日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



自分的には、カンヌを口にしている人と接触すると、ソロソロと逃げ出すクチ。
カンヌに行った人は一様に感化されており、妙に熱くなっている。
優秀な人は、それを自分で自覚しているため、行ってきたことをあえて口にしない(と思う)

それができない人が、だいたい騒ぎだす。
から困る。
最悪な例でいうと、躁状態だったある女性は1年以上にわたってそれを続け、それで有名になってしまったほど。
しかもその人はクリエイターでもなかった(笑)


で、この本。
まあ本になっているなら、読んでみてもいいなと思った。
というのは、当ブログでも何度か書いているが、現在ツイッター、ブログ、ソーシャル・ネットワーキング・サイト、ウィキペディアなどソーシャル・メディアが、個人だけでなく企業コミュニケーションに何らかの影響力を持つ可能性が高まっており、その模索期に入っていると思う。
その視点から、先見性を示すことで存在感を放つカンヌが、ここ数年どう動いているか興味はあることだし。


サブタイトルは、広告というカタチを辞めた広告たち。
第1章から第3章までは、カンヌ体験記で「ふ~ん、そんな感じなのね」という感じに楽しめる。
そして第4章から、サブタイトルにあるような、そのカンヌから得られた知見について論述する。
前述の現状から、“広告”から“ブランデッド・コンテンツ”へ、という主張は良く理解できた。

ただ気になったのが、第6章 そして、“非広告型広告”へ―広告というカタチを辞めた広告たち
カンヌグランプリを取ったCM、“Cadbury のDiary Milk“を引き合いに出し、広告の未来形として、“非広告型広告”を主張している。

この“Cadbury のDiary Milk“、全編を通し、ゴリラがドラムを叩いているだけの映像。
ラストに、商品カットがかろうじて現れ、a glass and half full of joy とクレジットされるだけ。
現地でも賛否両論が沸騰したそうだが、そこが“非広告型広告”ということだそう。
面白い議論だなと思ったのだけれど、そこで必ず言及しなければならない(と思う)「日本広告界のトラウマ」について全くふれていないのが気になった。
それは....


M自動車の、エリマキトカゲCM。

コマーシャルはヒット、だが車は全く売れなかった伝説のCM。
1984年の出来事だから、1981年に大学を卒業したこの本の作者がこの地点を経過しているのは間違いない(留学でもしていない限り)

既に成功し、浸透しているブランドならともかく、業界で首位でないメーカーが“非広告型広告”を実施しても、効果が期待できないということだ。
(たとえ、BUZZを引き起こすソーシャル・メディアがなかった時代だとしても。それにその当時、それはなかったけど十分BUZZしていたけどね、エリマキトカゲは)

今週のAD-ageでも、バイラル型キャンペーンの限界が話題になっていたり、まだまだめざすべき新領域への模索は続いているという認識である。
この本の刺激で、こういう議論ができるのも、読書の醍醐味ですなあ!

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