釜石の日々

南海トラフ巨大地震

過ぎてみれば、震災後の7年はあっと言う間であった。昨日は各メディアが7年経った被災地の様子を報じていた。こうして、毎年、3月11日には震災を思い出す報道が行われて来た。あれだけの被害があっても、どの地域もそれなりに「復興」して来たが、二度と同じ被害に会わないように考慮された復興とは言えない。釜石の場合も、防潮堤頼みで、相変わらず被災した旧市街地地域は低地のまま建物が次々に立って行き、先日の雨では浸水箇所が何箇所もあり、通行が規制された。同じ規模の津波がくれば、また同じような被害を受けるだろう。防潮堤はあくまで、津波の到達時間を少し遅らせるだけのものである。東日本大震災をはるかにしのぐとされる南海トラフの巨大地震についての新情報を8割の人が知らないと言う調査結果が報じられた。30年以内に起きる確立は70〜80%に改められている。地震や火山噴火の予測はまだまだ難しい。それだけに、いろんな立場からの研究者の意見に耳を貸すべきだ。それによりあらゆる可能性を知っておく必要がある。予測通りにならなければ、それに越したことはないだろう。一昨日、九州の霧島連山の新燃岳で、噴煙が4500メートル上空まで達する噴火が起きて、気象庁は警戒範囲を火口3Kmから4Kmに拡大した。地震も頻発し、火口からは溶岩も流れ出している。2019年までに富士山が噴火すると予測されている琉球大学木村政昭名誉教授は、南海トラフの巨大地震は起きないと言われる。これに対して、立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学教授は、一昨年から2020年以前にスーパー南海トラフ大地震が発生する可能性が高い、と訴えられている。同教授はプレートや火山の動きを5つのステージに分類されている。「ステージ1」では相対的に上にあるプレートが、もぐり込むプレートの圧縮で歪み、限界を超えると直下型地震が発生する。1995年の兵庫県南部地震や2000年の鳥取県西部地震など。「ステージ2」は、もぐり込むプレートが相対的に上にあるプレートのマグマだまりを圧縮し、火山が噴火する。2011年前後からの阿蘇山、霧島新燃岳、桜島の噴火、2014年の木曽御嶽山噴火など。「ステージ3a」では、相対的に上にあるプレートで歪に耐えかねて、比較的大規模な直下型地震が発生する。1943年の鳥取地震、2008年の岩手・宮城内陸地震、2016年の熊本地震、鳥取県中部地震などがこのステージにあたる。「ステージ3b」は東日本大震災のように、太平洋プレートに引きずり込まれていた北米プレートが跳ねあがり、巨大地震と津波を生じさせる。「ステージ4a」は、現在の東北日本の状態である。陸側プレートの跳ね上がりにより、プレート間の固着域が少なくなり、海側プレートの沈み込む速度が速くなる。このステージでは火山の噴火が再び生じるが、今度の噴火はマグマが大量に生成されているために、噴煙が1万メートルの成層圏まで達する爆発的噴火になる。「ステージ4b」では、太平洋プレートの沈み込み速度が数倍にも加速したことで、東側に続くプレートが追従できず正断層が生じる「アウターライズ型」地震が起きる。東北日本では、もう一度発生し大きな揺れとともに津波が発生する可能性があると言われる。1896年の明治三陸地震後、1933年に発生した昭和三陸地震がアウターライズ型地震であったように。新燃岳の噴火などは「スーパー南海地震」と呼ぶ巨大地震の前兆であり、2020年の東京五輪までに起きる可能性が極めて高いと言われている。教授はフィリピン—台湾—琉球列島—南海—東南海—東海に広がるフィリピン海プレートとユーラシアプレートの接触する範囲全体を視野に入れ、東日本大震災の3年前に起きた岩手・宮城内陸地震や、その後の熊本地震、韓国の慶州(キョンジュ)地震、鳥取県中部地震、韓国の浦項地震などは、「スーパー南海地震」の前段階にあたると見て、ユーラシアプレートの歪は、すでに韓国南東部まで及んでおり、「ステージ3a」からプレート型地震まではおよそ3年であることを考えると、「スーパー南海地震」は、2020年の東京五輪までに発生する可能性が高いと結論づけられるとする。
朝のウォーキング時に出会ったエナガ
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