(子房)の部分がクイッと下に曲がり、さらに背萼片があまり開かず、うつむき加減の開花です。
花の良さで選抜された個体ではないと思うので、原種nobileはこんなものなのかもしれません。
ただし画像検索でこの'Sakura'と同じらしい斑入り個体を探すと、きれいに平開した花の写真もあり、何かコツがあるのかも?
2018/5/22撮影
葉芸はこのように、白色の典型的な三光中斑です。
長生蘭(セッコク)で言うところの「泰山雪」「南京丸」「雪丸」と共通したタイプの斑と思います。
(長生蘭は詳しくないです。三心堂出版社『ポケットカラー事典 長生蘭』を適当にパラパラめくって探しました。)
2018/5/22撮影
この斑は、新芽が最初のうちに作る葉ではあまり目立たず、後に作られるほど(上に行くほど)白柄が派手になる傾向があります。
これも長生蘭の南京丸や雪丸と共通した性質です。
このことから、おそらくDendrobium属に共通した葉の構造として、シュート(バルブ)の後に形成される葉ほど、
茎頂分裂組織の第4層?に由来する、中央部分の緑色細胞が葉に占める割合が減るような現象が起こっているのでしょう。
これは斑入りでない緑一色の葉を見ているだけでは、気付くのが難しいことではないでしょうか。
キメラによって生物の成長過程を追跡する新しいヒントが得られることは、「モザイク解析」という実験手法に応用されています。
さて、長生蘭の三光中斑の品種は、さらに派手柄になることで中透け飴矢に変化する例が知られています。
雪丸から変化した「貫雪」。南京丸から変化した「楊貴妃」です。
そしてこのnobileの'Sakura'も、同様に中透け飴矢に変化した例がアマゾン杉さんによって見出されています。
さらにNegieさんという方も、nobileの三光中斑(Sakuraと同じ?)が色々に変化した例を報告しています(image 2,3,4,5 等)。
長生蘭の前例から予想されうるとは言え、実際に写真を見ると改めて驚きです。美しい。
うちでも変化が起こらないものですかね。
追記: この記事をほとんど書き終わった段階で、上掲のNegieさんのサイトを初めて見つけたのですが、
私と同様の特性(三光中斑であること、長生蘭の南京丸と斑の性質が類似していること)を指摘されています。
一見盗用したみたいですが、私も独力で調べたことなのでお許しください。
英語で日本の伝統園芸を紹介されており、海外の方にとっては有益な情報発信だと思います。
2016年11月にアマゾン杉さんから、ヤフオクを通じて入手。

横向きの花を見て分かるように、花柄(子房)の部分がクイッと下に曲がり、さらに背萼片があまり開かず、うつむき加減の開花です。
花の良さで選抜された個体ではないと思うので、原種nobileはこんなものなのかもしれません。
ただし画像検索でこの'Sakura'と同じらしい斑入り個体を探すと、きれいに平開した花の写真もあり、何かコツがあるのかも?

葉芸はこのように、白色の典型的な三光中斑です。
長生蘭(セッコク)で言うところの「泰山雪」「南京丸」「雪丸」と共通したタイプの斑と思います。
(長生蘭は詳しくないです。三心堂出版社『ポケットカラー事典 長生蘭』を適当にパラパラめくって探しました。)

この斑は、新芽が最初のうちに作る葉ではあまり目立たず、後に作られるほど(上に行くほど)白柄が派手になる傾向があります。
これも長生蘭の南京丸や雪丸と共通した性質です。
このことから、おそらくDendrobium属に共通した葉の構造として、シュート(バルブ)の後に形成される葉ほど、
茎頂分裂組織の第4層?に由来する、中央部分の緑色細胞が葉に占める割合が減るような現象が起こっているのでしょう。
これは斑入りでない緑一色の葉を見ているだけでは、気付くのが難しいことではないでしょうか。
キメラによって生物の成長過程を追跡する新しいヒントが得られることは、「モザイク解析」という実験手法に応用されています。
さて、長生蘭の三光中斑の品種は、さらに派手柄になることで中透け飴矢に変化する例が知られています。
雪丸から変化した「貫雪」。南京丸から変化した「楊貴妃」です。
そしてこのnobileの'Sakura'も、同様に中透け飴矢に変化した例がアマゾン杉さんによって見出されています。
さらにNegieさんという方も、nobileの三光中斑(Sakuraと同じ?)が色々に変化した例を報告しています(image 2,3,4,5 等)。
長生蘭の前例から予想されうるとは言え、実際に写真を見ると改めて驚きです。美しい。
うちでも変化が起こらないものですかね。
追記: この記事をほとんど書き終わった段階で、上掲のNegieさんのサイトを初めて見つけたのですが、
私と同様の特性(三光中斑であること、長生蘭の南京丸と斑の性質が類似していること)を指摘されています。
一見盗用したみたいですが、私も独力で調べたことなのでお許しください。
英語で日本の伝統園芸を紹介されており、海外の方にとっては有益な情報発信だと思います。