温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

会津高原温泉 夢の湯

2013年11月07日 | 福島県
 
関東地方から会津南部へ車でアクセスする際、近年は白河から甲子トンネルが使えるようになって利便性が格段に向上しましたが、開通以前は東北道の西那須野塩原インターから下道を走って塩原温泉郷を通過し、あるいは鬼怒川や川治温泉を北上し、国道121号で山王トンネルをくぐって田島方面へ抜けるのが一般的でした。そのルートを辿って更に奥の檜枝岐や旧舘岩村などへ向かおうとすると、必ず目の前を通り過ぎるのが今回取り上げる「夢の湯」であります。国道沿いのわかりやすい立地であり、道からは露天風呂の看板も見え、その好立地ゆえに下山後のハイカーが汗を流すお風呂としてもよく利用されています。私個人としては2回目の利用となります。



下足場左のカウンターで料金を支払い、踊り場に温泉櫓の写真が飾ってある階段で、お風呂のある階下へ向かいます。ボーリングして温泉を掘り当てたときのオーナーさんは、まさに夢を見ているかのような心境だったことでしょう。


 
階段を下りてすぐのところには故障中の自販機があり、その奥に10円リターン式コインロッカーが設置されています。脱衣室内にはロッカーが無いので、貴重品はこちらへ預けましょう。



ドライヤーも脱衣室内には用意されていませんが、浴室とは別個に設けられている洗面所で使用することができます。
お風呂は男女別の内湯と露天風呂がありますが、まずは内湯から入ってみましょう。


●内湯

脱衣室はあまり換気がよろしく無いのか、入った途端にムワッとした熱気に包まれ、扇風機から送られてくる風は生ぬるいものでした。訪問したのは夏真っ盛りの某日だったので、その暑さが籠っていたのかもしれません。壁には、入浴15分後にドロドロ血液がサラサラになったという当温泉の効能がアピールされていましたが、これを信じるかどうかは貴方次第。


 

浴室は荒海川に向かってガラス張りとなっており、その窓からは清流や対岸に広がる田園風景が眺められます。浴槽は12~3人サイズで、湯口の岩には成分の析出らしきトゲトゲが付着していました。なお洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基設けられています。

前回こちらを利用したのは8年ほど前でして、お風呂の様子はその当時とあまり変わっていないように見受けられましたが、さすがに時間の経過には抗えないのか、細かく観察するとあちこちで疲労が現れている点は否めず、天井や壁などのシミは勿論のこと、洗い場の水栓には青錆が出ており、吐出圧力にも元気が見られませんでした。そして、源泉100%のお湯であることも以前と同様ながら、以前はお湯がドバドバ投入されて洗い場には洪水の如くお湯が溢れ出ていたはずですが、この日は投入量が以前よりも少なく、オーバーフローも大人しくなったような感がありました。夢はいずれ覚めてしまうという暗示なのでしょうか。

とはいえ、れっきとしたかけ流しのお湯であることには間違いなく、見た目は無色透明ながらごく僅かに白く靄がかかっているように見え、湯口のお湯を口にすると弱タマゴ味と石膏甘味や芒硝味、そして弱タマゴ臭と芒硝臭が感じられました。また湯船の中で肌を擦ると、ツルスベ浴感の中に弱い引っ掛かりが拮抗していました。湯口から吐き出されるお湯は適温になったりぬるくなったりと、温度の上下を繰り返していましたが、これって源泉のコンディションによる問題なのか、あるいは自動的に適宜温度調節しているのか、その辺りの事情はよくわかりません。


●露天風呂
 
受付から階段を下りてすぐ右側が内湯でしたが、反対側の左へ折れ、廊下をまっすぐ歩いた突き当りには勝手口があり、そこから更に屋外を奥へ進むと露天風呂が設けられております。ネット上の情報を拝見しますと、この露天風呂は最近ご機嫌が宜しくないらしく、故障中で利用できなかったという記事も散見されるのですが、この日は2つある露天のうち1つだけ開放されており(もう一つは修理中)、混浴で「良かったらどうぞ」とのことでしたので、とりあえず様子を見てみることにしました。


 
勝手口でつっかけに履き替えてステップを下り、ワンちゃんがいたり、洗濯物が干してあったりと、実に生活臭が強い民家の軒先のようなところを抜けてゆきます。


 
露天風呂の手前には波板やコンパネで囲まれた源泉井戸と思しき設備があり、そこには手書きで「源泉毎分200L」と書かれていました。


 
またその設備からはホースが伸びており、ホースの先からはお湯がチョロチョロとつくばいへ落とされていました。余り湯なのでしょうね。


 
川を臨む開放的な露天風呂です。前回利用時は多くのお客さんで賑わっていたように記憶しているのですが、露天の存在に気づいていないのか、はたまた混浴であることが敬遠されているのか、今回は私の他に誰もいらっしゃらず、ひたすら独占することができました。屋根にはランプが吊り下げられているのですが、日が暮れたらこのランプが灯されるのかもしれません。



お風呂の手前には脱衣スペースがあるのですが、おもいっきり外から丸見えでして、混浴とはいえ女性の方には厳しい環境下もしれません。画像からも伝わるかと思いますが、屋根や囲いなど、この露天風呂は実にDIY感に満ちています。


 

露天の岩風呂は荒海川の川岸すぐ上に設けられており、湯船から溢れ出たお湯は、浴槽の縁から川へ落下してゆきます。対岸からは見られやすい立地ですが、メッシュ状の木柵によって眺望が妨げられない程度に目隠しされています。


 
湯船に人が入らない時など、普段は浴槽縁から溢湯することなく、湯面ギリギリのところに突き出ているオーバーフロー管(画像中央に写っている、浴槽縁に触れている管)からホースを通じて川へ排出されています。

湯船自体はモルタル造ですが、お手入れがいまひとつのようでして、底にはうっすらと苔が生えており、ちょっとしたヌメリも発生していました。しかしながら源泉井戸のすぐそばという環境ゆえか、お湯は内湯よりもはるかに鮮度感が優れており、匂いや味などもはっきり現れ、湯中では細かな気泡の付着も確認できました。また湯加減も41~2℃と心地良い塩梅に維持されていましたので、渓流と周辺の長閑な景色を眺めながら、じっくりと良泉を堪能させてもらいました。尤もこの内湯と露天におけるお湯の違いは、源泉井戸との距離差もさることながら、内湯は利用客が多くてお湯が若干鈍っていたことが大きな要因だったように思われます。



露天風呂に入浴中、対岸の彼方を横切る野岩鉄道の線路を、会津鉄道のディーゼルカーが、田島方面へ向かって走り去っていきました。この温泉は駅からも近いので、鉄道旅行の際に利用できるのが嬉しいですね。


単純温泉 43.0℃ pH8.2 200L/min(動力揚湯) 溶存物質939.5mg/kg 成分総計939.5mg/kg
Na+:193.4mg(58.48mval%), Ca++:114.9mg(39.85mval%),
Cl-:359.3mg(69.14mval%), HS-:0.3mg, SO4--:158.4mg(22.53mval%), HCO3-:66.0mg(7.37mval%),
H2SiO3:14.1mg, HBO2:24.0mg,

会津高原尾瀬口駅より徒歩7分(500m)
福島県南会津郡南会津町滝原字向熊久保1373-1
0241-66-3131
ホームページ
(ホームページには日帰り入浴の割引券がありますよ)

10:00~20:00
500円
ロッカー(10円リターン式)・ドライヤーあり

私の好み:★★

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