これは私が畑沢で水田に殺虫剤を散布していたころの動力噴霧器です。もう50年近くも前の機械です。私が高校生の夏休みなどで、「いもち病」防除をしていました。
そのころの農薬は、まだまだ健康や環境への影響を考慮したものではなくて、有機リン系という毒性の強いものが使われていました。水田だけでなく、あらゆる水辺の生き物がたちまちのうちに姿を消してしまいました。農薬を散布する時の装備も、口の周りに農薬散布用のマスクをするのですが、マスクをかけていても農薬の匂いがしていましたので、マスクの効果はしれたものだったと思います。体中に白い粉を浴びていました。おそらく、私の健康にも悪影響しているものと思いますが、まだ目だった兆候はありません。融通が利かないのは生まれつきで、決して農薬のせいではありません。
さらにこの機械は、液体も霧状に散布することができます。養蚕を開始する前に、小屋の中を全面的に消毒しなければなりません。ホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)をこの機械で霧状に吹き出します。この時は、さすがに防毒マスクを使いました。顔を全面的にゴム製のマスクで覆い、呼吸用のパイプが活性炭が入った飯盒のような缶に接続されています。さすがに防毒マスクだけに、独特のホルマリン臭は一切ありません。
この動力噴霧器を再び復活させることにしました。外側にこびりついた農薬等をきれいに洗い落しました。ところが、それだけでは、約50年近くも眠っていた機械は目を覚ましません。次回に復活に向けた私の奮闘ぶりを投稿します。