温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

出湯温泉 華報寺共同浴場

2009年05月09日 | 新潟県


出湯温泉は新潟県下越地方東部に聳える五頭連峰の西側山裾にある昔からの湯治場で、新潟県では最も古い歴史を有する温泉として知られています。開湯は9世紀初頭で、弘法大師が錫杖を突いたところお湯が湧いたという伝説が残っています。弘法大師による開湯伝説が残っている温泉はこの他にも伊豆の修善寺や紀伊の龍神など日本各地に多く点在しており、枚挙に暇がないことは温泉好きの方ならご存知かと思います。


華報寺


この温泉街の中心に鎮座するのが華報寺(けほうじ)という古刹で、境内の右端に今回紹介する共同浴場があります。境内の中にある温泉とはいえ、湯屋はコンクリート造の至ってシンプルな共同浴場です。脱衣所に「此の湯は弘法大師様お授けの湯で御座いますので感謝の気持ちでお使い下さい」と書かれた看板が掛かっているところがいかにもお寺の温泉です。
男女別の浴室はタイル貼りで、やはりタイル貼りの浴槽がひとつ。源泉名を漲泉窟と称するお湯は、浴槽の中央の底と、男女の浴室を隔てる壁に組まれた岩の上から、それぞれ源泉名の通り漲ってふんだんに注がれ、惜しげもなくオーバーフローしています。その岩の上には弘法大師が立っており、入浴する私たちを見守っています。

弘法様がお恵み下さるゆえかお湯の質が頗る良好で、無色透明でクリスタルグラスのように綺麗に澄み切って輝くお湯からは、味は無いものの仄かにタマゴの匂いが漂ってきます。何より感激するのが浴感の良さで、まずお湯に体を沈めると忽ち全身に細かな気泡が付着し、肌をさするとすべすべと実に心地よく、更には本来液体に用いるべき表現ではないのですがお湯に浸かると全身がフワっとした感覚に包まれるのです。40℃を下回るぬる湯に長湯しながらこの優しく柔らかなフワフワ感に包まれると、何ともいえない夢心地で、思わず瞼を閉じて眠ってしまいたくなるほどでした。
由緒ある霊験あらたかなお湯に浸かって瞑想に耽ると、日々の疲れや雑念が払拭されるに違いありません。


岩の上に弘法大師が立つ浴室


ライオンの湯口の上がり湯


お寺の温泉らしい掲示


アルカリ性単純泉
38.6℃ pH8.8 140L/min(動力揚湯) 成分総計364.2mg/kg

JR羽越本線・水原駅から阿賀野市営バス・五頭温泉郷線で約25分、
「出湯温泉」下車
阿賀野市営バスのページ

新潟県阿賀野市出湯794 地図
0250-62-7612(華報寺)

6:00~18:30 無休
200円
私の好み:★★★

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