温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

碇ヶ関温泉 旅荘豊荘

2013年08月25日 | 青森県
※残念ながら2014年3月を以て閉館しました。


碇ヶ関温泉会館に隣接する民宿「豊荘」で入浴利用してまいりました。看板が立っていなければ民家と見紛いそうな佇まいですね。



玄関右手に設置されているカウンターの上にザルが置かれていますので、セルフで料金を納めます。「本日より入浴料二百円になりました」と書かれた張り紙は、いつから掲示されているのでしょうか。ここしばらくは毎日が「本日」なのでしょう。訪問時は居間におばあちゃんがいらっしゃったので、声をかけてから浴室へお邪魔させていただきました。



右が女湯、左が男湯。脱衣室の棚は9つあるのですが、一つ一つが大きくて奥行きも深く、衣類が嵩張る冬でも問題なく収納できそうです。ありがたいことに扇風機も取り付けられています。



浴室に入ると湯気の湿り気とともに石膏の匂いがぷんと鼻孔をくすぐってきました。こじんまりとした、いかにも民宿らしいお風呂です。壁面・床ともにアイボリー系のタイル貼りですが、床にはキラキラと虹色に光るラメ入りのようなタイルが用いられていました。


 
洗い場には混合栓が2基取り付けられており、お湯のコックを開けると温泉が出てくるのですが、右側の水栓からはお湯が常時小さなボックスへ注がれています。おそらく上がり湯としてこのお湯を汲んで使うのかもしれません。


 
湯船は2人サイズ(膝をたためば3人は入れそう)。縁には赤御影石が採用され、槽内には濃紺の丸いタイルが敷き詰められています。湯船の右上にある、白い析出が付着した蛇口よりホースを通じて温泉が供給されており、加水用の蛇口は見当たらなかったので、もし湯船が熱い場合はホースを湯船から外し、投入されるお湯を逃がす形で温度調整をするものと推測されます。源泉温度が下がる冬は加温されるそうですが、それ以外の時季は完全掛け流しの湯使いとなっており、私が湯船に体を沈めたら、ザバーっと音を響かせながら勢い良くお湯が溢れ、室内はちょっとした洪水状態になりました。
お湯は無色透明でほぼ無味ですが、ごくわずかに塩気があり、また湯面からは弱い石膏臭も放たれています。癖のないサラサラ&スベスベの浴感で、利用した日はちょっと熱く感じられましたが、湯上りはすっきりさっぱりし、且つ適度な温まりも維持されました。


三笠山1号源泉代替温泉
単純温泉 45.4℃ pH7.20 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質0.901g/kg 成分総計0.916g/kg
Na+:247.6mg(80.19mval%), Ca++:45.1mg(16.75mval%),
Cl-:390.1mg(83.21mval%), SO4--:41.3mg(6.51mval%), HCO3-:77.5mg(9.61mval%),
H2SiO3:77.0mg,
冬季は源泉温度が低くなるため加温

奥羽本線・碇ヶ関駅より徒歩12分(1.0km)、または弘前バスターミナルなどから弘南バス・碇ヶ関行で「岩淵公園前」バス停下車、徒歩3分
青森県平川市碇ヶ関湯向川添4-8  地図
0172-45-2923

※2014年3月末で閉館しました
入浴可能時間不明
200円
備品類なし

私の好み:★★+0.5
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公衆浴場平川温泉

2013年08月24日 | 青森県
 
弘前の中心部から田舎館や黒石方面へ向かう際、私はしばしば県道268号線でショートカットするのですが、この県道を走ると否応無く目に入ってくるロードサイドの「平川温泉」でひとっ風呂浴びてきました。青森県の温泉銭湯はえてして旅館も併設されていますが、御多分にもれずこちらも同様でして、2つある建物のうち右側は旅館棟、おでこに「公衆浴場平川温泉」と書かれた左側の建物が浴場棟と分かれております。土地が余っているのか、駐車場はとっても広々。


 
いかにも銭湯らしいロビー。番台にいるおばちゃんに直接料金を支払って浴室へ。番台の左が女湯、右が男湯。



渋くて古臭い外観とは裏腹に、脱衣室はオフホワイトでまとめられており、失礼ながら意外と明るくて綺麗です。適宜改修しているのかもしれませんね。天井にはシーリングファンが設置されており、湯上りのクールダウンに使えます。窓下の棚には、各枠にギリギリ入るサイズのプラ籠が収められていました。脱衣室と浴室はガラスで仕切られており、相互間は丸見えです。壁や床のクロスのみならずガラスサッシもやけに新しいので、やっぱり最近リニューアルされたのでしょう。
室内の中央に置かれた長椅子では、風呂から上がったばかりの爺様が汗だくになりながらグッタリしていたのですが、その状況から察するに相当熱い湯加減なのかも…。


 
浴室の中央には大きな浴槽が据えられ、周囲に洗い場が設置されている、青森県の温泉銭湯では一般的に見られるレイアウトです。室内はよく手入れされていてとっても清潔。洗い場のカランは青森県標準の押しバネ式カランと固定式シャワーの組み合わせが16セット。カランから出てくるお湯には源泉が、冷たい水には後述する水風呂と同じ鉱泉が、それぞれ引かれています。



四角くて大きな浴槽は大小に2分割されており、大きな方は8~10サイズでやや熱め(44℃前後)、小さな方は6人サイズで激熱(46~7℃)。大きな方ですら44℃近くはありますので、先ほど脱衣室で湯上りのお爺さんがグッタリしていたのも納得です。両浴槽の縁からはお湯がふんだんに溢れ出ていました。勿論掛け流し。


 
大小両浴槽にはそれぞれ温泉源泉を吐出する水栓があり、温泉成分の付着のためか、水栓金具は白くなっています。大きな方には水道水も投入されていますが、小さな方は源泉オンリーで加水が無いため、福島県飯坂や秋田県十和田大湯にも匹敵するほどの熱い湯加減になっているんですね。
お湯の見た目はほぼ無色透明ですが、ごくわずかに黄色を帯びているようであり、また槽内に用いられているタイルの色の影響を受けて若干緑色っぽく見えることもありました。お湯からは弱タマゴの味と匂い、そして微かなゴムのような風味が感じられ、特に湯口やカランではタマゴ感がはっきりしていました。熱いので長湯できませんが、入浴中はツルスベの気持ち良い浴感が得られ、鮮度感も良好。湯上り直後は先客の爺様のように火照って汗が噴き出しますが、熱の抜けが良いために、しばらくすれば汗もすんなりと引いてくれました。


 
浴室内にはサウナも併設されているのですが、その前に据えられている小さな水風呂が特徴的。金気が多い鉱泉なのか、浴槽まわりは赤茶色に染まっており、実際に明瞭な金気の味と匂いが感じられました。この鉱泉(井戸水)は上述のように洗い場のカランでも用いられています。津軽の温泉施設は、温泉のみならず水風呂も面白いところが多いですね。

夏の暑い日にお湯だけ入浴するのは辛そうですが、この水風呂に入れば、その爽快な冷たさに全身がシャキッと冴えわたること間違いなし。



風呂上がりに、浴場の裏手へ回ってみました。この辺りは津軽平野の米どころ。広大な水田が広がっています。


 
浴場裏には源泉井などがあり、櫓から伸びている配管からは、ドバドバと大量のお湯が用水路へ捨てられていました。あぁ、もったいない…。


大袋2号泉
アルカリ性単純温泉 49.5℃ pH8.74 393L/min(動力揚湯) 溶存物質0.499g/kg 成分総計0.499g/kg
Na+:101.1mg(94.22mval%),
Cl-:70.1mg(42.86mval%), HCO3-:106.6mg(37.88mval%), CO3--:23.4mg(16.88mval%),
H2SiO3:185.3mg,

弘前駅(および弘前バスターミナル)より弘南バスの黒石駅前行もしくは尾上駅前行のバスで「大袋入口」バス停下車すぐ
青森県南津軽郡田舎館村大袋樋田3  地図
0172-58-2160

6:30~22:00 不定休
300円
ロッカー(50円有料)・ドライヤー(有料30円/5分)あり、基本的な入浴グッズは番台で販売

私の好み:★★
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涼と花を求めて 会津駒ヶ岳・中門岳 2013年8月 後編

2013年08月23日 | 福島県
前回記事「涼と花を求めて 会津駒ヶ岳・中門岳 2013年8月 前編」のつづきです。


 

【7:45 山頂まで0.7km地点 駒の小屋前】
登山道が歩きやすい状態に維持されているおかげで、良いリズムでスムーズに登れているから、ペースを乱さないよう、ここでも休憩をせずに通過。


 
池の畔にはハクサンコザクラが群生をなしていた。思わず足を止め、その可憐な花に見惚れてしまう。



軽快に木道を歩く。半袖だとちょっと肌寒い。下界の猛暑が嘘のよう。



【7:56 山頂への道と巻き道の分岐】
まっすぐ進めば山頂を経ずにショートカットして中門岳へ。右へ登れば会津駒ヶ岳山頂へ。ここはもちろん右に折れる。


 
山頂への木道を登る。途中で振り返ると燧ヶ岳がくっきり。



【8:00 会津駒ヶ岳(2132.4m)山頂】
燧ヶ岳をバックに撮影。
ここまで無休憩・無給水で登ってきたところ、登山口から2時間33分で到達。標準タイム(3時間20分)より50分近く早着できた。本当はここでゆっくり休もうかと考えていたが、アブが鬱陶しいので、水を飲んだだけでそそくさと退散し、更に奥の中門岳へ足を延ばすことに。


 
中門岳へ向けて山頂から奥へ続く稜線を前進。山頂を下りる道の傍らではニッコウキスゲが2~3株花を残していた。



木道はコバイケイソウの群生の真ん中を突き抜けてゆく。花とは異なる色合いの白い一角は雪田。


 
ここでもハクサンコザクラの群生と邂逅。


 
草原の白い部分はすべてコバイケイソウの群生。前編でも述べたが、今年はコバイケイソウの当たり年らしく、辺り一面を埋め尽くしており、その様は圧巻。




【8:30~8:53 中門岳(2060m)】
中門大池の畔にはベンチが2つ設置されているので、その中の一つに座って静謐の池面を無心状態でボーっと眺めながら20分ほど休憩。全く波立っていない水鏡には真っ青な夏空や周囲の木々が明瞭に映りこんでいた。山の上だからこそこの鮮やかな色調に出会える。


 
中門大池から先にも木道は一応伸びているが、どこかにつながっているわけではなく、たくさんの池塘が点在する山頂部の湿原をぐるっと周回するだけで、実質的には行き止まり。しかし、この周回部分はまさに多様な高山植物が見られる雲上の花園。


 
画像左(上)は言わずもがなワタスゲ。右(下)はモウセンゴケ。


 
見頃を迎えたキンコウカは群生をなしていた。


 
【9:40~10:08 駒の小屋】
行き止まりの中門岳から、さっき来た稜線上の道を引き返し、会津駒ヶ岳の頂上は巻道でショートカットして、駒の小屋前まで戻ってきた。さすがにこの時間帯になると、小屋の周辺は多くのハイカーで賑わっていた。


 
小屋の中ではスタッフの方が布団を干したり掃除をしていたり。お仕事中に申し訳ないが、そんなスタッフの方に声をかけてコーラをひとつ購入。
なお画像は撮っていないが、小屋のトイレも利用した。使用料金100円。電源立地地域対策交付金による事業で建設されたらしいそのトイレは、山にあるとは信じられないほど立派な造りであり、綺麗に維持されていた。


 
駒の大池前に設置されているベンチでランチ休憩。山の清らかな空気とともに、コンビニのおにぎりと小屋で買ったコーラをいただく。たかが百数十円のおにぎりだが、山の上で食うと、ミシュランで三ツ星を獲った料亭の板さんも顔負けの、極上のうまさに化けるから不思議だ。



気温は21.1℃。下界の猛暑とは無縁の、この上なく爽快で涼しい世界。あぁ、帰りたくない。冷房なんかいらねぇぞ。
さきほどまでは晴れわたり、山頂はもちろん、その彼方まで明瞭にのぞめていたが、その後次第に雲がわきはじめ、いつの間にやら山頂はガスで覆われてしまった。



【10:08 駒の小屋前のベンチを出発】
登ってきた道を戻って下山開始。上空には灰色の雲がかかってきちゃった。早く登って正解だ。



途中でハクサンフウロを発見。


 
【11:30 下山・登山口に戻る】
ぴょんぴょん跳びはねるようにノンストップで下り、復路は駒の小屋から1時間22分で下りきってしまった。標準タイムは2時間20分だから、その半分ちょっとの時間で下山してしまったわけだ。ま、子供でも登れるほど歩きやすい道だから、30代の男だったらこんなもんか。
下山後は南会津町の温泉で汗を流し、そして旧南郷村の農協に立ち寄って当地名物のトマトを買い込んだ。

当初の目標通り、涼も花も堪能でき、おまけに天候にも恵まれて眺望も佳。
涼しくなりたきゃ、冷房止めて山へ行け!
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涼と花を求めて 会津駒ヶ岳・中門岳 2013年8月 前編

2013年08月22日 | 福島県
連日の猛暑で発狂しそうな今日このごろ。お盆休み期間は避暑や諸々の用事のために東北へ向かったものの、東北各地も毎日30℃を超える真夏日が続いており、どうやら本州を水平方向に動いていたのでは、日本を襲う暑さから逃げられそうにない。ならば垂直方向に動いてみよう。せっかくだから、高山植物の花が綺麗なところを目指してみよう。そう思い立ち、涼を求め、花々を愛でるべく目指したのが、福島県桧枝岐村の会津駒ヶ岳である。


日程:2013年8月18日(日)(日帰り)
人数:単独行
天候:晴れのち曇り
持ち物:日帰り登山の一般的な持ち物
ルート:滝沢登山口~駒の小屋~会津駒ヶ岳~中門岳(ピストン)

前日のうちにコンビニ(※1)でおにぎりや飲み物などを調達しておき、その日の深夜に桧枝岐村へ到着。国道沿いにある観光客用の駐車場に車を止め、車内で仮眠をとって夜を明かし、早朝5時前に目を覚ます。前日買ったコンビニの弁当を腹へ掻き込み、トイレを済ませ、車を動かして滝沢登山口そばの駐車場へと移動させる。大型休暇なので混雑を予想していたが、先に駐車場にとまっていた車は20台弱ほどで、ギリギリで最上部の駐車帯を利用することができた(※2)。
(※1)桧枝岐村にはコンビニが無く、その手前の南会津町域でもそれらしき店は期待できない。コンビニでの買い物は会津田島などかなり手前で準備しておく必要あり。
(※2)国道から登山口までの路肩に駐車スペースが点在しており、立て看板によれば合計で100台分のスペースがあるそうだが、先着順で登山口に近い上の方から埋まってゆくので、遅くなればなるほど登山口から離れていってしまうことになる。


 
【5:27 滝沢登山口(山頂まで5.3km) 登山スタート】

車をとめたところから2分も歩かないで、登山道のスタート地点となる階段に到着。登山届のポストもある。


 
気温は18℃でちょっと肌寒い。階段を登りきった後には、まだ完全に目覚めていない体のウォーミングアップを許してくれないような急坂が続く。


 
【5:34 山頂まで4.7km地点】
このように、登山道にはこまめに距離標が立っている。ありがたい。


 
【5:45 黒い看板の前を通過】
ブナの林の中を急な登りが続く。この黒い看板は「この付近は尾瀬岳国有林です(略)森林を愛しましょう(略)樹林を大切にしましょう」といったマナーの啓発を呼びかけているもの。


 
勾配こそ急だが、利用者が多く、良く整備された道なので、登山の技術的な心配は無用。ブナの葉を透ける朝の陽光が美しい。



【6:00 山頂まで4.1km地点】
早くも先に登っていた方々を4名ほど追い抜かす。



【6:15 山頂まで3.7km地点】
さっきから黄と黒の縞模様の虫がブンブン私の周りをつきまとうように飛び回っている。その模様から「スズメバチが哨戒飛行でもしているのか」と勘違いしてちょっと怖かったが、羽音(うるさい)や飛び方(ホバリングできずにひたすらグルグル飛び回る)、そして頭の格好から判断するに、明らかにアカウシアブであることがわかったので、鬱陶しいが相手にしないで先へ進む。ハチは怖いが、アブなら噛まれたって痛痒いだけで大したことはない。



【6:33 山頂まで3.2km地点】
私をストーキングするアブの数が増えてきたので、北海道みやげで買ったハッカ油を取り出し、体や帽子などに振りまいたら、効果覿面、根性なしのアブは退散していきやがった。やっぱりハッカ油のパワーはすごいな。



【6:38 山頂まで2.9km地点】
ここが山頂までのほぼ中間点。急な登りはここまで。この先も登りは続くが、勾配は徐々に緩やかになってゆく。ここはちょっとした広場になっており、また3~4分ほど枝道を下りた先には水場もあるが、まだ喉が渇いていなかったので水場はパスし、休憩をすることもなく、先を急いだ。



【6:48 山頂まで2.7km地点】
画像の右側で木の距離標が姿をのぞかせている。ここまでで先を行く10人を追い抜く。なんだか今日は調子が良いぞ。植生がブナからコメツガへと変化してゆく。


 
日当たりの悪い箇所は軽い泥濘になっているが、かなり傷んでいるものの木道が敷設されており、その上を歩けば靴をドロドロにすることはない。この登山道は全区間に及んで要注意な箇所は無いと言って差し支えないだろう。木々の間からは、いまから目指す稜線が望めた。


 
【6:54 工事区間】
登山道の一部区間は現在整備工事中。木枠のような形状のステップを設置していた。木枠の上を飛ぶようにして先へ進む。



整備区間の上の方は既に完成しており、木枠の中に石を詰めてガッチリとしたステップが出来上がっていた。



【7:03 山頂まで2.2km地点】
工事区間も終了。再び土の道に戻る。このあたりは勾配も緩やか。


 
大分登ってきたのか、眺めも良くなってきた。画像左(上)は北東方向を望む。画像右(下)はこの先進む予定の稜線。なんて美麗なラインなのだろう…。


 
【7:15 山頂まで1.7km地点】
相変わらずアブがうるさい。ハッカ油を忌避して肌にとまることはないものの、私のまわりをブンブン飛び回り続けている。頭にきたので、首に巻いていたタオルを振り回し、いつも無理難題ばかりを要求してくる憎たらしいクライアントの名前を口にしながら、2匹ほど退治してやった。


 
コメツガ林の間を抜ける木道。遠方には「駒ノ小屋」も見えてきた。この辺りでは息が切れることもなく、足取りも軽快だ。


 
【7:27 山頂まで1.2km地点】
この辺りから湿原が点在しはじめる。山頂まで1.2km地点にはベンチがあり、山頂方向の見晴らしも良いので、休憩にはもってこい。でも足を運ぶ良いリズムができていたので、ここでも休まずに先へ進む。


 
高山植物の可憐な花が咲き乱れる湿原を貫く爽快な木道。道の両サイドに点在する池塘は、コバルトブルーの夏空を鮮やかに映していた。



左の白い花はイワショウブ。右の黄色い花はキンコウカ。
キンコウカはちょうど見頃。


 
画像左(上)はコバイケイソウで、画像右(下)は右はイワイチョウ。



山頂まで1kmを切る辺りからコバイケイソウの群生が非常に目立つようになる。今年はコバイケイソウの当たり年らしく、白い花が辺り一面を覆い尽くさんがばかりに繁茂していた。


 
あの坂を登れば駒ノ小屋だ。振り返ると、池塘の向こうに燧ヶ岳が聳えている。


 

【7:45 山頂まで0.7km地点 駒の小屋前】
駒の池の畔にある分岐点が山頂まで0.7km地点であり、すぐ目の前に「駒ノ小屋」が建っているが、いまはまだ用事が無く、また休憩するほど疲れてもいないので、屋根を一瞥するに留めて山頂を目指した。ここまで無休憩・無給水で登ってきているから、このまま山頂まで行ってしまおう!

後編につづく…
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板留温泉 丹羽旅館

2013年08月21日 | 青森県
※丹羽旅館は2017年2月に閉館しましたが、同年3月に別の企業が「旅館あずまし屋」として宿を再生させました。「旅館あずまし屋」の記事はこちらをご覧ください。


黒石温泉郷の一角を為す板留温泉は日帰り入浴のハードルが比較的高いところなのですが、そんな中でも心配なく日帰り入浴できる「岩魚の宿 丹羽旅館」にて入浴利用して参りました。明治期に創業した老舗のお宿なんだそうです。


 
脱衣室に入る扉は押しボタン式の自動ドアなのですが、一般的にはドアに付いているはずの押しボタンが、ここではドア左の壁に取り付けられていました。脱衣室内は天井を除いて総木造となっており、さすが旅館を名乗るだけあってとっても綺麗です。着替えていたら浴室の方からガーガーと機械音が聞こえてきたのですが、これって何の音なのかしら。



浴室は、壁が白いタイル貼りで、床は同じく白色系の石板貼り。ガラス窓の向こう側は露天風呂です。室内には長方形の浴槽がひとつ据えられ、洗い場がL字形に配置されています。



洗い場にはシャワー付き混合水栓が6基設置されています。


 
浴槽は8人サイズの長方形で、槽の角にある石造りの枡のような湯口からお湯が注がれています。湯口の蓋には白い析出が現れており、そこから吐出されるお湯はかなり熱いのですが、投入量は少なくてオーバーフローもあまり見られません。それもそのはず、底の穴では勢い良くお湯を吸引しており、槽内の側面にあけられている小さな穴からは循環されたお湯が供給されていました。生源泉を少量投入しながら循環も併用してる湯使いだと思われます。お湯は無色澄明で濁りや湯の花等は見られず、実際に湯船に浸かってみたのですが、鮮度感はイマイチだったように記憶しています。脱衣室で聞こえた機械音は循環装置の稼動音だったのでしょう。なお消毒臭などは感じられませんでした。源泉の節約と温度維持のために循環を併用しているのかな。


 
床や浴槽内はグレーで統一され、石材で周囲を固めた和風の露天風呂。目の前には山の法面が立ちはだかっているため、残念ながら景色を楽しむことはできません。浴槽は内湯とほぼ同じ位の大きさですが、オーバーフローが見られなかった内湯とは異なり、こちらでは縁から静々とお湯が溢れ出ていました。


 
湯口の形状は内湯と同様で、こちらでも直に触るのが躊躇われるほど熱いお湯が注がれているのですが、蓋に付着している白い析出はこちらの方がはっきりと現れており、また投入量もこちらの方が多く、湯船に張られている無色透明のお湯の中では茶色い細かな湯の華がたくさん浮遊していました。


 
内湯の槽内には、循環湯の投入口の他に、大きな穴が一つあいており、その穴は外側へ貫通して露天風呂の浴槽内で立ち上がっている管とつながっています。内湯と露天を比べると、露天の浴槽の方がわずかに低くなっているので、おそらくこの管を通じて内湯のお湯が露天へ流れているものと推測されます。露天の浴槽内ではこの他にお湯を供給するような穴は見られなかったので、露天風呂は湯口からの生源泉投入と、内湯から流下されてくるお湯を、並行して使っているのでしょう。
外気に冷やされるためか湯加減は内湯よりややぬるめでしたが、上述のようにこちらでは湯華がたくさん舞っていますし、お湯の鮮度感も内湯より確実に優っていました。また湯口では芒硝の味と匂い、そして弱い石膏の味と匂いがそれぞれ感じられました。キシキシとツルスベが混在する浴感が得られます。
ゆっくりと時間が流れる静かで落ち着いたお風呂でした。


ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 56.8℃ pH7.2 420L/min(動力揚湯)

青森県黒石市板留字宮下21
0172(54)8021
ホームページ

11:00~20:00(混雑時は16:00まで)
500円
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品類は帳場預かり

私の好み:★★
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