人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第20回 「おお、そうか!」(白隠禅師)

2022年01月20日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第20回

おお、そうか!」(白隠禅師)

 

ここ数回ブログでご紹介している、バカボンのパパの「これでいいのだ!」や、

「わらしべ長者」のお話から共通するのは、「受け入れる」ということのすごさです。

今回ご紹介するのは、まさにこんな日本人がいたんだと、本当にすごいお坊さんのお話です。 

 

「駿河には、すぎたるものが二つあり。一に富士山、二に原の白隠」 

 

と称された、江戸時代の名僧です。白隠禅師は、禅のお坊さんで、

臨済宗の中興の祖とも言われた方で、私も大好きなお坊さんの一人です。 

 

『白隠禅師の住んでいた駿河の原宿(現在の静岡県沼津市原)という村にいたある娘が、

若者と恋に落ちて子供を産みました。娘の父親は、誰の子かと問い詰めましたが、

娘は頑として相手の男の名は口にしません。

しかし、とうとう耐え切れずに、白隠禅師の子だと嘘をついてしまいました。

父親が日頃から敬愛している白隠の子であれば、許してもらえるだろうという娘の浅知恵でした。

もちろん白隠禅師にとっては、身に覚えのないことです。 

 

娘の父親が 白隠禅師の住む松陰寺に駆け込むや、

「この生臭坊主!よくも娘を傷ものにしたな。お前の子だ、受けとれ」と

怒鳴りながら、赤ん坊を突き出しました。

白隠禅師は、何の言い訳もせず、「おお、そうか」と赤子を受け取りました。

この日は飴湯や米の粉をといて与え、翌日からは村中を「もらい乳」して歩き回りました。

それまで、高僧、傑僧として尊敬されていた白隠禅師は、

一転してとんでもない破戒僧とさげすまれ、

弟子たちはもちろん信者もひとり残らず離れていきました。 

 

にもかかわらず、白隠禅師は悠然ともらい乳して村中を歩き続けました。

そんな赤子を親身になって育てる白隠禅師の姿に、当の娘の方がこらえきれなくなり、

ついに父親に本当のことを白状しました。 

 

驚いた父親は、さっそく白隠禅師に非礼を詫び、

赤子を返して欲しいと恐る恐る申し出ました。

このときも白隠禅師は、「おお、そうか」と言っただけで、

泰然として赤子を返したといいます。』

これが、「受け入れる」ことのすごさです。

その後、白隠禅師の評判は瞬く間に広がり、信者や弟子もそれまで以上に増えたというお話です。

もちろん、そんな評判を気にして行動したわけではないでしょうから、

そんな評判をきいても、きっと白隠禅師は、「おお、そうか」と答えたかもしれませんね。

 

いかがでしたか? 

 

私たち凡人は、そこまでできないですし、

文句のひとつやふたつはつい言いたくなりますし、言い訳などしたくなりますよね。

白隠禅師は、何が起きても態度を変えずに、言ったのは、「おお、そうか」だけ。

それだけ、肚がおさまって、目の前の赤子をなんとかしなくてはと、

そのことだけの対応をして、自分のことをどう思われるだろう、

あいつだけは許せない、 と余計なことを言いたくなったりは一切せずに、

淡々と目の前のことに対応していく。 それが本当にすごい人ですよね。 

もし、私たちがそのぐらいの心境で起こっている出来事を受け入れることができたら、

奇跡は簡単に起こるんだと思います。


この話を教えてくださったのは、前田知則(まえだとものり)さんです。

前田さんは、今から20年前くらいに一世を風靡した

『動物占い』というコンテンツを世に出した方でも有名で、

累計600万部という異例の発売部数にもなりました。

その後、「心のデトックス(現在リメンバランスという名称に統合)」というコンテンツを体系化して、

現在は「リメンバランスワークショップ」と、

「リアリティ・エンジニアリング」の講師をされています。 

前田さんには、この10年にわたって、心のデトックスと瞑想、

リアリティ・エンジニアリングを中心に、人生の在り方を教えて頂いています。


参考文献 小冊子楽に楽しく生きるコツ 心のデトックス 浄化のサイクル編 vol 1 

監修:前田知則 編集:らくらくライブネット編集部より)   


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