-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

立石山の岩質

2013-05-15 20:59:05 | 自然

 上畑沢地蔵堂の脇にある巨大な湯殿山碑について、過日、投稿しましたが、あの時点ではまだ石材の岩質が分かりませんでした。その後、資料を調べたところ、「角閃石流紋岩」と言う火成岩であることが分かりました。インターネットで流紋岩の画像と比べると一致していました。国土交通省が出している地質図によると、大雑把な言い方になりますが、畑沢は全般的に下部が砂岩、上部が凝灰岩のようです。立石山と大平山(ホウズヤマ)だけは流紋岩です。御所山を中心とした火山活動の際に、地表近くで溶岩が固まったものでしょう。この岩は広く分布するものでなく、他の地層と地層の間に溶岩が入ってできた限られた分布のようです。常盤地区では外にはないようです。なお、大平山に隣接する甑岳は、安山岩という火成岩です。

 

 流紋岩は大変に硬い石で、簡単に細工できません。従って、石段、石臼、灯篭などには使われないそうです。ただ、硬さは路盤の石材としては最適なため、大規模な採石が行われました。そして立石山の原型がなくなりました。しかも、採石場所としての用がなくなると、何らの保全対策を行わないまま、無残な姿で放置されています。聞くところによると、採石業者は倒産したため緑化等の対策が取れないのだそうです。全国の何処でも、何故だか採石が終わると会社が倒産するのは、不思議なものです。この山の所有者も、採石後は緑化などの対策がなされるものと信じて採掘を了解しているはずです。その約束を踏みにじることができる人たちは、どのような心を持っているのでしょうか。採石を許可した行政は、何故に保全対策を強要させる制度にしないのでしょうか。こんなことは何十年も前から言われ続けられているはずです。

 

 立石山のこの大きな傷口は、村山市内の国道上からも見えます。