大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

髪型の訳

2017-04-09 | 日記
気が付けば家の周りの雪がほとんど消えている。
ストーブを少し焚いただけで20度を超える。
枯れ草の中から、ふきのとう、浅葱、水仙、ルバーブもピンクの頭を土から出した。
去年秋に忘れていたごぼう畑を掘ってみたら、短い体を土で隠して照れくさそうに出てきた。
洗って千切りにして、新玉ねぎと混ぜ、フキノトウをみじんに刻んで味噌と酢とオリーブオイル
のドレッシングで食べたら身体中に春の息吹が漲った。

一時は田圃を埋め尽くすほどの数の白鳥が落穂をひろっていたが
金曜日パラパラと30羽ほどを最後に姿を消した。
いよいよ北へ帰ったか・・・・毎年ほんとにご苦労だな、、、、

夫がじゃらんの格安セールで手に入れてあった、カルルス温泉鈴木旅館のクーポンの利用期限が迫り、
「今いかないと忙しくて行けなくなる・・」 という事で、たまたま荷物を出しに来たタイちゃんも「一緒に行くー!」となる。
タイちゃんの車のエンジンがかかりにくくなり、「時々高速道路飛ばさないとなんとかがどこだかに詰まるんだって」というわけで
うちの軽なら90kが限界だが、タイちゃんの赤いスポーツタイプの車を夫が運転してびゅんびゅん飛ばしたら夕飯に間に合った。
食後、温泉にいくと「あら、その髪型いいね」と湯船の淵を枕にして床に長々と寝転んでいるお姉さんに突然声を掛けられた。
「髪型がおしゃれ。昔○○がしてたその髪型にみんなが憧れてたけどカットできる人いなかった・・・」(○○って誰??)
『ほんとに~~?お笑い芸人みたいでしょ~~?』「ううん、アイドルの〇〇がほんとに可愛かった」(そんなアイドルいたんだ・・・)
お姉さんの青春が”今”メラメラ~と蘇ったらしく、語る語る。なぜか愛おしくなり『実はさ・・』とまだお尻も洗わぬ体でお姉さんに近づき
『娘がある日突然この髪型にしてきて、、なにそれ恥ずかしい~と非難めいたこと言うとね』  「うんうん」
『いつもいつも2歳の息子を怒っている自分が嫌で、思い切って髪型をこれにしたら、食器棚のガラスや鏡に映る自分を見るたび
思わず笑ってしまって。。。道ですれ違う人にも声かけられたりして、、、気分が明るくなるっていうの』 「へーーー」
『それなら母ちゃんも同じにすれば娘がもっと笑うかな?と思ってさ、すぐに美容室に駆け込んだ。。』 「あははは、似合ってる」
年齢不詳のお姉さんは、お釈迦様のように床に寝そべって不思議な手の動きをしながら話を訊いている。
『ところで、何してるの?』「アカスリ」『。。。』そのあとお姉さんは念入りにからだと床に落とした垢を洗い流して脱衣場に立ち去った。
テレビで、このキノコのような、あほみたいな髪型の、名前も知らぬお笑い芸人を(全く、何考えてんだか。。)と醒めた目で見ていた、
が、髪型の原点が(娘を笑わせたい)その一心の事だったと気づき、お笑い芸人の目的が理解できた気がした。
”笑われやしないか・・”が ”笑わせたい!”と切り替わっただけで世界がひっくり返る。
しかし、芸人が本気で人を笑わせたいなら、髪型で笑いを取るよりネタの質向上に本気出してくれ!!
最近のお笑い番組はおばあさんの笑のツボをかすりもしない。若者はあれで笑えるんだ。。。。
腹の底から笑わなければナチュラルキラー細胞も退屈で寝たきり老人状態だよ。