耳の健康を守りましょう!
早いもので、今週末には3月になります。3月3日は耳の日です。耳の役割について考えてみましょう。
耳の中は3つに分かれています。いわゆる耳の穴と呼ばれている「外耳」。緩やかに曲がった2~3㎝の通路です。空気で伝わってきた音の波は、この突き当りにある鼓膜に伝わります。
鼓膜は、「中耳」との境にある薄い膜です。「中耳」には、3つの骨があり、音のふるえを「内耳」に伝え、電気信号に変えて神経によって脳に伝えられ、「音が聞こえた!」となるのです。
また、耳は「音を聞く」の他に、「体のバランスをとる」という働きをしています。耳の奥にある「内耳」に三半規管があり、体の傾きや動きなどを感じ取っています。
こどもの耳を観察してみてください。
びっくりするほど耳あかが詰まっていることがあります。
たまりすぎていると聞こえが悪くなったり、水でふやけて鼓膜を圧迫し、ちょっとした不注意で中耳炎・外耳炎を引き起こすこともあります。
また、こどもの耳管の構造上、喉や鼻からの菌が入り込みやすく、中耳炎になりやすいです。鼻づまりなどで内耳の内圧が低くなり、中耳に浸出液が溜まることで中耳炎になることもあります。
日頃から気を付けるように心がけましょう。
①耳を爪で引っかいたり、強く引っ張ったりしないようにしましょう。
②耳あかがたまっていないか、こまめに確認しましょう。
耳あかは自浄作用によって自然に耳の外へ排泄されるようになっているため、頻繁に耳掃除をする必要はないとされています。耳掃除をしすぎると耳の中が傷ついて炎症を起こしたり、耳あかを排泄する働きが妨げられて耳あかが奥に溜まりやすくなったりすることもあります。また耳あかには耳の中を保護する働きもあるため、耳あかを取りすぎるのはよくありません。
しかし、こどもは耳の中が狭いうえに代謝が活発で耳あかが溜まりやすいため、適切な頻度で耳掃除をすることが大切です。
※耳掃除のし過ぎには要注意しましょう。
耳あかの量はこどもによってさまざまで、耳掃除の頻度に明確な基準はありません。月に1〜2回、ライトで耳の奥を見て耳あかがたくさんあるようだったら、耳掃除をすると良いでしょう。耳の奥のほうに溜まった耳あかを取り除くのは難しいので、奥のほうにたくさん溜まっている場合や耳の聞こえが悪い場合は、半年に1回程度を目安に耳鼻科を受診して耳あかをとってもらうと安心です。
③鼻をかむときは、片方ずつ静かに行いましょう。
④耳の側で、大きな音や声を出さないようにしましょう。
こんな症状が見られたら、耳鼻科に相談をしてみましょう。
①向かい合って話せば通じるが、背後から声を掛けると返事をしない。
②テレビの音を大きくしたり、近付いて見る。
③会話をしていて、何度も聞き返す。
④話しかけてもぼんやりしたり、後から聞き返したりすることが多い。
⑤よく耳を触っている。
鼻の症状がある時、耳の症状がある場合は、早めの耳鼻科受診をお勧めします。
耳掃除のポイント
①まず、こどもが耳に触れられることに慣れることから始めましょう。
②ゆったりとしたスペースでこどもを横向きに寝かせ、体制を安定させましょう。
③綿棒を使用する時は、耳あかを奥に押し込まないようにしましょう。
カサカサの耳あか:耳かき棒と綿棒が可能です。
ベトベトの耳あか:綿棒を使用しましょう。
④耳掃除は、耳の入り口から1~1.5㎝までにしましょう。
⑤耳あかが見えていても取りずらい時は、無理をせず耳鼻科を受診しましょう。
⑥お風呂あがりは、皮膚がふやけて傷つきやすいため、避けましょう。
⑦こどもがリラックスできることを心掛けましょう。
⑧きれいに取れなくても、「じっとして偉かったね」などと声掛けをしてあげましょう。
今年度も残すところあと1ヶ月となりました。
病気や怪我に気を付けて、残りの日々も楽しく過ごしましょう。