温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

八町温泉 亀の湯 2013年12月再々訪

2014年04月10日 | 福島県

多くの温泉ファンから愛されている八町温泉共同浴場「亀の湯」。拙ブログでは既に2回取り上げておりますが(参考:1回目の記事2回目の記事)、前回記事の玉梨温泉「せせらぎ荘」から歩いて2~3分のところにありますので、せっかくですからこの日も立ち寄ることにしました。国道沿いに立つ「八町温泉共同浴場」と記された杭の右側から、川へ向かって下ってゆきます。訪問した日の2日前、会津地方は大雪に見舞われており、主要道路は除雪されていたものの、「亀の湯」へ下りる歩道には分厚く雪が積もっていましたので、滑らないよう慎重に歩みを進めます。


 
そういえば数年前に「亀の湯」が改修されるまで、浴場へ下りる歩道の入口には浴場名が書かれた杭なんて立っていなかったので、初見の人には見つけにくかったのですが、そんな人にとってバス停の待合室は歩道を見つけるためのわかりやすい目印でした。なんとも風情ある木造の待合小屋ですね。琺瑯の看板は古くて色が飛んじゃっていますが、辛うじて黄色い地に赤い温泉マークが見えます。


 
雪に埋もれた「亀の湯」に到着です。画像のすぐ右手には野尻川が流れています。


 
5年前に改修されていますので、入口まわりのステップや手すりなどにはまだ新しさが残っていますね。以前は寸志制でしたが、入口の扉には「協力金のお願い」と題された真新しいプレートが貼り出されており、最近になって「協力金200円以上」に改められたようです。


 
湯小屋内の様子は以前とまったく変わっておらず、昔ながらの共同浴場らしい風情がたまりません。壁には寄付者の札がたくさん下がっていますね。地元のみならず東北各県や首都圏など他地域からの寄進も多いようです。


 
皆様御存知のようにお風呂は混浴ですが、脱衣スペースは男女に分かれており、使用時にはカーテンを閉めて、入口および異性側からの視線を遮断します。入口脇(男性更衣スペース側)の柱には青い料金入れが括り付けられていますので、脱衣スペースへ踏み入れる前に、まずはこちらへ200円を納めさせていただきました。


 
浴槽は以前と全く変わらぬ様子でお湯を湛えており、床や浴槽など温泉に触れる部分は万遍なく赤茶けていました。また浴槽の縁や排湯の流路はカルシウムの付着によってデコボコしていました。今回の訪問時は床がすっかり乾いていましたので、私が訪れるまでしばらくの間は入浴客がいなかったのでしょう。てことは、お湯のコンディションも上々なのでしょうね。期待に胸が膨らみます。なお浴槽のお湯は、人が入れば浴槽全体から溢れ出しますが、常時の排湯は切り欠けから流下しており、徒に浴室内を汚したり湿らしたりするようなことはありません。


 
独占状態でしたので、つい調子に乗って、アングルを変えて左右から浴室内を撮ってみました。無人の共同浴場とはいえ、地元の方々によってきちんと管理されており、ゴミひとつ落ちていません。画像を見ますと桶や腰掛けが整然と並べられているのがお分かりいただけるかと思います。管理くださっている方々に心から感謝申し上げます。


 
浴槽にお湯を注いでいる2本の湯口のうち、投入量の多い右側は野尻川対岸の玉梨温泉から引いているものであり、左側のポンプから吐出されているのはこの浴場オリジナルである八町温泉亀の湯源泉であります。亀の湯だけですと温度がややぬるくて量も足りないため、湯量豊富で温度も高い玉梨温泉からお湯を引いて並行利用しているわけでして、両源泉とも似たような質感を有するお湯なのですが、あくまで個人的な感覚を申し上げますと、お湯のフィーリングとしては亀の湯源泉の方がより個性的であるような気がします。具体的にその特徴を挙げるならば、玉梨温泉の方は金気味とともにゴムを連想させるような苦味がある一方で、亀の湯源泉を口に含むと玉梨温泉でも見られる金気や石膏味の他、適度に塩味が効いた出汁のような旨味と甘味そして清涼感を伴うほろ苦みが口腔内に長い時間滞留しました。また両源泉とも炭酸味が明瞭に現れますが、亀の湯源泉ではそれが顕著であり、玉梨温泉は遊離二酸化炭素が436.0mgであるのに対し、亀の湯源泉は倍近い818.2mgも含んでおり、その数値から見ても炭酸味が強く現れるのは当然です。湯面からは金気臭と石膏臭が漂い、赤みを帯びた貝汁濁りの湯中では赤い細かな湯の華がたくさん浮遊していました。

2つの源泉のブレンド具合が実に絶妙であるため、加水せずとも実に心地よい湯加減が保たれています。今回も伝統的な湯小屋の中で、完全掛け流し且つ鮮度感の際立った極上のお湯を堪能することが出来ました。良いお湯は何度入っても良いものですね。


亀の湯
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉 44.3℃ pH6.4 16L/min(自然湧出) 溶存物質3.786g/kg 成分総計4.604g/kg
Na+:836.2mg(68.49mval%), Mg++:77.2mg(11.96mval%), Ca++:191.4mg(17.98mval%), Fe++:2.4mg,
Cl-:749.3mg(40.58mval%), Br-:1.8mg, I-:0.2mg, S2O3--:0.1mg, SO4--:529.8mg(21.17mval%), HCO3-:1213mg(38.16mval%),
H2SiO3:149.1mg, CO2:818.2mg,
(平成21年3月18日)

JR只見線・会津川口駅より会津バスの大芦(昭和温泉方面)行バスで「玉梨八町温泉」バス停下車、すぐ(バスは一日3往復のみ)
福島県大沼郡金山町大字八町字居平619  地図

24時間入浴可能(清掃時間を除く)
協力金200円以上
備品類なし

私の好み:★★★

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 玉梨温泉 金山町国民保養セ... | トップ | 玉梨温泉共同浴場 2013年12... »

コメントを投稿