温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川渡温泉 高東旅館 2022年10月再訪問(後編 2つのお風呂)

2023年12月05日 | 宮城県
前回記事の続編です。

さてお風呂へまいりましょう。お風呂は新館・別館いずれの宿泊客も同じ浴室を利用します。

●男女別浴室

前回記事で取り上げた宿泊客用のラウンジの前に男湯の暖簾がさがっており、女湯はその右手の廊下を進んだ先にあります。


以前もこのお風呂の様子を拙ブログで取り上げたことがありますが(以前の記事はこちら)、基本的には前回記事当時と変わっていません。お湯が湯船に落とされる音だけが木霊するシンプルで静かな浴室に入ると、湯気と共に川渡温泉ならではの硫黄臭がプンと香り、硫黄泉好きな私の気持ちが条件反射的に高揚しました。なお室内のカランは1つだけです。


U字形の湯船は2~3人サイズ。暗い鶯色を帯びた濁り湯が湛えられています。お湯の色合いや濁り度合いはその時々によって違うような印象を受けました。


湯口から静かにお湯が注がれており、そのまわりには白い湯の花が付着しています。湯船にも同様に白い溶き卵のような湯の花が浮遊しており、匂い、色合い、そして湯の花といった川渡らしい要素が非日常的な温泉気分を高めてくれます。


窓の外には源泉枡があり、ここからお湯が直接湯船へ注がれているものと思われます。直接だとすればその距離は非常に短く数メートル程度ですから、お湯の鮮度は非常に良好。この上なくフレッシュです。源泉枡ではボコボコと音を立てながら温泉が湧出しており、お風呂で使いきれない余り湯が周辺へ漏れ出ていました。

●貸切風呂

男湯出入口の向かいに貸切風呂のドアがあり、空いていれば随時利用可能です。


全体的にオフホワイト基調のこぢんまりとした浴室に、湯船とカランが一つずつ。湯船には男女別浴室と同じお湯が注がれていますが、湯船が小さい分、熱が冷めにくく、湯加減もちょっと熱めです。とはいえ私は加水せずそのまま入っちゃいました。


上画像は宿泊した翌朝に私が利用した時の様子ですが、前夜と翌朝で湯船の色合いや濁り方が異なっており、前夜は鶯色にミルクを入れてかき混ぜたような色合いにしっかり濁っていたものの、翌朝は鶯色を帯びながらも透明度が高い状態でした。その時々によって見せる姿が異なるのは硫黄泉らしい特徴ですね。

この自家源泉「東五郎の湯」に関するインプレッションですが、チオ硫酸イオンが多い温泉に診られる濃いタマゴ感を伴う硫化水素臭と、淡い卵味、焦げ感、そして重曹の清涼感を伴うほろ苦みが感じられます。57℃で湧出する温泉を数メートルという僅かな距離で浴槽へ注いで掛け流しているため、湯船は比較的熱めですが、それでも重曹が多い泉質ゆえによく温まると同時に粗熱の抜けがよく、湯上がりはさっぱりサラサラとした爽快感を楽しめます。実に素晴らしいです。

以前こちらのお宿は「鳴子湯めぐりチケット」を使えば入浴のみの利用も可能でしたが、現在その取扱いは中止され、宿泊客のみ入浴可能となっています。従ってこの名湯「東五郎の湯」に入るには泊まるほかありませんが、前回記事でご紹介したように大変リーズナブルな料金設定ですので、名湯に入れるという意味でも利用価値は非常に高いかと思います。


東五郎の湯
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉 57.0℃ pH7.8 溶存物質1150.7mg/kg
Na+:228.2mg(78.56mval%), Ca++:34.7mg(13.69mval%),
HS-:3.8mg, S2O3--:15.0mg, SO4--:162.5mg(26.89mval%), HCO3-:481.5mg(62.77mval%),
H2SiO3:169.0mg, CO2:41.4mg, H2S:0.8mg,
(令和元年12月6日)
加水加温循環消毒なし

宮城県大崎市鳴子温泉字築沢23-1
0229-84-7220

立ち寄り入浴不可(宿泊のみ)

私の好み:★★★



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