家庭内映画館

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「ゴールデンスランバー」・・・(624)

2010-12-18 09:06:14 | Weblog
「ゴールデンスランバー」GOLDEN SLUMBER
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
出演:堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、香川照之、柄本明、濱田岳、渋川清彦、ベンガル、大森南朋、貫地谷しほり、相武紗季、伊東四朗、永島敏行、石丸謙二郎、ソニン、でんでん、滝藤賢一、木下隆行、木内みどり、竜雷太、他
2010年・日本・139分<レンタル>

<STORY>
野党初となる首相の凱旋パレードが行われている仙台で、ラジコンヘリ爆弾を使った首相暗殺事件が起きる。時を同じくして、久々に旧友・森田と再会を果たしていた青柳は、突然現れた警官から発砲され、追われる身となってしまう...

いや~良かったですよ!正直言ってまったく期待してませんでしたが、良い意味で期待を裏切ってくれました。
中村監督は今作で3作目の伊坂作品の映画化になりますが、一番良く出来ていたと思います。もちろん過去2作も健闘していたとは思いますが、原作ファンの立場からすると手放しに絶賛できるほどの作品では無かったです。

これまで映画化された伊坂作品はどれも伊坂幸太郎が持つ独特の空気感を表現しようとしていたように思います。
で、ほとんどの作品が映画としても伊坂作品としても中途半端になった感じがします。
今作では今までの作品とは違って特に伊坂幸太郎っぽさを出そうという感じはしなかったです。個人的にはそれが功を奏したんだと思いますが、良いエンターテイメント作品に仕上がっていました。

ただ残念なのは、伊坂作品っていうのは基本的にファンタジーであるのに対し、今作ではそういう雰囲気をほとんど出していなかったので、サスペンスとして観た場合にいろいろと納得がいかないところもあるかな~ということですね。
特に伊坂幸太郎のファンでも無く原作も読んでない人にはなかなか伝わりにくいかと思います。
ちなみに原作との大きな違いはハイテク監視システム「セキュリティポッド」が出てこないくらいで、それ以外は大きな変化は無かったですし、セキュリティポッドが出てこないことも特に問題は無かったかと思います。

個人的には作品としても大満足ですし、何と言っても役者が良いです!特に脇を固める人たちがホントに良い味出してます。それだけでも観て良かったと思える作品でした。
唯一残念なのは権利関係(推測です...笑)でビートルズの楽曲が使えなかったこと。劇中でも何度も出てきますが「ゴールデンスランバー」というタイトルはビートルズの同名曲から取られています。今作では音楽を担当している斉藤和義のカヴァーが使われていまして、オープニングとクライマックスの二度流れるんですけど、二回目は絶対オリジナルの方が雰囲気出たのにな~と思いつつ観ておりました。(有名なところでは「悪霊島」がDVD化に際してオリジナルからカヴァーに差し替えられてましたね~)
できれば、是非原作を読んでみてください!