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それでもチェコは戦う - 2

2019-06-11 19:41:34 | 徒然の記
 カレル・バールタ氏著「それでもチェコは戦う」の書評の、2回目です。
ソ連と同様、二回も他国を侵略しているのに、なぜ中国は、国際社会から非難されないのか。もしかすると、白人社会が注目するものだけが、ニュースになり、欧米諸国の関心を引かない事件は、無視されるのではないか。

 それが前回の、私の仮説でした。読む人によっては、仮説でなく偏見だと、そう受け止められるような気もいたします。息子たちに言います。父は、読む人がどのように受け止めても、構いません。これから述べる事実を読み、お前たちがどのように判断するか・・・、そちらの方が重要なのです。書評を外れると思うかもしれませんが、バールタ氏が懸命に訴えているソ連の横暴さと、現在の中国がやっていることに、共通の要素があるからです。それなのに、なぜ世界のメディアは、中国についてこれまで報道しなかったのか。

 ここを考慮せず、書評を続けることは、返って、著者の訴えを軽視することにつながるのでないかと、そんな風に思えてきました。教条的マルキストのやることは、ソ連だけでなく、中国も同じです。共産党政府がある限り、国民は自由を奪われるのですと、私はそう言いたいのです。ソ連は崩壊しましたが、中国共産党は現在も存在し、国民を弾圧するだけでなく、周辺国も脅し続けていると、息子たちに伝えたくなりました。ソ連と中国が行なった、他国侵略の年次を、古い順に並べてみましょう。

 1.    第一次チベット侵略 昭和23年(1948)    東部・東北部侵略
 2.   第二次チベット侵略 昭和25年(1950)    中央部侵略 中国編入
 3.   第一次モンゴル侵略 昭和25年(1950)   中国人を人口の40%になるまで移民
 4.   第二次モンゴル侵略 昭和30年(1955)   新疆ウイグル自治区として、中国領編入
 5.   ハンガリー動乱   昭和31年(1956)
 7.   チェコ動乱     昭和43年(1968)の出来事です。

 前回のブログで述べましたが、ハンガリー動乱の時、私は高校一年生で、チェコ動乱の時は、大学を卒業した年でした。計算が苦手なのですが、第二次モンゴル侵略の時、私は中学三年生です。中学時代の私は新聞部にいましたので、当時から新聞を切り抜き、スクラップ帳に貼るのを趣味にしていました。新聞のトップ記事は、訳がわからなくとも、重大ニュースだと切り抜きました。ハンガリー動乱や、チェコ動乱を記憶しているのは、そうした事情もあります。しかし私は、中国の第二次モンゴル侵略については、何の記憶もありません。それ以前のチベット侵略や第一回モンゴル侵略時は、小学生でしたから、それほど新聞に興味がなかったのかもしれません。

 だが新聞がトップ記事で扱っていれば、昭和30年の第二次モンゴル侵略について、記憶のないはずがありません。だから私は、この事件について、新聞が大きく報道しなかったのでないかと、推察致します。当時私の家が定期購読していたのは、朝日新聞でした。戦後の朝日新聞は、戦争を賛美した過去を反省し、心を入れ替え、中国賛美に変身していますから、あり得ない話ではありません。息子たちに言います。ここは大変大事なところです。朝日新聞は、「日本だけが間違った戦争をした。」「日本だけが、悪い戦争をし、アジア諸国を侵略した。」と、米国の主張に従う記事を書くようになりました。米国にいる特派員は、米国の新聞から、国際ニュースを転記します。つまり、米国が軽視している、アジアのニュースは取り上げないのです。たとえ欧米諸国が大きく報道しても、アメリカが何もしなければ、それを真似します。中国崇拝と、米国従属を、日本で一番に取り入れたのが、朝日新聞でした。

 戦後70余年間、朝日新聞は、日本の一流紙としてマスコミ界に君臨していましたから、他紙もまた朝日に右へ倣えで、「日本の軍国主義」と「戦争犯罪」を、弾劾し続け、今日に至っています。「国際社会とは、白人社会のことを言うのだ。」「白人の国々が注目しないことは、世界のニュースにならない」、と私が言ったのは、こういう事実を指しています。日本のマスコミに限って言えば、白人という言葉を、米国と置き換えるのが正しいでしょう。米国が取り上げない、中国の悪事を報道しないだけでなく、賛美する中国に不利益となる記事を、自ら率先してネグレクトしました。この、正直者の朝日新聞の姿勢を見れば、戦後の日本が一目瞭然です。

 そこでまた一つ、思い出しました。5年前に私は、大井功氏著「チベット問題を読み解く」を読んでいました。氏は昭和23年に長野県に生まれ、大学卒業後に世界各地で勤務し、今は松蔭大学の教授をしています。その時書いた書評から、大事な情報を抜き書きしてみます。

 「まず驚かされたのは、チベット本来の領土が、」「中国の、4分の1を占める宏大さであったということだ。」「ダライラマ14世がインドへの亡命後に、自治区として中国が認めている地区だけでも、」「中国の領土の、8分の1の広さがあるという。」

 「四川省とか雲南省、青海省など、私たちは、」「あたかも、元々から中国領のように思い込んでいるが、」「これらの省は、昔はチベット人の土地だった。」「移住してくる漢民族が増えたため、いつの間にか、こうなったのであり、」「今でも年々漢民族に浸蝕され、チベットの文化が失われつつあると言うから、」「驚きでないか。」「こんな話は、氏に教えられなければ、分からなかった重要事だ。」

 「中国が、オリンピックを開催するとき、」「欧州各国が、不参加を表明していた背景に、」「チベット問題への抗議があったことを、」「本を読むまで知らなかった。」「当時チベット争乱に対し、強い非難を表明し、」「オリンピック不参加を表明したのは、ポーランド、ドイツ、イギリス、フランス、ベルギー、バチカン、EUである。」

 つまり朝日新聞は、欧州の国々と、同じ姿勢で報道をしなかったのです。これが、5年前の書評の一部です。話が横道に逸れたついでに、当時の書評を、もう少し引用してみます。

 「何も報道しなかったマスコミめと、怒りたくなる私に、氏がその心得違いを説く。」「政府や大手メディアを、弱腰と責めるのは簡単だが、」「そんな政府や、マスコミの姿勢を許して来たのは、」「紛れもなく、われわれ国民である。」「民主主義の国においては、政府もメディアも、」「その国の、国民のレベルにあったものしか存在しない。」「国民は賢明だが、政府やメディアだけが愚かという、逆はありえない。」「戦後の日本人は、何かにつけ、余りにも"ことなかれ主義" だった。」「私たちは、そのことをまず反省しなくてはならない。」

 こうして読み返しますと、5年前の日本と現在が、何も変わっていないことが分かります。

 「国民を騙し続けた、売国の朝日新聞だって、そのままにしている私たちだ。」「不買を広げ、倒産させるだけの見識も、気概もないのだから、」「氏の言葉に、反論できない。」「その通りですと、反省するしかない。」「これ以上、感想を述べる資格もない。」

 5年前の私は、こう言って書評を終わっています。今回は、そんなにアッサリ諦めないと、決めています。祖国チェコスロバキアのため、身の危険をおかしても、ソ連の非道と社会主義の矛盾を訴えた、カレル・バールタ氏の本を前にしますと、負けておれなくなります。息子たちのため、可愛い孫のため、弱気になっておれません。

 日本の政治家や政府関係者が、チベット問題に関し、何も言わず静観している理由として、大井氏が上げていた3つを、もう一度紹介いたします。
 1.   チベット問題に関する、知識も情報も持っていないこと。
 2.  中国を有望市場として企業が進出しているため、、中国の機嫌を損ねたら、財界や業界団体から、猛反発されると言う危惧を持っていること。
 3.  チベットは中国の内政問題だから、内政干渉すべきでないと建前論を守っていること。

 大井氏の指摘は、国民に対してというより、政治家や政府関係者に向けられている、と思います。私たち庶民がやるべきことは、事なかれ主義の議員を、選挙の一票で落選させることです。反日・左翼の野党議員だけではありません。自民党の中にいる、「獅子身中の虫」「駆除すべき害虫」を、しっかりと選別する目を持つことです。

 ここまで述べ、明日から、本来の書評へ戻ります。自分の現在を踏まえた上で、過去の書に教えを乞う。・・・これが本来の「温故知新」だと、私は信じます。(今回は、少し長くなりました。)
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2 コメント

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軍事力のない悲劇 (憂国の士)
2019-06-12 15:34:31
onecat01さん、
最後まで待とうと思いましたが、あのハンガリー動乱、チェコ動乱と拝見してまずひとコメント差し上げます。

当時、私の周囲の人間にハンガリー動乱を語る人は皆無でした、あなたと同年代の私は戦車の前で泣き叫ぶ
市民の写る活字を追っていました。

無慈悲なソ連の戦車に慄然としたものです、力なき正義は無力、正義なき力はただの暴力、共産主義の横暴を目に焼き付けました。

それ以来ですね、独裁、共産主義は、綺麗な嘘をつき国民や他国を踏みにじる人類の敵だと確信したのは。

あなたが指摘するように、チベット、ウイグル、モンゴルについては日本のマスコミの動静は記憶にありません。

ソ連と中国の違い、見るからに他国民を睨みつけた腕力一方のソ連人、それに比べて中国要人の腹を隠した笑顔振りまく愛想笑い。

それに世界は見事騙された、トランプ大統領の登場は、アメリカのみならず世界の平和のために、まさに救世主だったと思います。

崩壊するソ連邦(あの時)そして今、世界の厄災国家がアメリカとの貿易戦争で土壇場に来ています、本格的な戦争に向かうのか、そしてイランは ?
トランプ大統領について (onecat01)
2019-06-12 17:44:13
憂国の士殿。

 トランプ大統領については、登場の時から、激しい賛否両論があります。

 日本にとっては、ありがたい大統領のような気がいたします。どこまで本気なのか、中国共産党が崩壊するまで、やって欲しいですね。

 まずは共産党の独裁政権を倒し、国民を自由にすれば、別の政治が始まるはずです。イランも中国も、北朝鮮も、先のことは何も分かりませんが、日本が現憲法のままで、手足を縛った自衛隊では、国の守りができません。

 国際情勢がどう動いても、日本は日本の道を進むべしと思います。力なき正義が無力であることは、歴史が教える事実ですし、お花畑の人々も、念仏ばかり唱えずに、そろそろ現実を見て欲しいものです。

 ノルウエーにしても、チェコスロバキアにしても、独立したり、征服されたり、分裂したり、統合されたり、大国の思惑で翻弄された歴史を持つ国です。

 今は対米従属を余儀なくされていますが、今日までの日本は、強国から目に見える形で征服されたことがありません。
 
 島国のせいだという人間もいますが、それは間違いです。立派なご先祖たちが、命がけで守ったから、今の日本が残っています。また、天皇陛下がおられたから、国民がまとまって、外敵と戦ったのです。

 私のブログは、退屈で、面倒かもしれませんが、日本のご先祖様への感謝と、天皇陛下への感謝を、息子たちへ伝えようと、頑張っております。私が死んだ後で、きっと息子たちが読んでくれると信じ、ブログを綴っております。

 どうか、これからもよろしくご指導ください。コメントに感謝いたします。

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