オペラ座の怪人な日々

オペラ座の怪人とドールハウス作りにはまっているミミルのページです。

映画版(2004年)についての感想③

2017-09-05 09:58:59 | オペラ座の怪人
※ オペラ座の怪人全般のネタバレを含みます。
内容を知りたくない方はご注意ください。

最近古い映画なんかばっかり見てましたが、2004年版をまた見る時間ができたので、感想の続きを書きます。

後半、舞台だとオケによるアントラクト演奏から始まりますが、映画だと、スワロフスキーからの花火で始まります。
仮面舞踏会のポスターがかっこいい(o´∀`o)
マスカレードのシーンは、とてもスタイリッシュですね。
メイキングで見ましたが、衣装はモノトーンにまとめたとか。
なので、かなりシックだし、踊りも洗練されています。
しかーし!そもそも仮面舞踏会は、それぞれの参加者が思い思いの衣装で参加するものだと思うので、本来の衣装は雑多なハズ。
お猿とかもいないしさ。ということで、私はここは舞台版のほうが好きです。
クリスの衣装も、単純にステキすぎて、仮装じゃないよね。
舞台版のほうが野暮ったくて、仮装っぽさが出てると思うのよね。舞台はハロウィンっぽいですよね。カルロッタとか、ムッシュ・アンドレとかが、とくに。
でも、映画のもキライなわけじゃないです。オシャレだと思います。
それに下働きの人たちが裏ではしゃいでるのも楽しい感じです。

ただ、ファントムの赤ドクロは、帽子忘れちゃったの!?っていつも思う(笑)
あの帽子がインパクト大で、恐ろしさを際立たせてるのにね。
ロン・チャニー版を見た後だと、なおのことあの帽子の重要性を感じます。
帽子ないと、頭小さっ!て感じになっちゃいますね。
あと、ファントムとクリスが見つめ合うところ、learn to be lonelyのメロディが流れるのね。ほう。

ファントムを追っかけて、ラウルが鏡部屋に落ちるところは、
設定は違うけど、ちょっとロン・チャニー版を彷彿とさせる。
マダム・ジリーはすごい速さで回り込んできたね。さすがオペラ座の構造を知り尽くしてるのね。

そのあと、ラウルがマダム・ジリーにファントムの正体を教えろ、と詰め寄り、
マダムはラウルを部屋に招き入れますが、これはマダムの部屋なのかな。
そこから、時をさかのぼり、見世物小屋のシーンへ。
ここの音楽も書きおろしみたいですね。
不気味さがよく出ています。
舞台では表せないシーンですが、ここは映画ならではで効果的だと思います。
ファントムの過去が少し明かされて、その境遇に同情を誘います。
年齢としては、ファントムは10歳くらい、マダムは14、5歳ってとこでしょうか?
何年も前、じゃねえだろ!何十年も前だろ!と突っ込みたくなります。
どうでもいいんですけど、私のイメージだと、マダム・ジリーって未亡人なんですけど、
実際、どうなんでしょうね?夫、すなわちメグの父親って健在なのかな?

墓場に向かうところの音楽も新たに付け加えられたものですね。
ここは、ラウルの目を盗んでまでお墓に行かなければならない必然性はあるのかな、ってちょっと不思議に思います。
それに、ファントムも、どうせ墓で出てくるなら、馬車の御者を殴ってまで、なりすます必要あるのかな、と。
ラウルが裸馬に飛び乗るシーンはカッコいいですね。
でも、パトリック・ウィルソンのインタビューでみましたが、鞍を付けていない馬に乗るのは難しいのだとか。
俳優さんも大変ですね。
個人的には、暴れん坊将軍のオープニングの乗馬シーンが好きです。⇦全く関係なし!!

墓場のシーン。
寒そうなのに、しっかり胸の谷間は出してますね。
この映画は、そのへんのサービスは決して忘れません。
マスカレードのシーンのメグなんて、かなりおっぱい出てますよね。ウヒヒ・・・
そして、驚くのは、墓地で一番大きなお墓じゃないですか!
舞台版でもかなり立派なお墓ですが、これはすごい。
クリスのパパってバイオリニストとして財を成したのでしょうか?それとも、もともとスェーデンの名家の出だとか。

そして、ファントムがこのごに及んでもエンジェル・オブ・ミュージックだと言って、クリスをたぶらかそうとすると、
ラウルが白馬で駆けつけて、大立回りになります。
日本では最近加わったという三重唱の部分はないわけですね。
ここは、舞台で素晴らしいと思ったとこなので、なくて残念ですね。

この映画では、ドン・ファンの勝利について喧々諤々とする支配人のオフィスのシーンと稽古のシーンはカットされています。
稽古のシーンは何度か見るまで、ピアノが自動的になりだして、みんなが歌い出すシーンの意味があんまりわかっていなかったのですが、
ドン・ファンの勝利の歌が当時の人々に受け入れられにくい手法で作られているという話を聞くと、
すごく意味があるシーンだと思うので、全くカットしちゃうのは、どうかと思います。というか、残念。
でも、まあウェバーがいいって言うんならいいんでしょう。

「わかってみれば簡単なことだ!」「奴を捕まえる」というところは、申し訳程度に差し込まれている感じですよね。

ドン・ファンの勝利が始まった時の、観客のざわつく感じは、先ほどの、
当時の人には受け入れられにくい音楽だったというのが伝わっていいと思います。
このドン・ファンの勝利の演出はかなり前衛的ですよね。後ろのダンサーたちの感じとか。
5年くらい前にパリのオペラ・ガルニエで見たよく分からないオペラが、こういう雰囲気でした。
(またしてもメグのおっぱいが・・・)
そして、ピアンジさんと入れ替わって出てきたファントムさま。
いつも思いますが、入れ替わることが目的なら、なにもピアンジさん殺さなくてもいいのに、と。縛っとくだけでも足りるでしょ。
この辺が、ファントムが、フォントムたる所以な気がします。

ピアンジさんに化けたファントム、完全に出てきた瞬間にバレてますって〜
舞台では、すっぽりと布をかぶっているので、
いつクリスがファントムに気づくのか、というのが見所の一つだったりもしますが、
このファントムはバレバレやん。というか、この黒い仮面もセクシー💘
しかも、出た!私を悩殺するフリルのシャツ!
こんなフリル、絶対日本人は着こなせない。いや、谷原章介とかだったら、もしかしたら・・・。
それはさておき、明らかにファントムってバレバレなのに、舞台は進んでいきます。
みんななぜか手出しできない。
完全にクリスがファントムの虜になっているっぽいところを見つめているラウルの涙目が可愛いくて大好きです。
そして、ファントムが歌い上げるオール・アイ・アスク・オブ・ユーのフレーズ。
ここ、すごく切なくて、胸が締め付けられる思いがしますが、
最高に盛り上がったところで最後まで歌い終わらないうちに、クリスが仮面剥がしちゃうじゃないですか。
最後まで歌わせてあげてー、って舞台版でもいつも思います。
なんでこのタイミングで剥がすかな〜
っていうか、私が最後までその歌を聞きたいんだから、余計なことすんなよ!と。
クリスもそれまではうっとりしてたのに、ここでふと正気に返って、仮面をはがすってことなんですかね。
でも、剥がした後の顔を見ても、「きゃーっ」って感じじゃなくて、憐れむような表情ですね、エミー・クリス。
ピアンジさんの死体に駆け寄って、泣き叫ぶカルロッタ、好きです。
ピアンジさんのこと本当に愛してたのね、って。涙を誘います。

ラウルは、クリス救出に向かいますが、マダム・ジリーと別れた直後、笑っちゃうような落とし穴に落ちて、
水攻めにあいます。マダム・ジリー、絶対この仕掛け知ってて、「私はここまで」って逃げたでしょう〜(笑)
この水攻めのシーンは、またしてもロン・チャニー版を思い出させますね。
命からがらファントムのアジトにたどり着いたラウルに対して、
「お客さんだ」というジェリー・ファントム、実に意地悪そうないやらしい表情しますね。ムムム。
このシーンは、ジェリー・ファントムのワイルドな歌い方も悪くないかな、と思ったりします。
これは、結構この映画の特徴だと思うし。

キスシーンは、ファントムもわりと自分の方から行ってる感じじゃないですか??
女慣れしてる感じがしちゃうな。
やっぱりセクシーすぎるもんね、このジェリー・ファントムは。
こいつは、相当女をたらしこんでるに違いねぇや。
その前のラウルが現れたシーンでクリスの肩を抱き寄せるところも、女慣れしてる感じだったもん(`ε´)いやーん。

この点は、やはりロンドン25のラミン・ファントムがうぶな感じでいいですね〜。
キスされて心底驚いて、手が震えて、最初はクリスに触われない、けど、
2回目のキスで受け入れる、みたいなあの演技と目の表情。たまりません。
ちなみに、クリスのウェディングドレスは割と地味ですよね。シンプル。
私は、ロンドン25のビクトリア朝風のバッスルタイプのあのドレスが大好きです。
スカート部分のレースの段々が斜めになってるのが凝ってる!

キスの後、ファントム自身はラウルの縄を解いてくれないのね。不親切。
なので、クリスが解きます。
猿のオルゴールが鳴り出して、一緒に歌うファントム。
ここの歌詞、日本語版がやはりよく考えられています。
「仮面に隠れて」って場面に応じて変えてる。さすがは浅利慶太。
このあたりのシーンは「我が愛は終わりぬ」ってところもあるし、名訳が光ります。

ファントムのアジトには、何枚も鏡があるんですね。意外。自分の顔なんか見たくないだろうにね。
それを割って回るというのは、やはりワイルド。
メグが現れますが、アジトにたどり着いた時には、かなりズボンが濡れていたのに、
仮面を見つけるとこではズボンもう乾いてる。超速乾性の布だね!

そして、問題のエピローグ。
私ははっきり言ってこの部分は蛇足だと思っています。
舞台で、号泣状態に引きずり込まれた後、まだ全然気持ちの整理がつかないうちに、
唐突に終わってしまって、投げ出されてしまうあの感じ。
余韻が最高に味わえます。
でもまあ、いつもの決まり文句ですけど、ウェバーがいいって言うならいいです。
そこは映画だから、違う見せ方したかったんだろうし。
それにしても、子爵夫人のお墓は割と質素。
それに比して、ダーエ家の墓がやっぱり立派すぎるでしょう!!
クリス父、いったい何者だよ!

エンディングは、カルロッタ役のミニー・ドライヴァーが歌うleran to be lonely。
この歌は特にそれほどいい曲だとも思いません。
ところで、ミニー・ドライヴァーは後にこんな映画にも出演しているんですね。

見たいけど、スプラッター苦手だから、無理だな〜



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