大泉ひろこ特別連載

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エージングパラドックス(66)Go to nowhere

2020-08-02 11:32:20 | 社会問題

  寿センターの前に張り紙がされた。曰く「コロナ第二波が予想される中、暫定的に開館時間を短縮します。また、長時間の滞在を禁止します」。「春男君、勝負は短めにしないと。君は待ったが多すぎる」「老後の将棋はじっくり考えるところに意味があるんだ。若き日は人生を駆け抜けてきたから、間違った判断が多かった。老後はそれを悔い改めるのが人生の勝負なんだ」「偉そうなこと言ったって、また、センターの市職員が回ってきて、そろそろご退場ください、次の人にお譲り下さいって言われるよ」「生意気だな。コーヒー屋でいくらねばたって、出て行けとは言わないのに、公務員はサービス精神に欠ける」

 「春男君、それが公務員の仕事さ。一旦規則を作ると守ることだけが仕事だ」「その理屈だと、いったん忖度が正しいと決めたら、忖度し続ける。一旦マスク給付がコロナ対策と決めたら、批判があっても変えないということだな」「政治と行政は違うからな。政治家が物事を決め、公務員は盲目的に従う」「民間は顧客の動向を重視し上意下達ばかりでないのに、役所は相も変わらずだなあ。だから、間違いが起きるんだ。中央でも官僚の地盤沈下が明らかで、間違いが沢山発生している。象徴的なのが、厚労審議官と総理補佐官の不倫報道は、厚労副大臣と政務官の不倫報道の真似らしい。どこかに、政治家と張り合う大物はいないのかよ」

 「春男君の言うとおりだ。コロナ政策のダッチロールは、もともと政策に疎い政治家を責めてばかりいても仕方がない、むしろ職業意識の下がった官僚を責めるべきと思うよ。経済が落ち込み、格差が広がる中で、最も安定したところにいる連中が、体を張って、政治に対抗しようという気概がない」「中央官僚のみならず、日銀や地方公共団体まで飛び火している。訳の分からない疫病だから、訳の分かっていない政治家が責任を取ればいいだろうってことだ」

 「GO TO キャンペーンは国民の多くが時期尚早ととらえ、連休中もJRの乗車率は低かった。政府がキャンペーンを止めないのは、明らかに経済復帰を第一にしているからだ。それって、またぞろトランプの真似だよね。トランプは民主党の対立候補バイデンに大きく水をあけられ、経済指標が悪すぎて落選する可能性が大きくなってきた。安倍さんも笑顔が消えて、後継者を決め、院政を敷いて、憲法改正しようとの魂胆がまるみえだ。俺の院政が可能なのは、気の弱い岸田しかいないとばかりにね」「秋夫君、俺もそう思う。国内総生産は、アメリカではトランプ就任の2017年の数字に、日本では、安倍首相就任の2012年の数字にもどると分析されている。つまり、トランプのアメリカファーストとアベノミクスはいずれも水の泡となる」

 「次に来るのは、アメリカセカンド、つまり経済成長率をかろうじてプラスにした中国に負けるのと、安倍のミックスアップ、つまり政治混乱だね。だが、春男君、アメリカも日本も株価はいい水準だぜ」「俺もお前も株をやるほど金融財産を持っていないが、どう見たって、株はおかしいよ。実体経済は落ち込んでいるのだから、GAFAや巣ごもり需要やコロナ新薬の関係以外は、経済を反映していないよ」「すると、どこかで、株価暴落か」「かもしれない。株をやっているのは金持ちだから、少しは格差の解決になるかも」「よせよ、そんな言い方。日本はどこへ行くんだ」

 「簡単さ。GO TO NOWHEREだ。行くところがない」

 

 

 

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