温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

犬飼温泉共同浴場

2011年12月25日 | 鹿児島県
 
霧島市下中津川の犬飼地区にある地元民専用の共同浴場です。ジモ専とはいえ外来者でも利用可能ですが、看板が出ているわけでもなく、実に地味な建物なので、事前にその存在を知らない限り、ここを利用する観光客はほとんどいないでしょう。


 
男子脱衣所の窓のすぐ外には日立の揚湯用ポンプが設置され、けたたましい音を立てながら動いています。またその脇には「湯之神」と彫られた温泉発掘記念の石碑が立てられています。この温泉は昭和50年にボーリングをして発見されたもので、掘削当時はまだ浴槽が設けられていなかったためビニールシートを敷いてそこにお湯を溜め、即席の露天風呂にして入浴していたこともあったんだそうです。


 
入口から男女別に分かれており、ドアをあけるといきなり脱衣所です。いかにも共同浴場らしい佇まいでとっても良い雰囲気ですね。料金は室内に掛かっている料金箱へ。建物はブロックを積み重ねてモルタルで固めている実に質素な構造で、屋根などにアクリル波板を多用しています。


 
壁にはこの温泉浴場を維持している組合員さんの名札がさがっていました。お名前を拝見すると迫さんや久保さんが多いようです。また室内にはなぜか古いマッサージチェアが置かれていました。けだし組合員による寄付だと思われますが、老人の利用がほとんどですから、意外と重宝しているかもしれません。


 
浴室にはモルタルの浴槽がひとつ据えられています。浴槽は3人が同時に入れるサイズで、温泉に含まれる石灰質により綺麗にコーティングされており、金気が混じっているため全体的には朱鷺色を帯びた象牙色に染まっています。


 
浴槽の横にはプラスティック樽が置かれ、そこにもお湯が注がれて上がり湯として用いられています。この樽からオーバーフローするお湯の流路は薄いながらも鱗状の石灰華が形成され、びっしりと床を覆っていました。


 
大量に投入されるお湯には圧巻です。大して大きくない浴槽にドバドバと落とされ、浴槽の切欠から贅沢に捨てられていきます。なにしろ投入量(及びオーバーフロー量)が多いのでお湯は新鮮そのもの。完全掛け流しの湯使いで、加水もされていない状態では44℃くらいとやや熱めの湯加減ですが、常連さんはこの熱めのお湯がお好きのようですので、ヨソ者が勝手に水で薄めるようなことは避けた方がよいのでしょう。
お湯の特徴はこの界隈で一般的にみられる重炭酸土類泉チックなものでして(泉質名としては含土類-重曹泉となるのでしょう)、やや橙色を有した薄い黄土色の笹濁りの色合いで、弱金気臭と石膏が焼けたような香ばしい匂いが漂い、石膏味に炭酸味、そして土気味と金気味が感じられました。周辺の他の温泉よりも石膏味が若干強いように思われます。

訪問時は地元のお爺さんが3人御入浴中。みなさん80歳以上で、集落最高齢である95歳の方もいらっしゃいました。中でも私に色々とお気づかい下さった81歳の方はとても半寿と思えない若々しさで、毎日ここの温泉に通っているおかげで病院には全く世話にならないどころか薬すら飲んでいない、と胸を張っておっしゃっていました。そして「湯上がりは汗が引かないから、しばらく(上半身は)裸でいないと汗が止まらない」と言い残し、寒風吹く12月の空の下を、本当に上半身裸でご帰宅されていきました。いやはや、御長寿パワーおそるべしです。1ヶ月2,500円で毎日こんな温泉を利用できる地元の方が羨ましいと、私は心の底から羨望してしまうのですが、お湯が熱くて現代人向きではないこと、そして運営経費削減のために入浴時間を短縮して20時までにしてしまったこと、などを理由として老人以外はあまりこの温泉を利用していないんだそうです。あぁ勿体ない…。


ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩温泉 48.1℃ pH7.2 84L/min(動力揚湯) 溶存物質2051mg/kg 成分総計2139mg/kg
Na:192.9mg(34.40mval%), Mg:90.1mg(30.38mval%), Ca:146.2mg(29.93mval%), Cl:135.8mg(16.13mval%), HCO3:1093mg(75.41mval%)

鹿児島県霧島市牧園町下中津川79-8

15:00~20:00
200円
備品類なし

私の好み:★★★

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