
3月11日。
14年前のこの日を境に、ぼくにとっても少しずつ建築への向き合い方が変わったように思います。
カタチをつくることそのものよりも、居場所をつくること。そんなことをより意識するようになりました。
大磯の家。
ダイニングの大きな窓からは、自らが手入れする庭が見えて、緑が風に揺らめきます。
建て主が愛用してきた古びたダイニングテーブルと、新しくこの家のために購入した家具。
そうした家具や小物が、緑を通した柔らかい自然光のなかで、静かに息づいているかのよう。
こうしたものたちと、共にあること。
共にあるという安堵感は、心に平穏をもたらしてくれます。
それらは変化はしてゆくけれども、変わらずそこに在り続ける。
大磯の風景も、個人のなかの思い出も織り込まれている。
見えるもの、見えないものも含めて、そこにあるものが愛おしく大切なものに感じられるといいな。
そんなことを思いながら、家をつくるようになってきたように思います。
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