明日の二〇一二年五月二一日の金環日食が見えるのは一二九年ぶりとの事である。
関心のある人は、わくわくと胸を躍らせながら早くから、それなりの準備をしている。
今までにそれに類する想い出は小学校の通学途中で男子生徒が、ガラスの切れ端に墨か絵の具か、黒く塗ったものを県道の道端で披露し合い太陽に向けて目に当てて、それを覗かせてもらったことがある。
単に日蝕の類であったと思うが、辺りがしばらく薄暗くなった記憶である。六月に小学校の同窓会があるので、当時の悪がき連に聞いてみよう。
私は今何冊もの製本をしていて、不器用なので背がうまくいかないので、アピタでそれようの糊をさがしていると、男の子を連れた婦人が日蝕グラスが今売り切れたといわれ、がっかりかりしていた。
それを聞いていた私は今迄他人事のように思っていたのに、急に金環日蝕を見たくなった、見ておかねばと思へてきた。
昼過ぎにエーデンへその眼鏡を買いに行くにしても、この近くで「朝日の出」が見えるところは何処であろう。お城にしても東の木々が邪魔をしないか、七時二〇分頃は未だ開館していないかも、役所へ聞いてみようにも今日は日曜日である。
この窓から隣の五階建てのマンションを恨めしげに眺めるのだけれど、それとて愛知学院の学舎にさえぎられて見えないのだろう。
かんじんのお天気は?などと考え始めるとマニアでなくても胸がどきどきする。
俳句 もこもこと今日開きそむ花卯木
卯の花の垣根の家の友なりし
天気予報は「まず駄目!」でしたが、ダメモトと思ってで3日ほど前から写真、観望の準備をしました。思わぬ好天に恵まれて万々歳でした。