東京顕微鏡歯科医院☆Advanced Care Dental Office ☆秘書・日本医療機器学会第2種滅菌技士aki

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ウォッシャーディスインフェクター ⑴

2017-06-05 09:55:51 | 医学情報
こんにちは
東京マイクロスコープ顕微鏡歯科アシスタントakiです🌷

今日はウォッシャーディスインフェクターについてです。

 ウォッシャーディスインフェクター(図1)は、ドイツを中心としてヨーロッパ各国で普及した洗浄消毒装置であり、わが国には1970年代終わり頃に紹介され、すでに30数年が経過したが、初期においてはウォッシャーディスインフェクターという認識はほとんどなく、単なる洗浄装置として認識されていた。
ヨーロッパでは早くから血液の付着した器具類はすべて汚染源とみなし、微生物の不活化、作業従事者への二次感染を防止するという観点から重要な役割を果たしてきた。わが国では、1990年代に入り作業従事者の感染防止ならびに作業の省力化、またCDCガイドライン標準予防策(スタンダードプリコーション)の普及により、ウォッシャーディスインフェクターに対する認識が急速に高まった。





1.基本的な考え方
ヨーロッパにおいて急速に発展していったウォッシャーディスインフェクターに関する基本的な消毒方法を確立したのはBGA(ドイツ連邦保険局)であったが、現在ではRKI(Robert-Koch-Institute)に改組されている。国際規格の必要性が高まったことから、ISO/TC198 WG13として1997年より正式な活動が開始され、2006年にInternational Organization for Standerdization(ISO)15883シリーズが正式にリリースされた。しかしながら、基本的に遵守されるべき条件は現在も大きく変わっていない。
RKIの再使用医療機器に対する洗浄消毒の考え方は、医療施設の職員を院内感染から保護することを目的とし、同時に一般的な感染予防の重要性も考慮したうえ、使用済みの機器に対する再処理方法を下記のとおり規定している。
手術器具器械・麻酔用具およびその他治療器具は、使用後汚染されたものとみなし、必ず洗浄消毒しなければならない
この消毒レベルは表1のように4つの水準に分類されており、消毒方法は、表2の3種類、計8項目に分類されている。なお、試験・承認済みの消毒方法の選択に関する明確な指針は次の通りである。
消毒対象物が熱水消毒に適している限り、熱水消毒が消毒剤を用いる方法より優先して実施されなくてはいけない。



さらに、RKIによるウォッシャーディスインフェクターによる器具消毒の項では、表3のとおり規定されている。
また、わが国においては、1999年4月1日に「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」(以下、「感染症法」)が施行された。感染症法では、感染症の病原体で汚染された機器・器具・環境は、消毒・滅菌を適切かつ迅速に行って汚染拡散を防止しなければならないと記されている。そのため、感染症の病原体で汚染された使用済み器具はウォッシャーディスインフェクター、フラッシュイングディスインフェクター(蒸気を利用した消毒器で内容物が入ったまま消毒できる利点をもっており、便器、尿器、吸引びんなどの洗浄消毒に適する装置)、またはその他の適切な熱水洗浄消毒器で処理するか、あるいは消毒液に浸漬処理したうえで用手洗浄を行い、そのうえで滅菌などの必要な処理を行った後、再使用に供するのがよいとされている。つまりウォッシャーディスインフェクターによる高温洗浄では滅菌水準には達しないが、病原微生物による感染リスクは消失するとされている。

2.熱水消毒の考え方
わが国においては、従来RKIが規定した93℃、10分が多く使用されている。また、各国で採用される熱水消毒の考え方は表4に示すとおりであるが、各国の作用時間、作用温度が異なるため比較が困難であった。しかし、2006年にISO15883シリーズがリリースされ、そのなかで熱水消毒の新しい概念であるAノート値の考え方が導入され比較検討が容易になった。
Aノート値の詳細に関しては他の著書に譲るが、ISO15883-2(手術器具、麻酔器具、ボール、容器類、ガラス製品などの洗浄消毒を目的とした装置にかかわる規定)の4.3項では医療機器の表面、洗浄槽内表面においてAノート 600以上の熱水消毒を行うことが規定されている。またウォッシャーディスインフェクターの能力はAノート3,000を下回らないことが要求されている。
注釈として、Aノート値を決定する場合にはインフェクションコントロール部門のアドバイスを受けることが推奨されている。
このことは、ISO15883シリーズが各国の事情を相当加味したものとなったことを物語っている。
RKIが規定している93℃、10分はAノート値12,000に相当し、Aノート値600で作用温度93℃を規定すれば0.5分が作用時間に相当する。(表5)。



参考文献 改訂第4版医療現場の滅菌
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