ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

文明の衝突 - 4

2019-10-10 13:46:00 | 徒然の記
 文明とは、何を指しているのか。それは文化と、どう違うのか。これを知っておくと、氏の著作を読む手助けになります。

 「人類の歴史は、文明の歴史である。」「それ以外の見方で、人類社会の発展を、」「語ることはできない。」「歴史は、古代シュメールや、エジプトの文明から、」「古代ギリシア・ラテン、中央アフリカの文明へ、」「さらにはキリスト教や、イスラム教の文明へと、」「何世代もの文明を経て、」「さらに連綿と続く、中国文明や、ヒンドゥー文明を通じて繋がってきた。」「有史以来文明は、人々に最も広い意味で、」「アイデンティティを与えてきた。」

 高校時代にでも戻ったような、懐かしい文章です。文化と文明の違いなど知らなくても、分かるではないかと言う人は、まだ学徒ではありません。52ページへ返り、氏の説明を読めば、そんなことが言えなくなります。簡単なようで、案外ややこしいのです。

 「文明という考え方は、18世紀フランスの思想家によって、」「未開状態の、対極にあるものとして展開された。」「文明社会が、未開社会と異なるのは、」「人々が移住して、都市を形成し、」「読み書きができるからだった。」「文明化することは善であり、未開の状態にとどまることは、悪だった。」

 もともと日本には無かった概念ですから、説明を聞くしかありませんが、なるほどと思わされるだけで、疑問は生じません。

 「それと同時に、人々は次第に、複数形の文明について、」「語るようになった。」「世界にはいくつもの文明があって、それぞれが、」「独自のやり方で、文明化していたのだ。」「つまりヨーロッパの知識人や、外交官、および政治家が、」「唯一の理想として、長い間定義されてきた、一つの文明という考え方を、」「放棄する、ということであった。」

 ここから少し複雑になりますので、私は勝手に文章を割愛し、自分なりに、都合よく解釈いたします。正確に知りたいと思われる方は、自分で本を読んでください。

 「文明と文化は、いずれも人々の生活様式を言い、」「文明は文化を拡大したものである。」「いずれも、価値観、規範、社会制度、ある社会で何世代にも渡り、」「最も重要視されてきた、思考様式を、含んでいる。」

 「人が文化的な特徴によって、いくつかの文明に分類されるのと、同じように、」「人は肉体的な特徴によって、いくつかの人種に分類される。」「だが、文明と人種は、同一ではない。」「同じ人種に属する人々が、文明によって、」「はっきりと、切り離されるされることもあれば、」「異なる人種の人々が、文明によって統合されることもある。」

 「キリスト教とイスラム教など、」「特に、盛んに布教活動を行う宗教は、」「様々な人種からなる、社会を包含している。」「人間集団の最も重要な特徴は、その価値観、」「信仰、社会制度、社会構造であって、」「体格や頭部の形や、肌の色ではないのだ。」

 博学な氏は、他の学者の説も引用し、無数の説明をしますが、考えすぎは禁物です。私のように凡庸な学徒は、何となく無く分かったところで先へ進み、多くの説明の中から、日本と中国の文明に関する叙述を、抜書きいたします。そうする方が、息子たちも訪問される方々も、退屈しないですみます。何よりも、私自身が退屈しません。

 「一つの文明に含まれる政治単位は、一つの場合もあれば、」「たくさんある、場合もある。」「文明が発達するにつれて、その変化は、」「構成する政治単位の数と、性質に現れてくる。」「政治学者ルシアン・パイによると、」「中国は、一つの国を装っている文明であり、」「日本は、国がすなわち文明である。」

 世界の学者が、そのように見ていたのかと、これは初めての発見で、さらに興味深いのは、次の叙述でした。日本でも、歴史の授業でこれを教え、国民の自虐史観を払拭して欲しいではありませんか。世界の文明の数について、学者たちが多くの意見を持ち、議論も重ねてきたが、大筋では一致していると氏が言います。

 「認識の違いはあるとしても、主要文明の区別についての、」「異論はない。」「歴史的には、少なくとも主要な文明が、12存在し、」「そのうちの7つは最早存在せず、5つが存在する。」

 1.  消滅した7つの文明
  メソポタミア、エジプト、クレタ、古代ギリシァ・ローマ、ビザンティン、中央アフリカ、アンデス

    2.  現存する5つの文明
  中国、日本、インド、イスラム、西欧

 ハンチントン氏だけが言っているのかと思っていましたが、そうではなく、世界の学者の多くが、地球に現存する5つの文明の一つに、日本を入れていました。有頂天になったり、威張ったりせず、「やはりそうだろう」と、静かに納得するのが、普通の日本人だと思います。私も普通の日本人の一人として、静かに納得いたしました。

 次回は、現存する5つの文明に関する、氏の説明を引用いたします。
コメント   この記事についてブログを書く
« 文明の衝突 - 3 | トップ |  文明の衝突 - 5 »

コメントを投稿

徒然の記」カテゴリの最新記事