新潮45が炎上している。右翼を担う約束で支援され当選した女性国会議員の書いた文章に対し、擁護する特集を組んだからである。LGBTの中傷誹謗を「そんなに間違っているか」と凄んだのである。これで新潮社は「ミス」ではなく「確信犯」になってしまった。自らも当該議員の見識の低さに乗じて、痴漢擁護にまで至った。
新潮45は、筆者が45歳前後の20数年前は愛読していた。斬新でよく分析した記事が多かった。しかし、その後、面白くなくなり、存在すら忘れていた雑誌だ。今回、昔のスターが落ちぶれた姿を見たような感覚だった。残念である。新潮社がそこまで落ちる必要があったのか。出版不況で、右寄りに存在するマーケットを狙った結果だそうだ。あはれ、出版業界。
ゲイのリベラチェは愛されてきた。女性のファンは3千万人と言われていた。真のジェントルマンとは彼のことだとは誰も疑わない。彼の立ち居振る舞いの美しさ、彼の創り出した分かり易い、楽しい、かつ歴史的に愛されてきた音楽の極上さは語られ続けるだろう。
偏見や見識の低さは、単なる無知の表れだ。新潮社の今度の経営上の「賭け」は失敗した。従軍慰安婦などの捏造記事で凋落した朝日新聞の後を追って、ヘイト本の出版社と烙印が押される危険を、一日も早く回避するよう、書き直して出てくるべきだ。先ずは、リベラチェのことを知ってほしいと願う。
追記
この記事の後、新潮45の休刊を知った。早く火消をしてしまいたい新潮社だが、言論人の自負は失われたとみられる。