「Before sunset」

友達に「あなたに絶対観てほしい映画があるの」と勧められた「Before Sunset」。1995年に公開された「Before Sunrise」の続編です。

　

ブタペストから乗った電車の中で出逢い、お互い惹かれ合ったアメリカ人のジェシー（イーサン・ホーク）と大学生セリーヌ（ジュリー・デルフィー）はウィーンで14時間を共に過ごし、明け方のプラットフォームで 半年後の再会の約束をして別れます。（ここまでが「Before sunrise」）

別れの時約束した半年後の再会を果たせないまま9年の月日が流れ、作家となったジェシーが、ウィーンでの２人の思い出の半日を綴ったベストセラー著書のプロモーションにやって来たパリでセリーヌと再会するところからストーリーは始まります。

二人が一緒に過ごせる時間はジェシーがニューヨーク行きの飛行機に向かう夕方までのわずかな時間。カフェを後にし、ガーデン・パスを歩き、セーヌ川のボートに乗りながら２人の会話は続きます。限られた時間の中で交わされる会話がとても深くて、そのやり取りに釘付けになりました。

　

　

その後ジェシーは迎えのリムジンでセリーヌをアパートまで送っていくものの、再会を終わらせたくない２人の時間はどんどん引き延ばされていって。。（私はこのアパートの前でのセリーヌのハグとセリフにとても胸が痛くなりました）

そしてセリーヌの部屋でのラスト・シーン。
「You're gonna miss that plane（飛行機に乗り遅れるわよ）」 という彼女の言葉に、ソファーに深々と身を沈めたまま
「I know（分かってるよ）」 と無邪気に微笑んで答えた彼。

その後２人がどうなったかは観る側にゆだねられたのでしょうか。

お互いのような相手にはそう簡単に巡り会えないことを自覚した２人が与えられた時間でもっとわかりあおうとする姿、出会いの意味を確かめようとする姿が印象的でした。
そして私は特にセーヌ川のボートでのセリーヌの言葉に引き込まれました。

近づかなかったからこそ今こうしてこんな想いを抱いて会えるのか、近づくためにこうして今再び会ったのか、近づいてしまったら今のようなこんな想いも薄れるのか。そんなことを考えさせられた映画でした。

フランス映画的な雰囲気もあるこの映画、私のおすすめです。