なだれ込み研究所の一日

物語作家を目指すもの書きが、ふとしたことから変な事務所で働くことに!
日々なだれ込んでくる人や仕事、モノやコト観察記。

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米(こめ)への愛

2006-09-16 23:47:57 | スローライフ

今日、掛川ライフスタイルデザインカレッジのベーシックプログラム「うまさ120%のご飯を食べる~田んぼウォッチング&ごはん炊き」のワークショップが行われた。
土なべでごはんを炊く、田んぼを見る、クイズに答える、という身近なところからスタートし、知らないうちに、米の科学、農業とは、景観とは、そして現代農業の矛盾、社会のあり方まで話が広がり、深まっている、奥行きのある講座だった。しかも、楽しくて美味しい。講師長坂潔曉(ながさか きよあき)氏の哲学と心意気の感じられる講座だった。

米のとぎ方、水のつけ方、水の分量の話では、どうやるのか、なぜそうやるのか、といううんちく話が語られ、受講生たちは懸命にメモを取る。会場は、「毎日食べているごはんを美味しく食べたい!」という意欲と熱意がみなぎっていた。私など、自分が日本人であること、米の飯(めし)を食べる民族なのだということを思い出させてもらったような気がした。

今回、講座会場を提供して下さったキウイフルーツカントリーH野さんの田んぼも見に行ったのだが、ここでもうんちくが語られる。うんちくばかりなのだが、これが実に楽しい!
押しつけがましさが全く感じられないのは、長坂氏の米への愛があるからだろう。

さて、現在一反の田圃でできるお米の量は平均8.5俵だという。H野さんの田んぼは有機農法(無農薬、無化学肥料)で6俵。でも、現実にはその倍12俵ないと、農家として生計を立てられないという産地もあるという。
では、どうやって12俵作るのか。
答えは簡単。
苗を詰めて植えればいいのである。詰めて植えると当然、日も行き届かず、風通しも悪い。根の張りも悪いひょろひょろの病気にかかりやすい稲になる。そのため、農薬に頼ることになる。
「病気になれば薬を与える、というのが今の農業の大半。病気にならないような稲を作ることこそ本当なのに」

江戸時代、遠州掛川米は「おいしいお米ランキング」で日本一だったことがあるという。それを知ったとき、長坂氏は「産地は関係ないのだ」と思ったという。
「与えられ場所で、精一杯の仕事をする、最高の仕事をすることが大事なのだと感じた」
この言葉は、米ではなく、自分自身に言われているような気がした。

さらにこの話。
江戸時代の人に比べて、現代の日本人は米を食べる量が減っている。米の需要が減り、だから減反になり、そのせいで効率化が進み、そのため化学肥料が日本の農業を支えるという図になってしまった。ある意味、現代の矛盾の構図というものを、私たちに気づかせてくれた。

土なべで炊いたごはんがうまかったのは言うまでもない。炊きあがるまでのいい匂い、おなかがすいた、早く食べたいな、という待ち遠しい気持ちになれたことも、土なべでご飯を炊くことの現代における意義のような気がした。
来年度は、アクティビティプログラムの中で、ぜひとも全5回講座で企画を考えてみたいものだ。

さて、印象的だった長坂氏の言葉をメモにしておきます。

・米というのは、どれくらい自分が水を抱き込めば美味しい米になるか、米自身が知っている。
・もう「米を研ぐ」という言葉は廃止してもいいのかもしれない。貯蔵技術や精米の技術が悪かった時代には、経験値としてしっかり研いだ方が美味しく感じたのだろうが、今は、ザーッと洗ってササッと水を変えるくらいでちょうどいい。
・稲という植物は、常に新しい可能性を模索し、自分自身で新しい種を作り出す。
・田んぼを見て「自然がいいですね」というのは間違っている。人の手が加わり、人が手入れをしてはじめて美しい里山の風景はつくられる。
・土なべで炊いた米のうまさに、人は魅了される。

最後に、「美大出の長坂先生です」の紹介に、長坂氏は「いえ、私は美大出くずれです」という答えを返してきた。
この返答から感じられる何かに、私は共感する。
長坂さん、哲学と心意気のある講座をありがとうございました。

五ツ星お米マイスター長坂潔曉氏のアンコメ通信はこちら。
http://www.tokai.or.jp/ankome/
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5 コメント

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ところで (ari)
2006-09-18 17:33:13
ご購入された 土鍋は活躍されましたでしょうか??

マイ土なべ! (管理人)
2006-09-18 21:21:15
実家から失敬してきた土なべではなく、生まれて初めてのマイ土なべ。

ariちゃん、さっそく日曜日にご飯炊きにチャレンジしました。途中、どうしても心配で我慢できず、ちょびっとふたを開けてしまったにもかかわらず、ドうまく出来ました!

米への愛を感じた瞬間でした~。

マイ土鍋デビュー (アンコメ)
2006-09-18 21:46:18
おめでとうございまする。
好きな食べ物は? (米好きS木)
2006-09-19 21:17:26
と、聞かれると真っ先に「ご飯」と答えることにしている米好きな僕にとっては、アンコメ通信の隠れファンのぼくとしては、今回のセッションが内心とても楽しみでした。

米の炊き方だけでなく、田んぼからお茶碗に到るまでの、お米に関わる様々なお話しは、どれもタメになり、楽しく、また食についてもいろいろ考えさせられたりと、期待をはるかに上回る講座の内容でした。講師の長坂さんには感謝感謝。どうもありがとうございました。

それにしてもライフスタイルデザインカレッジの講師の方々は、ホント魅力的ですね。スタッフとして関わっていけることは、大きな喜びです。

そうそう、管理人さん、長坂さんのお店も行ったらおもしろそうですねぇ。今度、静岡出た折に遊びに(米を買いに)行こうかなぁ。
確かに (管理人)
2006-09-20 22:34:20
アンコメさんには一度伺いたいね。そして講師陣はホント、魅力的です。

それにしても、S木くん。コメントの最初の3行、文章としてチトおかしいよ。推敲と修行が足りんのう。

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