釜石の日々

解明されて来ている恐竜の絶滅

太古の時代から人類は夜空に流星を見て来た。それを吉兆あるいは凶兆と見る人々もいた。この流星は今では0.1mm以下のごく小さな塵のようなものから、数cm以上ある小石大の小天体が秒速数kmから数十kmという猛スピードで地球の大気に突入するために発生したものだと言うことが分かっている。地球の過去にはこうした小さな天体だけではなく、巨大な小惑星も多く落下して来ている。小惑星が地球に衝突して作った最大のクレーターは南アフリカ共和国のフレデフォート・クレーターで、直径は約300Kmにもなる。20億年前に形成されたものだ。その後もいくつもの小惑星が地球に衝突し、最後の衝突は6600万年前で、メキシコのユカタン半島に直径170Kmのチクシュルーブ・クレーターを残した。衝突直後には直径300Kmのクレーターであったと考える研究者もいる。現在このクレーターから岩石試料を採取して、英国の研究者たちが小惑星衝突によって何が起きたのかを調べている。当時はまだ恐竜や巨大昆虫が地上にたくさんいた。そこへ山ほどの大きさの小惑星が時速6万4000Kmの速さで地球に向かって来た。太陽よりもはるかに大きくてまぶしい光が発せられた瞬間、TNT火薬100兆トン分を超える規模の爆発が起きて、小惑星が地球に衝突した。地下数Km、直径185Km以上のクレーターが形成され、岩石は一瞬にして蒸発した。熱放射が地上を襲い、少なくともM10.1の超巨大地震が発生し、地形によっては最大305mもの高さの巨大津波が発生した。M10.1の巨大地震は現在から過去160年間に世界で起きたすべての地震が同時に発生するようなものだそうだ。衝突からおよそ45分後には、およそ時速965Kmの突風が一帯を吹き抜け、岩屑を撒き散らし、立っているものをすべてなぎ倒す。衝突によって巻き上げられた岩屑は一度大気圏に吹き飛び、ゆっくりとした速度で、赤外線を放射しながら落下し、赤い光が消えた後は、地上は灰と岩屑で日の光が遮られ、数カ月、あるいは数年暗い空が続く。生き延びた植物も光合成が不可能となる。恐竜や巨大昆虫たちも次々に死滅して行った。酸性の泥のような雨が地球に降り注ぎ、大規模な火事は大量の毒素、10兆トンの二酸化炭素、1000億トンの一酸化炭素、さらには1000億トンのメタンを生み出し、地球の生態系を保護するオゾン層を破壊した。地球は核の冬に続く激しい温暖化に見舞われ、環境が激変する。地球は何度もこうした激変を乗り越えて、現代の人類を育んでくれた。しかし、今、人類はその地球を、これまでは自然界になかったもので汚染する愚を犯している。
ヤグルマソウ
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