瓜生島(沖の浜)の海没は、地震に伴って発生した土地の液状化による地崩れとする見解が有力となる。
では、その震源は何処か?
各地の津波の伝承や、津波シミュレーションの結果、地震の震源は別府湾内にあると推定された。
その結果、1980年6月15~20日および1981年10月27~29日
震源探査を目的に、大分大学教育学部の事業として京都大学古環境実験施設のユニブームを用いた
別府湾全域の海底地層探査が実施された。
この調査で、別府湾北部域にその断層群が発見され、全国的な反響となった。
うーん、あんまり記憶ないと云うより、その頃それどころじゃなかったのかな?
一般向け書籍やNHKTVでは、こんな様子である。
書籍 加藤知弘 「瓜生島沈没」 (1978年9月葦書房)
〃 「海にしずんだ島」(1987年福音館書店)
教育TV 「海に消えた伝説の島」 (1981年8月)
「瓜生島沈没の謎」 (1985年2月)
1970年代後半から80年代にかけて、日本中に発信された様である。
これらの番組NHKアーカイブで閲覧できないか?と探したが、残念ながら見つけられません。
ただNHKクロニクルによる、「瓜生島」でヒットした過去番組はこんなものだった。
1975年8月 スタジオ102
1978年9月 新日本紀行「”まぼろし”瓜生島」 ~大分県別府湾
1980年6月 地球と人間(高等学校理科)
「沈んだ島」ー別府湾・瓜生島の謎ー
1990年6月 ニュースの窓「瓜生島沈没の謎」
1990年7月 平成2年・列島にっぽん「解明!日本のアトランティス」
ー別府・瓜生島沈没のナゾー
上記資料と時期がやや異なるが、本局、地方局の関係や纏め方等の違いがあるにせよ
再放送も含め計7回NHKで取り上げられ、放送されている。
内容的には、ほぼ同じとみられ、幾分時期の違いはあるにせよ、
概ね70年代後半から90年代初頭と、この頃瓜生島沈没が話題になっている。
これに関連して、1985年以降、東京、広島、高知、大分大学のグループによる
別府湾の詳細な活断層および海底堆積物の調査研究
1989年6月:東海大学による大分市沿岸域の断層と海底地形の調査研究
1990年代初期:京都大学による別府湾・豊後水道の深部構造の調査研究
が実施され、地震、断層の研究から、中央構造線の構造に関する新知見が得られた。
さらには近年、国、大分県による活断層分布の調査
大分県立先哲史料館による古文書の整理、発掘
この結果を纏め、2014年には「おおいたの地震と津波、歴史が鳴らす警鐘」(大分県立先哲史料館)の発行
と、種々地震、津波関連の研究、成果が発表されている。
そこで、瓜生島を沈没させた地震に関し、備忘録として纏めてみたい。