松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治基本条例検討委員会(逗子市)

2018-03-05 | 1.研究活動

 こちらは専門家と行政チームの検討委員会である。

 しばらく休止していたが、市民による未来協議会を受けて、翌日、開催された。予算の関係もあって、3月に集中して開かれることになった。忙しい先生方なので、なかなか全員が集まるということはなく、議論をうまくつなぎながらの会議になる。

 再開第1回目の会議は、おもしろかった(最近、関心の空気感でいえば、自由闊達な空気ができた。そのバロメーターは、「記事録不記載にして」発言がでることである)。

 まず、確認しておきたかったのは、今後の展開。条例制定の時期が明言できないのは、よくわかるので、とくにこの専門家委員会と市民会議、そして行政のかかわりである。ここから、今回の専門家委員会の目標というか、検討の水準が決まってくる。

 今後であるが、①市民が検討の材料にする検討案、②パブリックコメント案、③提案する条例案という流れになる。②と③はそう大きく違わないが、①~②に熟成していくプロセスが大事で、そこに、市民が大いに検討する機会をつくることが大事になる。となると、この専門家委員会の議論(到達点)は、市民がより具体的に議論ができる素材を出すことになる。

 そこで、この再開第1回会議では、全体の大枠、あるいは市民の議論で不足していることなどを議論することにした。逆に言うと、市民による未来協議会ででた市民の思いを行政がまとめた「条例素案」の表現や細部のことをさらに詰めて、それを仕上げるのが目的ではない(私は、この素案の水準をよく知っているが、他の先生方は、よくわからないだろうから、念のために確認した)。したがって、素案に縛られてということではなかったので、談論風発、とてもおもしろかった。正式には、議事録ができるが、印象に残ったこと、面白かったことを書いておこう(あくまでも私の解釈です)。

 1.後発の強み(第3世代の自治基本条例に) 2000年にニセコで、自治基本条例ができてから、20年近くなる。この時代との対比でいえば、人口減少問題はリアルになっているし、高齢化をめぐる問題も顕著である。明らかに時代が違い、その時代の難しさを人々がリアルに感じるようになった。ニセコ、小田原と自治基本条例も世代を重ねているが、第3世代の自治基本条例を作るときなのだろう。

 2.出発点は、逗子らしさである。それがきちんと認識され、議論されているか。私は、逗子らしさとは、「人」だと考えている。逗子らしさというと、環境や文化などが上がるが、そのおおもとにあるのは、やはり人である。たとえば環境を大事だと考える人、そのために行動する人がいる。その人たちの思い、自主独立の気概、多様性、協力や連携、責任と信頼など、この「人」に着目するのが、逗子の自治基本条例だと思う(市民税、固定資産税で成り立っているまちということもある)。

 3.この逗子らしさから、いくつもの大事な点が見えてくる。
 ①逗子らしい公共性・公益性 国の水準とは違う逗子独自の公共性があるはずである。それを示し、それを維持していくルールとしての自治基本条例である。逗子らしい公共性を維持するためには、市民の行動や行政、議会の役割も明確になってくる。
 ②民の力を後押しするという理念 私の言葉でいえば、行政による公共性と市民による公共性で、双輪型の公共である。市民が存分に力を発揮することが大事で、その力を大いに後押しする自治基本条例なのだろう。市民には事業者も入る。
 ③信託論の具体化 信託論は信託された行政や議会に関する議論ばかりである。では、信託した住民が、代表者の選出、活動に関心を持ち、自ら考え、判断しているのか(投票率やきちんと判断して投票したのか)。要するに、きちんと信託しているかの問題である。つまり信託した住民が、きちんと信託できるような制度や仕組みにつながるのが自治基本条例である。例えば、選挙に出る人は、市民の前で、信託されたら何を実現するのか、市民の信託にどう答えるかを示す機会・仕組みである。信託論を内実化するのが自治基本条例である。

 4.これらは、自治基本条例でいえば、目的や基本理念・基本原則に関する事項である。これらを整理すれば、第3世代にふさわしい自治基本条例が出来上がると思う。これらは市民の問題でもあるので、市民のなかできちんと議論してもらいたい。

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