温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

湯野浜温泉 漁師の宿 福宝館

2014年10月28日 | 山形県
 
湯野浜温泉での宿泊は、下区公衆浴場(コスパ)の目の前にある「漁師の宿 福宝館」でお世話になりました。客室が5室ほどしかない小規模のお宿なのですが、足湯やロータリー、そしてバス停から至近にあり、海にも面しているため、立地は最高です。なお車で伺う場合は、隣接する駐車場を利用するのですが、どの区画を利用すべきかはお宿の方に伺ってください。


●客室・お食事
 
今回の客室は3階の海側に面する6畳半の和室です。予めチェックインが夕食時間ギリギリになると連絡しておいたところ、到着時には布団を敷いておいて下さいました。清掃が行き届いて綺麗な室内には、冷蔵庫や冷水ポット・お茶セットの他、トイレや洗面台も完備されており、民宿にもかかわらずビジネスホテル並みの設備が調っていました。


 
海側の客室ですから、窓からの眺めは最高です。ちょうど夕暮れ時にチェックインしたのですが、入室時に窓の外を眺めると、日本海に夕陽が沈まんとしていました。



山形県唯一の漁師が経営する民宿なんだそうですが、さすがにお食事は海の幸尽くしで、種類豊富で新鮮な魚介が盛りだくさん。肉よりも魚介が好きな私にとっては天国のようです。上画像は夕食であり、この日の献立は以下の通りでした。
ズワイガニ、子持ちカレイのフライ(タマゴたっぷりで身もプリプリ、サザエの刺身付き)、お造り(ヒラメ・ホウボウ・タコ・マグロ・甘エビ)、カツオのたたきのカルパッチョ、茶碗蒸し、塩辛、なまこ酢…


 
そして、カサゴの煮付け(左(上)画像)とカナガシラのお味噌汁(右(下)画像)です。後者(お味噌汁)は魚の旨味が強く出ていて、あまりの旨さに最後の一滴まで飲み干してしまいました。なおマグロと甘エビ以外の魚介は全てお宿所有の福宝丸で獲れたものなんだとか。実は通常の値段よりかなり安く設定されているお得なビジネスプランで利用させていただいたのですが、これで本当に元が取れるのかと私の方は不安になるほど、ものすごいボリュームで、全てを食べ終えた時にはお腹がはちきれでした。しかも、その全てがお世辞抜きで非常に美味しく、お腹がきつくても箸が止まらず、気づけば全てを平らげていたのでした。



こちらは朝食でして、シャケ・ハムエッグ・各種小鉢などが卓上に並べられています。当然夕食より品数は抑えられているものの、小鉢の数が多いのでご飯が進み、朝からお櫃のご飯を空にしてしまったほどです。なおお食事は夕食・朝食ともに1階の食堂でいただきます。


●お風呂・夕暮れ編
 
海辺の限られた敷地に立地しているためか、建物は縦方向に伸びており、浴室は最上階の4階に設けられていますので、入浴する際には階段で一番上まで上がってゆくことになります。お風呂は男女別の内湯のみで露天風呂はありません。


 
お風呂は内湯ですが、海に面して大きな一枚窓が設けられており、入浴しながら雄大な海を望むことができます。上述のようにこの日の私は夕食ギリギリの時間にチェックインしたため、お宿としてはすぐにでも食堂で夕食をはじめて欲しかったはずなのですが、お宿の方にお願いしてちょっとだけ猶予をいただき、大急ぎでお風呂に駆け込んで、湯船に浸かりながら、真っ赤な太陽が大海原に沈みゆく様を楽しませていただきました。ひゃーーっ、絶景なり!


●お風呂・青空の朝編
 
宿泊中は3度もお風呂に入っちゃいました。真夜中の入浴も可能です。上画像は早暁に入った朝風呂の様子。夕暮れ時のお風呂は室内まで真っ赤に染まっていましたが、朝のお風呂は海の煌めく波の光を受けて、明るいオーシャンブルーによって占められていました。大きな一枚窓のおかげで、屋内とは思えないほど爽快です。浴室は奥に長い作りとなっており、一番奥の窓下に3~4人サイズのポリバスが設置されています。ポリバスはやや温泉風情に欠ける気もしますが、私個人の勝手な予想ですが、4階に重たい浴槽を設けているため、設計上、可能な限り軽量化を図るべくポリバスにしたのかも。


 
4階にある浴室からの見晴らしは良好。この日は天候に恵まれ、突き抜けるような蒼い空と、果てしなく広がる日本海が眺望できました。またすぐ近くには温泉街の中心部となる足湯のロータリーも見下ろせます。



浴室の手前側には洗い場が配置され、シャワー付き混合水栓が3基並んでいます。なお吐出されるお湯は真湯です。


 
湯口には木の樋が用いられており、そこからアツアツの温泉がチョロチョロと注がれています。お湯は無色透明で、鮮度感は頗る良好ですが、塩化土類を含むお湯にありがちな、白く靄がかかったような極僅かな濁りを呈しているように見えます。はっきりとした塩味と、弱いものの口腔の粘膜にしぶとく残るニガリ味(一種の苦味)が感じられ、匂いは殆ど無いようでした。

前回取り上げた公衆浴場では加水されていましたが、こちらでは加水も無い完全掛け流しであり、熱いお湯の投入量を絞って湯加減を調整しています。そして湯船を満たしたお湯は縁からしっかり溢れ出ていました。湯船に入るとピリッと熱いのですが、身も心もシャキっとして爽快です。

美味しくてボリュームたっぷりのお食事、そしてオーシャンビュー且つ完全掛け流しの温泉に浸かれる、この上なくブリリアントなお宿でした。おすすめ!


湯野浜1号・2号・3号・4号及び5号並びに厚生有限会社・滝乃湯新2号
(南配湯所より配湯)
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 57.2℃ pH8.1 溶存物質5005mg/kg 成分総計5006mg/kg
Na+:1303mg(69.76mval%), Ca++:475.9mg(29.33mval%),
Cl-:2792mg(91.58mval%), Br-:12.4mg, I-:1.8mg, SO4--:318.1mg(7.70mval%),
H2SiO3:43.6mg, HBO2:11.6mg,

JR羽越本線・鶴岡駅より庄内交通バスの湯野浜温泉行で湯野浜温泉バス停(終点)下車すぐ
山形県鶴岡市湯野浜1-9-34
0235-76-2936
ホームページ

日帰り入浴が可能か否かは不明
ドライヤー・シャンプー類あり

私の好み:★★★
コメント (4)
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