予告通り、宿泊レポートを。鹿児島県紫尾温泉にある「くすのき荘」です。ここは2006年に大人のウォーカーで訪れて以来、再訪したくて仕方がなかった宿です。
紫尾温泉は紫尾山麓の田園地帯にある北薩・ヌルヌル美肌湯の1つで、神社の下から湯が湧き出ているのです。そのアルカリの強さは、それを利用してつくる干し柿「あおし柿」が名物になるほど。
共同湯と宿3~4軒の小さな温泉地なのですが、バスがない……。最寄りは温泉から5~6キロ離れた宮之城温泉もしくは、もう少し離れた宮之城市街地になりますが、宮之城温泉行のバスは極めて少ない上に鹿児島から乗り換え2回(だったと思う)。肥薩おれんじ鉄道を利用した私は比較的本数が多い川内→宮之城市街のバスに乗りました。よくわからないので宮之城車庫という終点まで乗りましたが、少し失敗。紫尾温泉へは「宮之城駅」のほうが近かったらしいです。木造りのレトロ~なバス営業所にたった一人だけいた女事務員さんに頼んで(建物の雰囲気から、「スタッフ」などというより「事務員さん」という言い方が似合う・笑)タクシーを呼んでもらったのですが、紫尾温泉入口まで2500円までかかりました。ちょっと痛い出費です。ルートも途中までは歩けそうでしたが、紫尾に近づくにつれて人気も歩道もない道になってくるのでここもできればマイカーでアクセスしたほうがいいでしょう。
くすのき荘は共同湯の斜め前にあります。10室ほどの小さな宿です。
宿の前で振り返ると共同湯、つまり神社があります。
玄関まわりは06年に訪れたときのままでした。
さっそく部屋に案内していただきます。私が通されたのは、こたつがしつらえられた8畳間で窓からは緑が見えます。部屋の入り口まわりや縁側もゆったりつくってあって、一人旅には十分な広さです。写真に写っていませんが金庫もちゃんとあります。部屋にドライヤーはなかったですが、温泉の脱衣所にありました。お茶も茶葉で用意(ティーバックで手を抜く宿が多い昨今、嬉しいことです)。
温泉は宿泊棟から渡り廊下を渡っていきます。
湯小屋、という感じの木造りの素朴な感じで、男女別に分かれています。ここの一番の魅力、温泉は、内湯と露天で楽しめるのですが、内湯には神社から湧き出る「神の湯」、露天には自家泉源と2種類の違う温泉が味わえるのです。どっちも硫黄の香りがして少し甘苦い感じのお湯。硫黄の香りに慣れさえすれば美味しく感じガンガン飲んでしまいました(飲泉はもちろん可)。ちなみに硫黄泉なので飲んだら、お通じがよくなります。
前の時は、この湯で地焼酎の温泉割をしてたいそう美味しかったので、食事の時に申し出たのですが、スタッフさんには「やってない」といわれてしまいました。しかし帰りに若女将さんに聞いたら「美味しいですか? お好きならお持ちしましたのに。お送りしましょうか?」とありがたいお言葉。温泉で焼酎を割ると、芋のクセが増長されて嫌うお客がいるので、おおっぴらには出さなくなったらしいです。しかし私はむしろそれが好きだ~♪
肌触りは、内湯も露天もいずれも、自分の体をいつまでもナデナデしたくなるような、ヌルヌル湯。43.2度と適温湧出ゆえに加水・加温なし。正真正銘の源泉かけ流し湯です。ph9.4・溶存物質379mg の重曹泉の性格を持つ単純硫黄泉。ヌルヌルの単純硫黄泉にしてはメタケイ酸の含有が68mgと若干多めなのも私には嬉しい。露天は岩風呂と寝湯が、タイルづくりの内湯には乾式サウナと小さな水風呂があります。
温泉と水風呂のかわりばんこ入浴は、気持ちよくてこたえられません~♪
料理が美味しいのも「くすのき荘」の魅力の1つです。前回いただいた黒豚の温泉しゃぶしゃぶも美味しかったのですが、今回もとても美味でした。前回と変わっていたのが食事処。改装したのか、個室っぽく区切られていました。お客さんが多かったのでしょうか、一人客の私は、二人客のお客さんと衝立で区切られて1部屋を使用。ブルーライトを使った不思議なライティングは健在(笑)で、料理写真はすべて青っぽいですがご容赦を。
鹿児島らしく厚切りのカツオが乗ったお造りも、海鮮鍋も、手打ちそばも山菜の天ぷらもどれも美味しかったです。地鶏のたたきや鹿刺しといった野趣あふれるものが出た前回より無難な素材にはなっていましたが、味的には前回同様◎、満足でした。地元・紫尾の名前がついた焼酎はたっぷりあり、部屋に持ち帰りました。
朝食は大広間にて。
ちなみに朝食前に共同湯にいってみました。前の時よりキレイ、というか風情がなくなっていました。普通の町営浴場のような感じです。お湯はさすがによかったですが……。というわけで、朝食の後もう1回、宿の温泉を楽しみ、宿泊中、足掛け4回湯を楽しみました。
帰りは若女将さんに送っていただき(一人旅なのに申し訳なかったです)ました。仕事柄、初めての宿を選ぶことが多く、いい宿でもなかなか再訪することができないのですが、この「くすのき荘」のように、前回もよい印象だった宿が、前に訪れた時よりさらにいい宿になっていると、とても嬉しく、旅自体が充実しますね。湯自体も大変素晴らしいので、またぜひぜひ訪れたいです*^_^*
記念日系・プレゼント系のゴージャスな宿ではないですが、本当に温泉が好きな人がほっこりするのにお勧めです。
くすのき荘(公式HPなし)
鹿児島県薩摩郡さつま町紫尾2162
0996-59-8841
1泊1万くらい。一人旅1万2000円
紫尾温泉は紫尾山麓の田園地帯にある北薩・ヌルヌル美肌湯の1つで、神社の下から湯が湧き出ているのです。そのアルカリの強さは、それを利用してつくる干し柿「あおし柿」が名物になるほど。
共同湯と宿3~4軒の小さな温泉地なのですが、バスがない……。最寄りは温泉から5~6キロ離れた宮之城温泉もしくは、もう少し離れた宮之城市街地になりますが、宮之城温泉行のバスは極めて少ない上に鹿児島から乗り換え2回(だったと思う)。肥薩おれんじ鉄道を利用した私は比較的本数が多い川内→宮之城市街のバスに乗りました。よくわからないので宮之城車庫という終点まで乗りましたが、少し失敗。紫尾温泉へは「宮之城駅」のほうが近かったらしいです。木造りのレトロ~なバス営業所にたった一人だけいた女事務員さんに頼んで(建物の雰囲気から、「スタッフ」などというより「事務員さん」という言い方が似合う・笑)タクシーを呼んでもらったのですが、紫尾温泉入口まで2500円までかかりました。ちょっと痛い出費です。ルートも途中までは歩けそうでしたが、紫尾に近づくにつれて人気も歩道もない道になってくるのでここもできればマイカーでアクセスしたほうがいいでしょう。
くすのき荘は共同湯の斜め前にあります。10室ほどの小さな宿です。
宿の前で振り返ると共同湯、つまり神社があります。
玄関まわりは06年に訪れたときのままでした。
さっそく部屋に案内していただきます。私が通されたのは、こたつがしつらえられた8畳間で窓からは緑が見えます。部屋の入り口まわりや縁側もゆったりつくってあって、一人旅には十分な広さです。写真に写っていませんが金庫もちゃんとあります。部屋にドライヤーはなかったですが、温泉の脱衣所にありました。お茶も茶葉で用意(ティーバックで手を抜く宿が多い昨今、嬉しいことです)。
温泉は宿泊棟から渡り廊下を渡っていきます。
湯小屋、という感じの木造りの素朴な感じで、男女別に分かれています。ここの一番の魅力、温泉は、内湯と露天で楽しめるのですが、内湯には神社から湧き出る「神の湯」、露天には自家泉源と2種類の違う温泉が味わえるのです。どっちも硫黄の香りがして少し甘苦い感じのお湯。硫黄の香りに慣れさえすれば美味しく感じガンガン飲んでしまいました(飲泉はもちろん可)。ちなみに硫黄泉なので飲んだら、お通じがよくなります。
前の時は、この湯で地焼酎の温泉割をしてたいそう美味しかったので、食事の時に申し出たのですが、スタッフさんには「やってない」といわれてしまいました。しかし帰りに若女将さんに聞いたら「美味しいですか? お好きならお持ちしましたのに。お送りしましょうか?」とありがたいお言葉。温泉で焼酎を割ると、芋のクセが増長されて嫌うお客がいるので、おおっぴらには出さなくなったらしいです。しかし私はむしろそれが好きだ~♪
肌触りは、内湯も露天もいずれも、自分の体をいつまでもナデナデしたくなるような、ヌルヌル湯。43.2度と適温湧出ゆえに加水・加温なし。正真正銘の源泉かけ流し湯です。ph9.4・溶存物質379mg の重曹泉の性格を持つ単純硫黄泉。ヌルヌルの単純硫黄泉にしてはメタケイ酸の含有が68mgと若干多めなのも私には嬉しい。露天は岩風呂と寝湯が、タイルづくりの内湯には乾式サウナと小さな水風呂があります。
温泉と水風呂のかわりばんこ入浴は、気持ちよくてこたえられません~♪
料理が美味しいのも「くすのき荘」の魅力の1つです。前回いただいた黒豚の温泉しゃぶしゃぶも美味しかったのですが、今回もとても美味でした。前回と変わっていたのが食事処。改装したのか、個室っぽく区切られていました。お客さんが多かったのでしょうか、一人客の私は、二人客のお客さんと衝立で区切られて1部屋を使用。ブルーライトを使った不思議なライティングは健在(笑)で、料理写真はすべて青っぽいですがご容赦を。
鹿児島らしく厚切りのカツオが乗ったお造りも、海鮮鍋も、手打ちそばも山菜の天ぷらもどれも美味しかったです。地鶏のたたきや鹿刺しといった野趣あふれるものが出た前回より無難な素材にはなっていましたが、味的には前回同様◎、満足でした。地元・紫尾の名前がついた焼酎はたっぷりあり、部屋に持ち帰りました。
朝食は大広間にて。
ちなみに朝食前に共同湯にいってみました。前の時よりキレイ、というか風情がなくなっていました。普通の町営浴場のような感じです。お湯はさすがによかったですが……。というわけで、朝食の後もう1回、宿の温泉を楽しみ、宿泊中、足掛け4回湯を楽しみました。
帰りは若女将さんに送っていただき(一人旅なのに申し訳なかったです)ました。仕事柄、初めての宿を選ぶことが多く、いい宿でもなかなか再訪することができないのですが、この「くすのき荘」のように、前回もよい印象だった宿が、前に訪れた時よりさらにいい宿になっていると、とても嬉しく、旅自体が充実しますね。湯自体も大変素晴らしいので、またぜひぜひ訪れたいです*^_^*
記念日系・プレゼント系のゴージャスな宿ではないですが、本当に温泉が好きな人がほっこりするのにお勧めです。
くすのき荘(公式HPなし)
鹿児島県薩摩郡さつま町紫尾2162
0996-59-8841
1泊1万くらい。一人旅1万2000円