田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

国語教育に関するヨマイゴト

2008-01-26 07:21:09 | Weblog
1月26日 土曜日
●朝日新聞(24日)に学力調査 正解率高い学校  読み書き授業に力という記事が載っていた。たいへん興味深く読んだ。「書く習慣」「様々な文章を読む習慣」を身につけさせる授業をよく行っていた学校ほど平均正解率が高かったことが分析の結果わかった。とのことだった。

●学校だけの問題ではない。故郷のこの町で過ごすときは引きこもり老人であるわたしにいわせれば大人もまたしかり。言語能力の劣化が目立つ。ともかくいわれていることも、こちらでいうことも意思の疎通がなされない。なにかひとこと発言しても分かってもらえない。分かってもらえないどころか誤解が誤解を生みとんでもない噂となってしまう。

●今は昔、同じく朝日新聞に「ブロンデイ」というチック・ヤング作の四コマ漫画が連載されていた。夫のダグウッドが手帳に新しいことば、表現をきくとメモする場面があった。痛く感銘したものだった。戦勝国アメリカでは一般庶民でもことばを大切にしている。語彙をふやすことに積極的に取れ組む姿勢がある。

●わたしたちの世代は、言論の自由のなかった社会を知っていた。この漫画からはワイフであるブロンデイのいきいきとした言動がつたわってきた。アメリカの社会では男女平等なのだ。女性であっても、自由に自己主張ができるのだと感心した。下に英語のセリフが添えてあったので会話文の勉強にもなった。いま書斎から毎日切り抜きスクラップブックにはった「ブロンデイ」をもちだしてきてなっかしく読んでいる。

●戦後に中等教育をうけたわたしたちの世代がいちばん国語教育に力をいれていただいたのではないか。国語の先生がいきいきとしていた。作文も毎週のように書かされた。「アメリカでは読書感想文を書く宿題がおおいのだ。毎週本を一冊は読んで感想文を書きなさい」などといわれた。藤井潔という非常勤の若いまだ東大の学生だときいていた先生にはずぶん教えられることがあった。藤井先生はテレビのプロデューサーになったと仄聞している。

●いまわたしは故郷の町で小さな学習塾を主宰している。ワイフが算数、数学。わたしは国語と英語。国語教室は今年で閉鎖。作文を学ぶなどという生徒がついにいなくなった。読み取り能力の大切さをてんでおかあさんたちが、理解してくれない。悲しいことだ。

●この、国語教育の軽視が町のいたるところでみられるようになった。わたしのように、東京とこの町を行き来して生活しているとよく分かる。でもそれは禁句だ。「東京風ふかして」と、嫌がられるからだ。決してそういうことではない。じぶんの考えを率直にのべ意見を交換できる町になっていけばいいなぁと切望しているだけだ。

●いま国語教室を閉鎖するにあたり寂しさのあまりつい愚痴をこぼしてしまった。年寄りの、ヨマイゴトとおゆるしください。




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