雑記(退避所)

個人的雑感と個人的に気になる主に特定地方だったり公共交通だったりするニュースをやる気なく記載(予定)。

「昭和天皇の発言メモ」の内容を考察っていうか想像してみるよ。

2006-09-01 01:17:56 | 靖国神社とか
テレビや新聞なんかの報道では、主に「昭和天皇も『A級戦犯合祀はヨクナイ』って思ってたみたいヨ?」とゆー話ばっかりで、なんでそう思ったのか、という話がスッキリサッパリ欠けていたよーに思うのですが、その辺を先日某Kさんとディスカッションしつつ推測してたら結構コワイ話になってしまったので、この場を借りて晒してみる次第。

こちらのリンク先のブログ方が言及なさっている通り、まずメモ自体の真偽がビミョウという話もでているようですが、ここではその辺りをひとまず置いて、「メモの中での主体は昭和天皇」「このメモの内容はホントウ」という仮定のもとに進めてみます。

大和朝廷成立からこのかた、天皇の主なお仕事は「まつりごと」つまり祭事であったと思われます(「政事」と書いて「まつりごと」と読むのは、「祭(祀)」=「政」だった古代の頃の名残であると推測)。戦後になって政治系のお仕事は禁じられましたが、国の祭祀の責任者としての性格は残されたように思われます。
という訳で、この昭和天皇の発言(と言われるモノ)を、「国の祭祀の責任者」としての発言だと仮定しまして、あらためて、どーして『A級戦犯合祀はヨクナイ』のかと考えますと、どーしても御霊信仰のことを思い出さずにはいられません。

御霊信仰においては、強い恨みを持ったまま死んだり、いわゆる非業の死をとげたりしたヒトは「御霊」とゆー一種の神になるのですが、御霊は祟ります(「もののけ姫」のタタリ神を思い出していただくとヨイかと)。御霊の祟りは、恨まれていたヒトの周辺だけを祟るとゆー訳ではなく、主に疫病という形でそこらへんの無関係な民衆の上にもふりかかるもののようです。
夏の初めに祇園さんをおまつりするのも、お墓になっていた山のてっぺんに祇園さんや牛頭天王がまつられていたりするのも、元々は御霊を鎮めて疫病がはやったりしないようにしたいがためのことのようです。
菅原道真の祟りと言われたものも、その主なものは疱瘡(天然痘)や赤痢の流行にあるようです。清涼殿の落雷事故があまりにも有名なので、祟りの対象は天皇や藤原氏だけのように錯覚していたのですが、故人とは関係のない、たくさんのそこらへんのヒトに対して祟るのが御霊です。従って、強力そうな御霊を静める責任があるのは、国の祭祀の責任者である天皇であるとゆーことができると思われます。

さて、そこで、このメモです。

「A級戦犯」とされたヒトの何人かは、極東軍事裁判の後、死刑に処せられたとのことです。国のために良かれと判断した上での行為まで含めて断罪されたことが予想されます。御霊信仰の観点から言えば、むしろ御霊にならないのが不思議なぐらい、とゆー状態だったと思われます。
そして、戦犯の死刑執行から5年後あたりから、水俣病の存在が表面化してきています。その後を続くようにイタイイタイ病や四日市喘息も表面化していきます。どれをとっても症状は非常に重く、恐ろしい疫病の一種であると判断されてもおかしくありません。公害病の原因物質は有機水銀だったりカドミウムだったり二酸化硫黄だったりしますが、国の祭祀の責任者としては、それがたくさんの人のあいだに蔓延してしまった一因には、御霊の祟りがあるとゆー可能性を否定できないのではないかと思われます。

基本的に官軍の戦死者だけを祀っている靖国神社本殿に対し、戦没者全てを祀る鎮霊社が建立された時期をみるだに、背景には御霊と公害の関係もあるんじゃないかと勘繰れてしまうわけです。原爆や空襲による死者数はとんでもないし、そのほぼ全員が非業の死であるとも言えるし、名前も「鎮霊」だし。つまり、本殿にお祀りしているモノは祟ったりしない祖霊であり和霊であり、国土を護ってくれるモノですが、鎮霊社でお祀りしているモノは御霊であり荒霊であって、国土に災いをなすモノであるという住み分けを行っていたんじゃないかと思われるフシがあるです。
モノの性格が違う以上、祭祀の方法も違うはずです。鎮霊社が目立たないような配置にされているのも、目立たせてしまうと鎮まることができず、いつまでも荒霊のまま祟ってしまう恐れがあるせいなのかなあ、とも思えます。

そんな住み分けをしているとするなら、戦犯として断罪されたヒトたちの霊は祟りをもたらす御霊である可能性が高く、そうであるなら本殿ではなく鎮霊社のほうに祀るのがスジであるとなるんじゃないでしょうか。
だとすると、「A級戦犯合祀」とゆーのは、「荒霊を和霊と勘違いして、和霊の中にまぜてしまった」とゆー行為である可能性がある訳です。
和霊と荒霊を合祀した結果できるモノが、和霊と荒霊のどちらになるのかは知らないのですが(不勉強ですみません)、もし荒霊になるのだとするなら、荒霊を和霊として間違った方法でお祀りしていることになりますね。

そうだとするなら、昭和天皇が抱いていたという不快感が、国の祭祀の責任者として、間違った方法で祀ることはしたくないというものである、とゆー解釈も不可能ではないように思えます。

まあ、あくまでもシロウトの想像なんですけどね…。

実際の昭和天皇の胸の内は知る術もありませんが、マスコミの皆様には、発言の意味を問う報道をするのなら、可能な限り多くの見方で意味を推察して、それを併記して発信するぐらいのことはしてほしいなあと思います。

一方的な内容だけのかしましい報道は、まるで「死人に口無し」といわんばかりで、天皇陛下に失礼だと思うんですけどね。



# 以下余談:

ちなみにワタクシ、祟りを信じるかと言われれば「信じない」と答えますが、祟りが怖くないかと問われれば「怖い」と即答する凡人です(by凡人代表本島君)。