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ベランダ蘭

灼熱と強風のベランダで健気に育つランの観察

バンダコスティリス ピンキー ニュースター (Vandachostylis Pinky 'New Star')

2018-07-17 | 単茎性着生ラン
フウラン Vanda falcata と東南アジア産の Rhynchostylis gigantea の交配種、Vandachostylis Pinky 'New Star' です。
2015年1月に大場蘭園から購入。

 2018年3月31日撮影

片親のRhy. giganteaは高温要求性ですが、フウランとの交配によって耐寒性を獲得し、室内であれば無加温(最低5~10℃)でも十分に越冬します。
丈夫で花付きの良い品種です。



成長期には釣り下げて育てています。



その理由がこの奔放に伸びる根で、飛び出した根をスリットに誘引しているものの、もはや平面に置いて安定させるのは難しいです。



Van. Pinkyの一般的性質なのか、この個体だけなのかわかりませんが、根先の色が季節によって変化します。
通常(左)はフウランで言う濃い泥根(クロロフィルの緑、カロテノイドの黄、アントシアニンの赤紫の混合した茶色)ですが、
最近のように極度の高温期(右)には赤みが冴えます。緑色のクロロフィルが減少しているためと考えられます。



根先の変化と対応するように、高温期には、新葉も少し曙虎斑芸っぽくクロロフィルが抜けて伸びます。
フウランだったならば、こんな変化でも珍重されることでしょう。
実際にいくつかのルビー根品種や建国系の中には、真夏に芸が冴えるものがいくつか知られているようです。

このような季節的な変化はどうして生じるのでしょうか?
私の予想では、クロロフィル合成に関わるタンパク質の何かに、アミノ酸配列をわずかに変えるような突然変異が入っていると考えます。
それでも通常の気温ならば正常に機能できるものの、温度が高くなるとタンパク質の構造が不安定化してしまい、
クロロフィル合成の効率が落ちてしまうとか、そういったメカニズムがあるのではないかと推測できます。
このような「温度感受性」の突然変異は、モデル生物を用いた遺伝学でも頻出する、重要な研究材料です。

7/16のベランダの日中最高36℃、夜間最低29℃。
Phal. Arakaki World Dreamの葉が日焼けし始めていることに気付きました。危ない危ない!
7/17朝に大幅に鉢の配置を転換し、とにかく強光に弱いものを日陰へ移しました。


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