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もんく [とある港街の住人]

金配りはするが、町唯一のスーパーは閉店

この町に来てから時々行っていた小さなスーパーマーケットが閉店する事になったと知った。

それがどうした?と言われるかもしれないが、この町のある種の人々にとっては大きな問題かもしれない。というのは、人口1万人のこの町にはスーパーマーケットと言える店がこの店だけだったのだ。この店は町の中心地にあるのだが駐車場は無い。なぜならそこはずっと昔に栄えた商店街で今はシャッター通り。だから徒歩か自転車で行くべき場所なのだ。

けれども、隣町には大きなチェーン店のショッピングセンターやスーパーマーケット、ドラッグストアやレストランが山ほどある。そちらは以前は国道の周りが田や畑だったのが幸いしてそうなっている。そして地域の住民のほとんどは車で移動するから当然そちらへ行く。つまりこの町の住民は地元では何も買わないのだ。

そんな町がしょぼい商店会と組んで何をやっているかというと、1万円で1万3千円分の買物ができるクーポンを売っている。非課税所得世帯に対して光熱費高騰の対策として5万円配っている。誰でも気付くかと思うが、国がやっている事と同じようなものだ。構造的な部分には手を付けず、金配りばかりしている。

そして、町唯一のスーパーマーケットは閉店する。

クーポンはどこで使うんだね? 町外れにある町唯一のチェーン店ドラッグストアか? ところどころにある飲み屋か? それで徒歩で食料品を買いに出ている高齢者はどこで何を買うんだね? 一人も取り残さないって本気で思っているのかい? 金配りばかりしていて町の構造問題は誰かが何かを考えているのかね?

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