ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

建国記念日の旗 - 2 ( 国旗掲揚問題 )

2024-02-12 23:00:52 | 徒然の記

 酔いが覚め、二、三日経つと会長も私も祝日の国旗について、他の人に話すのを止めました。

 ここから話を続けます。酔いが覚めた私たちが他の人に話すのを止めたのは、あるいざこざを思い出したからです。具体的に述べると差し障りがありますが、私たちの自治会は1丁目から5丁目まである、かなり大きな新興住宅地の組織です。住民数にしますと、およそ3,000人の自治会です。しかし今は、3、4、5丁目が脱退し、1,200人くらいの自治会になっています。

 私たちが会長、副会長になる何年か前、国旗掲揚問題で自治会が紛糾し、3、4、5丁目が脱退した事件がありました。紛糾した時の自治会の会長は、4丁目の住民で愛国者でした。この人の自宅近くに公園があり、国旗掲揚台がありました。

 会長がある時、自治会で提案をしたそうです。

 「せっかく国旗掲揚台があるのに、一度も国旗が上げられていません。」

 「祝日には、国旗を掲揚してはどうでしょう。上げるのは、言い出した私がいたします。」

 会長が国旗をあげてくれるのなら手もかからないと、反対する人もなく国旗掲揚が決まりました。ところが3ヶ月後に騒ぎ起きました。5丁目に東大の教授が越してきて、「国旗掲揚」に反対を始めたのです。千葉の田舎の自治会で、東大教授の意見は権威があります。自治会が、賛成派と反対派に分かれ対立するようになりました。

 最初は少なかった反対派が、日を追うごとに多数となり、自治会長を批判しました。それだけで収まらず、会長宅は夜半にも反対の電話が鳴り、家人がノイローゼになったと言います。会長もここまで来ると意固地となり、「国旗掲揚」を続け、反対派の中心人物である東大教授が言ったそうです。

 「右翼の会長がいる限り、3、4、5丁目は自治会から脱退する。」

 反日左翼の教授は揉め事に慣れていて、分裂が好きですから、以来私たちの自治会は参加者が半減したままです。半減だけでなく、住民の意見の対立も解けないままです。

 「やっぱり自治会には、政治と宗教の話を持ち込まないことですね。」

 「和して同ぜずで、行きましょうか。」

 会長と私は、国旗掲揚の話をすることを止めました。和して同ぜずを辞書で引くと次のように書いてあります。

  ・人と協調していくが、決してむやみに同調しないということ

 国旗の問題が、今の日本では地域社会の人間関係も難しくしています。国旗を上げることに反対しないけれど、なごやかな人間関係を優先して我慢しようと、これが結論でした。

 話はここで終わらず、ある時自治会の役員会に3、4、5丁目の住民が顔を出しました。理論的中心人物の東大教授は、個別の騒ぎには顔を出しません。氏以外は元々自治会にいた住民ですから、会長も私も彼らの出席に反対しませんでした。

 「1、2丁目も、国旗掲揚に反対する決議をし、3、4、5丁目に合わせて欲しい。」

 愛国の会長が交代して以来国旗掲揚はされていないのに、これが彼らの主張でした。彼らの意見を受け入れると、平穏な1、2丁目が3、4、5丁目のように対立の場所になります。自治会の役員会は通常の会と違って、会長、副会長、総務、会計の5人しかいません。反対派の彼らが6人で来ると、それだけで勢いに押されてしまいます。やり込められている会長を見ていると、副会長の私は立ち上がるしかありませんでした。

 「貴方たちは、場所を間違えていませんか。ここにいる人たちは、ボランティアで自治会の役員を引き受けた人たちですよ。賛成しないと卑怯だとか、責任感がないとか、そんな話をする場所ではないでしょう。」

 「なに、ボランティアなら責任がないというのか。ボランティアなら、何をやってもいいというのか。」

 大きな声で威嚇されましたので、私も丁寧な言葉遣いをやめました。

 「さっきから大人しく聞いていたら、言いたいことを言うじゃないか。あんたらの口の利き方は、ヤクザもんと同じだぞ。会長が大人しいからと言い気になっているが、ヤクザもんならヤクザもんとして俺も対応を変えるぞ。」

 開き直ると、私も自制が聞かなくなります。

 「あんたらみたいな人間を相手に、俺も仕事をしてきたんだ、ヤクザもんを知らないわけじゃない。」

 会社時代の私は彼らのような人間を相手にするのが、仕事の一つでした。脅したり脅されたり、金を払って貸を作ったり、多少は苦労しています。

 「カタギの人の前で、あんたらは恥ずかしくないのか。ここでは話ができないから、あんたらと俺だけで、外で話をしないか。」

 彼らも馬鹿ではなかったようで、厄介な奴と分かると絡むのを止め部屋から出ていきました。残された私は、会長他の人たちから、今までと違った目で見られることになり、迷惑な話でした。

 不愉快な思いを我慢して述べたのは、「ねこ庭」を訪問される方々に知って欲しい二つのことがあるからです。

  1.  国旗の問題で、庶民も千葉の片隅で戦っていること

  2.  国旗の問題で、反日左翼学者が千葉の片隅でも騒ぎの種を蒔いていること

 たかが「建国記念日の旗」の話と思われる方は、次回をスルーしてください。大切な話でないかと思われる方は、次回の「ねこ庭」へ足をお運びください。

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