ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

政界の玉突き現象 - 2 ( 国交相奪還論 )

2023-10-15 18:57:40 | 徒然の記

 今回も自由民主党と公明党の確執に関する、新聞記事の続きです。自由民主党の議員も言われっぱなしではありません。

 「自民に国交相奪還論「譲らぬ公明 連立火種も」・・7月19日

   ・ 自民幹部は、地方議員との会合で語気を強めた

    ⚪︎  今は自民に国交相経験者がおらず、予算獲得が大変だ。次は絶対に取り返す

  ・ 自民は麻生内閣の金子一義氏を最後に、現職の国会議員では国交相経験者がゼロ。ベテラン議員が、苛立ちをあらわにする。

    ⚪︎  地方の陳情が他党に行くなんて、おかしい。国交族が育たない。

   ・ 創価学会の高齢化が進み、組織力と集票力が低下している公明党は打ち明ける

    ⚪︎  国交相は業界に顔が利き、落ち込んだ票をカバーできる。衆院選を見据え、手放すなんて考えられない。

 公明党は連立の当初、厚生労働相や環境相の椅子を手にしましたが、安倍政権以後大田前代表から現在の斎藤氏まで、4人続けて国交相の椅子に座っています。今ではこれが、公明党の指定席になっており、同党が固執する理由を記事が説明しています。

  ・国交相は建設・運輸業界から陳情を受け、公共事業を差配する権限を握る。

  ・影響力は絶大で、今月広島で開いた斉藤氏の支援集会には、約250団体、約千人が参加した。

 記事の説明はこれだけですが、私は更に海上保安庁と観光庁を管轄していることを理由に加えます。国難の最前線にある尖閣諸島の領海を守っているのが、海上保安庁ですから、日々中国と対峙しています。媚中派の同党が中国へ恩を売っているのか、中国に利用されているのか、そこのところは分かりません。

 小泉内閣以来観光立国を宣言した日本は、訪日客を勧誘する専門組織として観光庁を作りましたが、観光客のメインを占めているのが中国人です。航空業界、ホテル業界、小売店業界、全国各地の観光協会は、大挙して来日する中国人観光客を目当にしています。媚中派の同党が中国へ恩を売っているのか、中国に利用されているのか、そこのところは分かりません。

 国交省という巨大組織は、いわば利権の集合体ともいうべきものですから、権力の旨みを知った公明党が簡単に離すと思えません。その証拠が次の記事です。

 「斉藤国交相の続投要望へ「公明 衆院選見据えポスト維持」・・7月19日

   ・山口那津男代表は、記者会見で次のように述べた

    ⚪︎  国交相ポストは、党にとってこれからも重要だ。継続を求めていく

    ⚪︎ たった一つのポストで連立政権を構成し、影響力が行使されるので、効果の大きいところをお願いする姿勢で臨んでいきたい

  ・公明党幹部は指摘する

    ⚪︎  国交相を握っていれば、業界団体による集票が期待できる。斉藤氏の選挙にもプラスだ

 公明党は6月末から建設関係者を集め、斉藤氏が立候補する広島3区だけでなく、埼玉14区、愛知16区でも決起集会を続けて開催しているそうです。自民党ではこうした動きを受け、自民党を支えてきた建設・運輸業界が公明党に奪われかねないとして、国交相ポストの獲得を目指しています。

  ・中東外遊中の岸田首相は、カタールで記者会見に臨んで語った。

    ⚪︎  公明党から正式な要望があれば、首相である自分が最終判断する。

 懸案である「景気の回復」と「憲法改正」を考え、衆議院の解散を狙っている岸田首相にとって、今一番の障害は政権内を紛糾させる公明党です。平和の党を公称する同党は、「憲法改正」だけでなく防衛費の増額にも反対しますから即答せず、いつものように曖昧で、うやむやな意見を言っています。

 しかし岸田首相が密かに公明党との連立解消を考えていることは、すでに次の記事が暗示しています。

 「国民民主代表 玉木氏再戦「連立入り否定 政策は協調」・・9月3日

   ・ 玉木氏は記者会見で、与野党を問わず政策協調を追求する一方で、自民・公明連立政権への参加を否定し、自身の入閣もないとした。

 何でも反対の野党でなく、国民民主党は大事な政策では協調する姿勢を見せ、「憲法改正」についても前向きです。岸田首相の意図しているところが、次の記事でも見えます。

 「国民の政権参加見送り「玉木氏否定 連合内にも異論」・・9月9日

   ・岸田政権は自民・公明の枠組みに国民民主党を加える、「自公国」連立を見送る。

   ・玉木氏の再選を受け、自民党内に連立論が浮上したが、国民党内や支援組織の連合内に支持が広がらなかった。

 公明党との確執がなければ、自由民主党がこうした話をマスコミに伝えるはずがなく、岸田首相自身が黙っていません。放任しているというのは、連立解消の意思があるからであり、奢った公明党への脅しでないかと私は考えます。

 今回でシリーズを終わるつもりでしたが、政界の玉突き現象 ( 公明党との連立解消 ? ) のタイトルの「玉突き現象」の説明が不十分です。申し訳ありませんが、どうか次回も、「ねこ庭」へ足をお運びください。温かい紅茶を用意します。

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政界の玉突き現象 ( 公明党との連立解消 ? )

2023-10-15 13:58:25 | 徒然の記

 新聞は毎日読まず、一月分くらい貯め、スクラップ帳に整理して目を通すと、思いがけない発見がある気がします。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々にうまく伝えられるかどうか、ちょっと緊張しています。

  東京地検特捜部に逮捕・起訴された秋本被告がした保釈請求を、9月28日に東京地裁が却下しました。決定を不服として、10月2日に東京高裁に準抗告していますが、高裁はこれも棄却する決定をしたと報道されています。何を根拠にここまで強気なのか分かりませんが、政界ではもはや彼を相手にする人間がいないようです。

 前回説明しましたが、佐倉市中央公民館で、河野太郎氏と演説会を開催した時、彼は案内のチラシに「菅首相側近の自民・秋本まさとし議員」、「河野太郎氏の一番弟子」と自己PRしていました。ところが9月28日の新聞に、彼の自己PRを否定する 記事が掲載されました。

 「菅・河野氏と関係アピール」「利用、冷ややかな見方も」

 記事は、彼と菅元首相との関係について次のように説明しています。

  ・立候補者の面倒を見ていた菅氏は、同じ大学出身ということもあって目をかけるようになった。

  ・秋本被告は国会内の菅氏の事務所を頻繁に訪れ、風力発電に熱心だと評価されていたという。

 河野氏との関係は、

  ・河野氏が講師として登壇した講演会場で、エネルギー政策に澱みなく答える被告の姿が目に止まり、その後親睦を深めていった。

  ・〈河野さんだったら呼べるから〉と、自ら調整することもあり、周囲の目には〈弟分的存在〉と写っていた。

 取材をしていないらしく菅元首相と河野氏の意見はなく、彼が一人で有頂天になっていたという内容です。

 ・秋本真利被告は、同じ法政大学出身の菅義偉前首相を「政治家の師匠」と慕い、河野デジタル相との関係の深さを周囲にアピールしていた。

 ・ある自民党関係者は、二人をうまく利用していたと冷ややかな視線を送る。

 自民党の関係者だけでなく、共同通信社の記事も冷ややかです。今頃秋本被告は、「政界は、一寸先は闇」という言葉を噛み締めているのかもしれません。

 8月4日以降、洋上風力汚職事件として新聞がトップニュースで報道し出した時から、菅元総理と河野氏に関し、どんな記事が出るのかと関心を持っていました。特に河野氏は汚職事件に無関係だとしても、秋本被告を自分の片腕と持ち上げていたのですから、無事では済まないだろうと予想しました。

 マイナンバーカード問題で、マスコミに叩かれている河野氏は麻生派の議員です。反権力・反自民のマスコミが重箱の隅を突くような難癖で、その内麻生氏に批判を向けるかと余計なことまで考えていました。

 しかし秋本議員の件は、9月28日に共同通信社が全国配信した記事で、どうやら幕引きになる気配です。千葉日報の記事しか知りませんが、これまでの傾向で大手メディアは同じ動きをしていますから、大同小異ではないでしょうか。

 ここで突然話題を変え、自由民主党と公明党の関係について一連の記事を紹介します。中身を述べるとスペースが足りなくなりますので、タイトルと記事の一部だけの紹介です。

 「選挙協力で  自公きしみ」「衆院10増10減巡り確執」・・4月4日

  ・自民はいらいらが募り、参院幹部は次のように言って不快感を示す

    ⚪︎  10増10減で増える衆院の選挙区が欲しくて、自民を脅そうと言うんだろう

    ⚪︎  公明が候補を立てても、自民の支援なしに当選できないと分かっているのか。

 自公のせめぎ合いが続き、さらに深まる対立を報道します。

 「公明 東京で自民推薦せず」「信頼関係地に落ちた」・・5月26日

   ・ 公明党の石井幹事長は、茂木幹事長に対し次のように述べた

    ⚪︎  東京での自公の候補者調整については、新設される28区に比例区選出の公明現職を擁立する。

    ⚪︎   認められなければ、東京の小選挙区での自民党候補を推薦しない

    ⚪︎  次回の都議選を含め、都内の各種選挙で自民と連携しない。東京での自公間の協力関係は消滅する。

 どうしてここまで公明党が、強気で自民党に押し込んでくるのか。答えは、次の記事が説明します。

 「自民、摩擦の波及懸念」「公明協力なければ敗北増」・・5月31日

   ・ 衆院選の289選挙区での公明党の支持について、自民幹部の意見

    ⚪︎  公明に一切頼らず勝てる小選挙区は、100程度だろう

    ⚪︎  自公関係の悪化を心配する

   ・ 公明党の山口代表の意見は、

    ⚪︎  自民単独で政権を継続することは、制度上も実態上も保証されていない。

    ⚪︎  連立政権に、公明党の存在は極めて重要だ

 票が欲しくて、自由民主党が公明党に譲歩している事実の一面が明らかになりました。野党時代の公明党は、反日左翼政党と声を揃え自由民主党を攻撃していましたが、連立を組んで大臣の椅子を手にすると野党勢力と手を切りました。そんな公明党を、私はどっちつかずの「こうもり政党」と軽蔑しました。

 年が経つにつれ、創価学会員という固定票を全国に持つ公明党の便利さと強さが、自由民主党を蝕んでいきました。信者数56万人と言われる統一教会に、議員たちが関係を深めたのですから、信者数177万人の創価学会票を持つ公明党と手が切れないわけです。

 手が切れないだけでなく、公明党の固定票頼りで国民の負託を忘れる議員が増えました。どれほど自民党議員が公明党に助けられているのか、山口代表と石井幹事長の傲慢とも言える言葉が教えています。

 そろそろスペースが無くなりますが、「  政界の玉突き現象 ( 公明党との連立解消 ? ) 」のタイトルとまだつながりません。次回を読むと、息子たちも「ねこ庭」を訪問される方々も納得されるはずです。

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