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ベランダ蘭

灼熱と強風のベランダで健気に育つランの観察

富貴蘭 「富貴殿」 (Vanda falcata 'Fuukiden')

2018-05-21 | 富貴蘭・フウラン
富貴蘭(フウラン Vanda falcata の登録品種)の代表品種、その名も富貴殿(ふうきでん)です。



万延年間(1860-61年ごろ)に、豊後国(現・大分県)で発見されたという来歴が伝わっています。
今年、大阪で開催された第69回日本富貴蘭会美術品評全国大会では、この富貴殿の大株が最高位の内閣総理大臣賞を受賞したとか。
数多の新しい品種をおさえて、今なおトップに立つ風格のある古典品種と言えます。

斑のタイプは「天冴えの乳白色大覆輪で、緑地の上に白く糊を引く」とされます。
また付けは月型、軸は泥軸、根は泥根または澄んだ赤根です。(堀内一博『ポケットカラー事典 富貴蘭』三心堂出版社 1995年)
用語の説明は「マニアの為の園芸教室」さんの解説ページをご覧ください。

私の株は、2016年4月に、富貴蘭屈指の栽培上手として知られる風蘭三昧さんのヤフオク出品を落札しました。

 2016/5/4撮影

我が家に届いた直後の、まだ梱包材に包まれた状態の写真です。
葉幅を引いて(= 葉が幅広くて)締まった(= 葉が伸びすぎず)、こういう姿が富貴蘭で好ましいとされるお手本のようです。
感動しました。

その2年後の現在の様子が1枚目の写真です。
この間に3枚の新葉が出て、3枚の古葉が落ちました。仔芽こそ一つ出たものの、一進一退と言えます。
しかも上の新しい葉ほど丈が伸びる傾向が見られます。姿が締まらなくなってきている訳です。
こうなった主要な原因は光不足でしょう。

風蘭の栽培において光の強度はきわめて重要な要素で、明るすぎても葉焼けするし、暗すぎてもヒョロッと間延びしてしまいます。
しかも品種によって適正な明るさが違ったりするので、広い温室(蘭舎)で管理している富貴蘭の趣味家の方々は、
場所によって遮光の度合いを変えたり、品種ごとに置く場所を変えたりして対応しているそうです。
私の狭いベランダではとても無理なので、利用できるのは50%遮光の市松模様ネットと、太陽の入射角に応じたわずかな日照時間の差です。
特に後者は、鉢を置く場所が30センチ違うだけであきらかに影響が異なります。大まかには光と風の強弱の組み合わせです。
①明るくて風が強いエリア、②明るくて風が弱いエリア、③暗くて風が強いエリア、④暗くて風が弱いエリア。
風の強弱は乾きやすさと空中湿度に直結します。
僅か数平方メートルの中に存在する環境の微妙な違いを認識し、植物の調子に応じて、頻繁に鉢の位置を入れ替えるようにしています。

富貴殿に関しては、強光に弱いという情報を得ていたため、葉焼けを恐れてこれまで暗めのエリアが定位置でした。
今春から、ちょっと明るい位置に50センチほどずらしました。
果たしてその結果はどう出るでしょうか?


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