ねこ庭の独り言

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日本軍政下のアジア

2017-06-21 01:22:42 | 徒然の記

 小林英夫氏著「日本軍政下のアジア」(平成5年刊 岩波新書)を、読み終えました。著者は昭和18年生まれで、現在74才、私より一つ年上です。早稲田大学名誉教授で、専門はアジア経済論、植民地経済史という話です。

  長年戦前における帝国日本のアジア支配の研究に力を注ぎ、近年は満州国、満鉄に関する著作が多い。・・・以上いつものように、ネットで調べた情報です。表題からしますと、私が求めてやまない「戦前の日本の実態」が書かれた本です。

 200ページありますが、24ページまで読んだところで、失望致しました。理由はすぐに分かりますので、氏の叙述をそのまま転記します。

「日清・日露戦争、第一次世界大戦と、ことあるごとに、」「日本は、東アジアで領土拡張を試み、」「植民地領有を目指したが、いずれも作戦は短期間のうちに、勝利をもって終わりを告げた。」

「英米といった超大国の了解をとりつけ、地方政権もしくは、弱小政権を相手に行った小規模な戦争だったから、」「これでこと足りたのである。」「だが昭和6年の満州事変に始まり、以後全面化する日中戦争においては、」「英米とは対抗する関係であり、相手としたのは、」「中国統一を推し進めていた国民党政権であった。」「持久戦は不可避であった。」

 多少とも歴史を知る人間なら、「この人は、果たして大学教授なのだろうか。」と、首をかしげるはずです。日清・日露戦争が、地方政権もしくは弱小政権相手で、小規模な戦争だったから勝てたという意見は、どこから出てくるのでしょう。清国やロシアが、弱小政権だったと、当時の常識はそんなものではなかったはずです。むしろ弱小国家だったのは日本の方で、いずれの戦争も、日本が仕掛けたのでなく、国の安全のため、止む無く始めたものです。どちらの戦争も、国運をかけた戦いで、明治の指導者たちは、背水の陣で臨んでいます。

 この頃から日本が領土拡張の野心を燃やし、植民地獲得に走っていたと、こんな説明は、まるで朝日新聞の捏造記事と同じトーンです。そしてやはり、左翼学者らしい日本攻撃が始まります。「日本は、東アジアの諸国に戦後賠償はしたが、」「それは、国に対する賠償であり、犠牲者だった個人にはなされていない。」

「半世紀経ったとはいえ、戦争の傷跡は、アジアの人々の心や体に刻みつけられている。」「ここで何がなされたのかを調査し、原因を究明し、」「被害者に対し、誠意をもって補償することは、」「来たるべき二十一世紀の日本と、アジアの友好関係を築きあげる上で、」「不可欠の前提であろう。」・・・と、こういう意見です。

 戦争した相手国の個人一人一人を尋ね、賠償した国が、人類の歴史上にあったのでしょうか。私は著者と同じ歳月を生きていますが、国際法を外れた、こんな意見を主張する国や人間がいたなど、聞いたことがありません。こうして氏は、フイリッピン、インドネシア、シンガポールを訪ね、被害者と思しき人物の話を聞き、いかに日本軍が残虐なことをしたかという話をまとめます。

 読んでいると、私は過去に同様の本を手にしたことを思い出しました。在日朝鮮人崔泰英、日本名本多勝一の「南京の旅」です。彼は反日・亡国の朝日新聞の記者で、昭和47年に捏造の日本軍残虐説を本にしました。国内で反日の「お花畑」を広げただけでなく、外国に向かっても、日本軍暴虐説の大嘘を拡散しました。

 小林氏も、同様に、一方的に語ります。今でもこんな団体が存在しているのか、私は知りませんが、フィリッピン女性従軍慰安婦調査研究班というものがあって、氏はこの組織にいる女性の案内で被害者にインタビューします。

「案内した彼女によれば、従軍慰安婦にされたフイリッピン女性が100人、」「レイプされた経験を持つ女性39人が名乗り出たという。」「ゲリラ討伐に来た日本軍が、トラック5台で村に来て、」「女性を拉致し、抵抗した親を殺した。」

 話がどこまで事実なのか、私には分かりませんが、氏の本が出版された、平成5年当時の日本について、考えてみました。平成4年の1月に、朝日が朝刊1面トップで、「慰安所の軍関与を示す資料」が見つかったと報じました。そのわずか2日後に加藤紘一官房長官が記者会見で、十分な調査もしないまま軍の関与を認め、韓国に謝罪しました。

 韓国では当時、「職業的詐話師」とされる自称・元山口県労務報告下関支部動員部長、吉田清治による「強制的な慰安婦狩り」発言により、反日世論が強まっていました。加藤官房長官の正式謝罪から3日後の16日に、宮沢首相が初の外遊先として韓国を訪問しましたが、これに関し、盧泰愚大統領に何度も謝罪することとなりました。

 現在は慰安婦問題の捏造が日本中に知れ渡り、朝日新聞の社長が国民に謝罪し、辞任していますから、こんな嘘を信じる人間はほとんどいません。しかし小林氏がこの本を出した頃なら、多くの者が、フィリピンの慰安婦についても疑わなかったかもしれません。

 存命の氏は、平成29年の今でも、この本の叙述を、間違いなしと信じているのでしょうか。歴史学者としての良心があるのなら、ぜひ現在の心境を語ってもらいたいものです。こうしてみますと、朝日新聞がどれほど日本を貶め、日本のご先祖を辱め、日本人の心を傷つけてきたかが改めて実感させられます。

 捏造の慰安婦を記事にしたのは、朝日新聞の植田記者、南京の捏造本を出したのは、朝日新聞の本多(本名崔泰英)記者です。これに関係しているその他の反日・売国の日本人も、明確になっています。いちいち列挙しますと、スペースが無くなってしまいますので、今はこのブログに関係する人間だけに絞ります。

 慰安婦に軍が関与していた書類が発見されたと、これまた大嘘を発表し、宮沢総理を平謝りさせたのは、中央大学教授の吉見義明氏です。平気で嘘をつく教授として並べますと、吉見氏も、小林氏も、五十歩百歩の違いしかない反日教授だということが分かります。 それにもまして、こんなクズとしか言いようのない人間と協力し、日本をかき回した朝日新聞は、まぎれもないクズ新聞です。

 実を言いますと、小林氏の本の主題は、日本軍が発行した軍票がいかにアジア諸国の経済を狂わせたか、というところにあります。200ページの80%は、この問題に費やされています。本来なら、本についての感想も、軍票と経済であるはずでしたが、小林氏の戯言が過ぎましたので、そっちの方に重心が移ってしまいました。

 しかし私はもう、これ以上氏の著作について述べるのをやめようと思います。前提からして偏っている氏の意見を、真面目に取り上げる気が無くなっても、当然でないかと思うからです。とうとう今夜も、夜の1時を過ぎました。狂った教授の本を読んでいますと、私の日常までが狂います。健全な暮らしができなくなりますので、今夜はここで終わり、ベッドに入ります。

 

 (こんないい加減な本を出版するとは、岩波書店も落ちぶれたもんだ。朝日新聞と、変わらなくなった。そのうち、倒産しなければいいが・・・・。) ベッドの中での独り言です。

 

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