オンカジは、外国の法人が、その所属する国のライセンスを取得してから、展開しています。通常審査期間は6か月程度で、取得費用も更新費用もかかります。
そんなライセンスですが、キュラソーやマルタなど、基幹産業がほぼオンカジと観光に限られた国がやっているケースが多いです。
そういう国ではライセンスの信用が落ちることは死活問題になります。
なので、厳格な規則があって、それに従ってライセンスを取得させ、常に不正がないようにライセンス機関からモニタリングなどでチェックされています。ところが、チェックの甘い国のライセンスも存在します。それを代表するライセンスが、フィリピンライセンスです。
フィリピンはご存じの通り、農林水産業と観光を産業の中心に置いている国です。もちろんカジノも有名で、観光地にランドカジノがあることはみなさんご存じある方がおおいと思います。
しかし、それはランドカジノという観光地にあるカジノに限った話で、オンラインカジノについては2016年から開始したばかりの新興ライセンスです。
フィリピンライセンスの問題点
一番の問題点は当初中国人観光客向けになっていたところです。
ちょうどそのころ日本でも中国観光客の「爆買い」ってありましたよね。
それと同じように中国人よるカジノ需要が高まり、箱ものでは限界があるので「オンカジ」へシフトしようとしたのです。
オンカジブームに乗っかって、フィリピンは国策としてオンカジ事業をやろうとしたのです。
なので、当初から申請件数が多く、審査基準も緩かった時期がありました。
そのため、そのなかに中国の資本や役員などが入っていても、多少グレーなものとして黙認してきました。黙認した理由としてはフィリピン国内の雇用創出を重視したためで、日本に上陸してきたオンカジの中にも、フィリピンライセンスのオンカジがあります。特に直近1年間でいくつか入ってきています。
問題発生
2022年1月29日に前告知もなしに、同国ライセンス取得の某オンカジが突然撤退を発表しました。
27日頃から入出金での遅延と、出金拒否される事例がSNS上で拡散されていました。
利用者のなかにはかなり動揺している人もいらっしゃいました。
撤退発表後、大金を入金していた人にきちんと返金がされたのかは不明です。
でも今回の件で、フィリピンライセンス(単独)のオンカジは、極力避けるべきだと感じました。
ダブルライセンスで他の国のライセンスと併せて取得していないと、かなりリスキーです。
オンカジについて経営戦略上撤退することはあるのですが、それでも利用者のことを優先に考えて、1か月~3か月程度の猶予期間があるものです。
混乱を避けるために、新設でのアカウントが作れなくする措置や、
HP等でも大々的にお知らせして、顧客のアカウントにある残金を全て引き出しできるようにするのが一般的な撤退の流れです。
それなのに、猶予期間など一切設けずに突然当日に撤退するというのは、普通ではありえないです。同国のライセンスでは経営基盤がぜい弱でも、営業出来てしまうのかもしれないという点で、ライセンス機関があまり機能していない可能性があります。