2009年のNFLドラフト1巡目で、ボルチモア・レイブンズに指名され入団した(実際このシーンが出てくる)マイケル・オアー Michael Oher(写真中央)のエピソードに基づく実話の映画化。
「ただのスポーツもの」なんじゃないかと、と公開時は敬遠したのだけれど、鑑賞後はこの映画の虜になっていた。
確かに「スポーツもの」なんだけど、底流に流れるのは今時めずらしい「アメリカの良心」
スポーツな展開に至るまでに、そこにかなりの時間を割いていて、全体としては印象はそっちに。
ポイントは、主人公のリー・アンに尽きるだろう。
親への反動と、自分のこうと決めたら動じない性格(美人なのに)が、このドラマを形成した。
サンドラ・ブロックは、彼女なりにこの性格を演じている。
その点でいうと、付録の「特典映像」がとてもおもしろい。
サンドラとリー・アン本人の対談がついているのだ。
お互いがどういう印象を持ったとか、アレコレを話しているのだが、どちらも「強力な性格」だということがチラチラみえる。
他にも、監督と原作者の対談もあったりして、こちらもお勧め。
というのはそこでわかるのだが、この原作、実はこの家族に「別の取材」でたまたまかかわって、これは!と思ったマイケル・ルイスが書いたもの。
マイケル・ルイスは元々、「マネー・ボール」(統計分析を使ったアスレチックスの復活を描く)の作者で、こうして完成した本『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』を映画化した。
前半の地道さから一転、後半は堰を切ったように「スポーツもの」としての面白さが爆発する。
実在のコーチたちがたくさん登場してくるが、どのコーチもすごい個性。
彼らが名演技を披露するのをみているだけで「この映画みて良かった」と、NFLファンでもない私が思わされた。
ということで、アメフトに全く興味がなくても、お勧めできる。
全く予想外に芯を食った1本として、強く印象を残した映画となった!
(邦題でかなり損しているが... 原題:The Blind Side.)
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TBいただきまして、ありがとう!