家庭内映画館

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「ヒストリー・オブ・バイオレンス」・・・(156)

2006-10-15 11:18:43 | Weblog
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」A HISTORY OF VIOLENCE
監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、他
2005年・アメリカ・96分<レンタル>

<STORY>
インディアナ州の田舎町で小さなダイナーを経営するトム・ストールは、弁護士の妻と2人の子どもとともに穏やかな日々を送っていた。そんなある夜、彼の店が拳銃を持った2人組の強盗に襲われる。しかしトムは驚くべき身のこなしで2人を一瞬にして倒してしまう。店の客や従業員の危機を救ったトムは一夜にしてヒーローとなる。それから数日後、片目をえぐられた曰くありげな男がダイナーに現われ、トムに親しげに話しかける。人違いだと否定するトムだったが、トムの過去を知るというその男は、以来執拗に家族につきまとい始める...

久々のクローネンバーグ監督作品です。
どちらかというと「SF/ホラー」系の監督で、何かグチョグチョしたのが好きなオッサンですが(笑)今作は完全なサスペンスですね...ハードボイルド的な雰囲気もあって非常に重厚に仕上がってます。
まぁセックスシーンと殺人・暴力シーンはクローネンバーグ節ですが...(笑)

とにかく深い映画です。
イカれた人殺しが過去の自分と決別し、別人としてまっとうな人生を歩もうとする。しかし、過去の「暴力の歴史」が彼を再び暴力の渦へ巻き込んでしまう...でも物語の本質は「家族」や「家族愛」にありますね。
自分の過去に追い詰められる夫と自分の知らない夫の側面にとまどう妻、そして子供たち...そしてラストへと物語は進んで行きますが...とにかくラストシーンは素晴らしいです!
セリフが一言も無い食卓でのシーンですが、感動的でありながら切なく哀しさすら漂うエンディングは観終わった後も何かを考えさせられずにはいられません。
正直「ここで終わるか~?」という感じの終わり方ではありますが、この余韻が却って良かったと思います。

普段、ロン・ハワードやスピルバーグのようなまっとうな映画(笑)を観てる方にはデイヴィッド・クローネンバーグという名前は馴染みが薄いかもしれません。
他の作品はお薦めできませんが(笑)、今作は是非観て欲しい1本です。


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