ベランダ蘭

灼熱と強風のベランダで健気に育つランの観察

ファレノプシス ヴァレンティニー (Phalaenopsis Valentinii f. alba or flava)

2018-07-29 | ファレノプシス
コチョウラン属のファレノプシス ヴァレンティニー (Phalaenopsis Valentinii) です。
2016年8月にオーキッドバレーミウラから購入。



Phal. Valentiniiとは、Phal. cornu-cervi Phal. violacea のプライマリー交配種です。
(bluenanta.comの解説ページ:Phal. cornu-cervi, Phal. violacea, Phal. Valentinii)
violaceaの良い花型と香り、cornu-cerviの葉緑体を持つ花弁と萼片、唇弁の形態、強健な性質をあわせ持つ品種です。
さらに両親にalbaまたはflava変異を用いることで、この交配種もアントシアニンを欠く緑弁白舌に咲いています。
東洋蘭の素心花に通じる良さがあります。



斜めから。
複雑な形態をした唇弁です。



横から。
蜜を貯める距のような構造はなく、昆虫を騙して誘引し花粉を運ばせることが推測されます。
と言っても、人為的な交配種なので生態的な適応について論じることは限界があるのですが。



少し面白いのが、花茎の表面には蜜滴を分泌してツヤツヤ光っています。
こういった花外蜜腺(かがいみつせん)は主にアリなどを誘引して、植物上を歩き回らせることで他の昆虫を排除する役割があります。
送粉者には報酬を出さない一方で、警備するアリのためには報酬を出すという選択が面白いところです。



根先はアントシアニンを欠く、きれいな青根です。



両親のうち、特にviolaceaが下垂性の成長をするためか、株が徐々に傾いてきています。
いずれは釣って育てないといけないのか悩みどころです。



最後にもう一枚。
やはり私はこういう緑弁白舌のランが好きだなと思います。

7/28のベランダの日中最高27℃、夜間最低22.5℃。
午後に台風12号が接近したものの、こちらは強い雨風だけで済みました。
ただし海岸から10kmほど内側なのに潮風の匂いがします。塩がついているかもしれないので、今晩は乾いてなくても灌水して洗い流す予定。
(追記:屋内に取り込んで乾いていたもの以外は結局水やりせず)


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