釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで10年3ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

戦場のジャーナリスト

2014-05-24 19:21:52 | 社会
今日は朝から晴れてくれた。曇天や雨が続いたので、やはり、晴れると気持ちがいい。庭の山野草たちも次々に咲いて来る。それを見ているだけで楽しくなって来る。今日は仕事の関係で制約があるため出かけることは出来なかったが、明日には住田町の例年行なわれている敦盛草(あつもりそう)の「かっこう祭」に行ってみたい。職場の近くの駐車場をよく見てみると、意外に県外ナンバーの多いのに気付いた。支援者だけでなく、被災した親たちの面倒を見るために釜石へ戻った人たちも多いのではないのだろうか。あるいは、土日を利用した一時帰省なのかも知れないが。 写真を撮ることを趣味にしていると、必ず、どこかでロバート・キャパ Robert Capa の名を目にする。1954年5月25日、北ベトナムにいたフランス軍に従軍して戦場の地雷によって、40歳で命を落とした「戦場カメラマン」だ。常にドイツのカメラ「ライカ」を持ち歩いていた。前月の4月には日本へも立寄っていた。ユダヤ系のハンガリー人で、第二次大戦中の1939年に米国へ移っている。ヘミングウェイ、スタインベック、そしてピカソなど多くの作家や芸術家とも親交があった。日本人では明治の元勲後藤象二郎の孫の川添浩史が留学中のパリでキャパと親交を持ち、川添を通じてピアニストの原智恵子や小説家のきだみのる、建築家の坂倉準三らとも親交を持っている。キャパは1937年7月12日号の『LIFE』誌に載せられたスペイン内戦の「死の瞬間の人民戦線兵士」、いわゆる「崩れ落ちる兵士」の写真で一躍有名になったが、実際は、戦場で撮られたものではなかったことが後に明らかとなった。しかし、むしろ、そのことがキャパにとって負い目となり、戦場に立ち続けることになった。彼はスペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線、第一次中東戦争、第一次インドシナ戦争の5つもの戦場を撮った。そして、彼の撮るフィルム写真は常に戦場で犠牲になる人間の悲惨な姿を描き出した。科学や文化が高度になっても地球上では戦争が絶えない。いや、むしろ科学技術が高度になればなるほど無差別の大量殺戮が行なわれるようになった。インターネットを初め、軍事技術の開発には途方もない巨額の開発費が注ぎ込まれている。そして、戦争が続く限り、キャパに続く多くのジャーナリストが戦場へ向かう。しかし、そのジャーナリストたちのまた多くがキャパと同じく戦場で命を落としている。米国のジャーナリスト保護委員会(CPJ)によれば昨年1年間で取材活動や戦闘で命を落としたジャーナリストは、少なくとも70人いると言う。他にも拉致されたりして行方不明の者もいる。2,011年から内線が続いているシリアが最も多く、29人で、イラク10人、エジプト6人と続いている。2007年9月にミャンマーで反政府デモを取材中に銃撃されて死亡した長井健司さんは私の父と高校が同窓になる。他にも日本人ジャーナリストも犠牲になっている。2004年イラクで橋田信介さんと小川功太郎が、2010年タイで村本博之さんが、昨年はシリアで山本美香さんがそれぞれ亡くなっている。他にも負傷した日本人ジャーナリストもいる。彼ら戦場のジャーナリストたちの所得は決して多くはない。年収で500~700万くらいで命をかけているのだ。日本人の場合は特にフリーのジャーナリストが多く、生活のために戦場のジャーナリストをやるという以上のものがなければ続かないだろう。1992年以降に戦場で命を失ったジャーナリストは1000人に上る。特に2006年、2007年はイラク戦争で200人以上が亡くなっている。しかも、無事に戦場での取材を終えたジャーナリストも3分の1はPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥っている。さらに、各メディアの経営が厳しさを増したため、こうしたジャーナリストたちも派遣労働者並みの扱いを受けるようになっている。そのため、戦場経験の浅いジャーナリストが安い報酬で参入し、犠牲者の増加をもたらしていることにも繋がっている。戦場で何が起きているのか、それを知らせることは大切だが、シリアの内戦でも明らかになったように、あえて、ジャーナリストが標的とされる傾向が出て来ている。「真実」を報道されたくないのだ。こうしたジャーナリストや市民の犠牲をなくすためにも戦争の契機をなくす努力の出来る政治家を選んで行かなければならないだろう。現在の日本はまさにその逆を行こうとしている。
桜草

駒草

梅花空木(ばいかうつぎ)

岩千鳥

淡いクリーム色の礼文敦盛草(左)と敦盛草(右)
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