名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

小澤征爾音楽塾オペラ「フィガロの結婚」

2014-03-20 10:43:34 | Weblog
2014.3.20(木)
 若い音楽家を育てる「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」の演奏会が19日、県芸大ホールで開かれた。曲目はモーツァルトの「フィガロの結婚」で、78歳の小澤さんが自ら指揮した。
 小澤さんは、食道がんの手術でしばらく療養していたため、このプロジェクトの指揮は5年ぶりとのこと、また名古屋で指揮するのも2009年7月以来のことだそうである。先日の日曜日(16日)、NHKの放送で水戸室内管弦楽団を指揮している(ベートーベン第4番)のを聴いたばかりだったが、この日も時には椅子に座っての指揮とはいえ、回復振りをアピールするものであった。
 今回の「フィガロの結婚」は「オペラ・ドラマティコ形式」で上演されたが、それは小澤さんの解説によれば、大掛かりなセットに頼らず、凝縮された表現方法をあえて追求し、小澤征爾音楽塾独自のオリジナルステージを作り上げようとする、新たな挑戦という。
 演じられた「フィガロの結婚」は、正味約180分におよぶもので、小澤さんが一人で指揮するというものではなく、メトロポリタン歌劇場の指揮者テッド・テイラーさんとの振り分けで行われた。こういうやり方も小澤さんにとって初めての試みだそうである。体力を考えてのことであろうか。
 なお歌手やオーケストラ、合唱団は音楽塾の名の通り、オーデションで選ばれた塾生たちが演じた。
 「フィガロの結婚」はこれまでも幾つかの劇団の演奏を鑑賞したが、簡素なセットという点で華々しさには欠けるが、オペラを身近にするという点では納得できる。その分、複雑な劇の構成でやや分かりにくい点があったことは否めない。しかし、小澤さんの試みは万雷の拍手で讃えられたことを良しとしたい。