ギアボックス解体

2007-06-13 | Weblog
やっぱり機関部に手を入れるのは盛り上がるね。 A・M・C!A・M・C! …例によって万力でくわえて取りかかります。万力は便利だなー。



まずはアウターカバーを。このときもマイナスネジは一度締めてから緩める。…しかしどちらに回してもまるで動かん。固え。人にドライバーをぐっと押さえてもらって、ウォーターポンププライヤーでくわえて回し、何とか緩めることができた。ネジ穴はまあ大丈夫でしょう。ガスケットが固着しているので、アルミ版とプラハンでコツコツ叩いてカバーを外す。



外れたのがこちら。ここからまずクラッチオペレーティングレバーを外すが…。



この取り付け角度。これが重要なので、印を付けてから外さねばならない。この角度があやふやだとクラッチがすごく重くなったりするのだ。写真、直線上にある水色の●部分にポンチでドットを打つ。ちょうど溝の中央にくるように。



この作業が終わったら、クラッチオペレーティングレバーホールディを外す。写真矢印部分の溝に貫通ドライバーを立てて、プラハンで叩いてまわす。正ネジ。回せばクラッチオペレーティングレバーがごそっと外れます。ここは本来専用工具(部品番号01-5800)を使うものらしいが…よく壊れるから使ってないらしい。でも、外すときはまあ注意すれば壊すことはないとしても、取り付け時に適正トルクで締めるにはどうするつもりなんだろうか。



外れたクラッチオペレーティングレバー一式。



続いてキックスターターのシャフトについているリターンスプリングを外して…



メインシャフトのベアリングの手前についているナットを外す。このナットが…今ひとつ出自がわからず、難儀した。K崎さんも「こんなナットあったかなあ…?」と言うし、ヘインズなどを調べてもうまく見つからない(その後、雑誌"Classic Motorcycling Vol.04"の巻末にあるAMCギアボックス分解整備術を参照したところ、確かにあった。このナット自体に名前はないようだ) しかしあるものは外さねばならず、シャフトを万力でくわえて回そうとするが、固くて外れねえ。校長に聞くと「まさに正ネジで外れるはずだ」とのことなので、最終的にはインパクトを使った。ブルルッと簡単に外れる。

キックのシャフトはついたままでもインナーカバーは外れるので、各ナットを緩めてインナーカバーを取り外す。



外れた後。残るはギアボックスシェルのみです。





シフターフォークアセンブリのシャフトを緩めてにゅーんと取り出し…



メインシャフト外側(車体左側)に付いているサークリップ(写真左上/再使用しない)を外して、メインシャフトを抜けば…あとはバラバラとギアたちが取れます。場所によってはプラハンで叩いて外したり。この辺は校長がやってきてぱっぱっと解体してしまったのでちょっと詳しく書けない。組むときに覚えよう。



メインシャフトについていたギアたち。メインシャフトの2速ギア(写真上段いちばん左のギア)が最も痛みやすく、次いで1速ギア(下段いちばん左のギア)が痛みやすい。キックスターターシャフトと噛み合う1速ギアの内側も摩耗していないかチェック(ここが痛んでいるとキックのとき滑る)

今回はすべて再使用するが、ギアを交換する場合、メインシャフト側とカウンターシャフト側、ペアで新品に交換すること。



カウンターシャフト(レイシャフト)アセンブリとギアボックスシェル。ギアボックスシェルの中に大小ベアリングが見えるが、ふたつの取り付け間隔が非常に狭いことがわかる。この間によくクラックが入るらしいので注意。今回は幸い無事だった。



忘れていたけど、アウターカバーの裏についている部品も外します。



ラチェットスプリングをマイナスドライバーでコジって外し、後はプラハンで叩いて外していた…と思う。



ただしアウターカバーについているこの辺りの部品だけは外すと後の調整が面倒らしいのでそのままにしておくことと相成った。



ギアボックスシェルについているプランジャーを外す。中のスプリングが途中で切れてしまっていた。要交換。



後はカムプレートとクワドラントをそれぞれ止めているボルトを外せば、解体終わり。ここのナットはふたつとも回そうとするとカムプレートとクワドラントがそれぞれ動くので、スパナを強く回すのをためらってしまうが、そのまま回していいみたいです。グッグッと一瞬だけ力を入れるのがコツ。じわ~っと回さない。

クワドラントとカムプレートは、摩耗がないようであれば分解しない方がよいらしい。組むときの位置決めが面倒くさい(カムプレートを4速位置にして左右上部スタッドボルトとクワドラント上側のすべての中心が同一線上に揃うようにする)ので。



外れたクワドラント(写真左)とカムプレート(写真右)、ナット。



以上でギアボックス解体終わり。他の機関部内部と同様、状態はかなりいいと言えるが、シャフト類とブッシュに痛み/ガタが見られた。



ギアボックスメインシャフト。写真矢印部分を比べると、削れて色が変わってしまっているのがわかる。要交換。



帰宅後磨いたアウターカバー。"Classic Motorcycling Vol.04"のAMCギアボックス分解整備術は写真も多くてわかりやすいので使える。組み立てのときはコピーして持っていこう。

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