ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

大いなる失敗 - 2 ( 日本に失望しない理由 )

2018-12-02 23:29:10 | 徒然の記

 ブレジンスキー氏について調べだすと、書評に到達しません。息子たちのため要点だけ押さえ、あとは省略します。

 ブレジンスキー氏はキッシンジャー氏と同様、ユダヤ人だと言われています。二人の共通項は、親中・反日の政治家であるところです。伊藤貫氏の著作で書かれているブレジンスキー氏の言葉を、紹介します。

 「中国こそは、アジアにおける〈アメリカの自然な同盟国〉と言ってよい。」「アメリカの国防政策は、日本政府の行動の自由を拘束する役割を務めている。この地域で、優越した地位にある中国こそ、アメリカの東アジア外交の基盤となる国だ。中国政府は、アメリカに挑戦することなど考えてもいない。」

 日本にとってロクでもない人物だと、最初に言いましたが、その通りでした。こういう人物が、カーター、クリントン、オバマという歴代の大統領に重用されていたのですから、中国や韓国の反日攻撃がなぜ収束しないのかが分かります。日本にとって最重要の同盟国ですが、私たち国民は、米国を礼賛する政治家や言論人に、心を許してはダメです。敵は、国内の反日左翼だけでないという事実を、知る必要があります。

 氏の著『大いなる失敗』というタイトルの意味は、簡単でした。「20世紀最大の失敗」は、共産主義だったと、こういう中身です。1917 ( 大正4 ) 年10月の、ロシア革命で、共産党政権が誕生しました。それから74年経った、1991 ( 平成3 ) 年12月に、ソ連共産党が解党し、共産党政権が崩壊しました。

 歴史の必然で資本主義は消滅すると、マルクスは予言しましたが、たった74年で、共産主義のソ連が先に崩壊しました。むしろこれが歴史の必然であると、ブレジンスキー氏が婉曲に語っています。

 氏がこの本を出版した当時、ソ連はゴルバチョフ書記長でした。アフガン戦争以来、財政的に疲弊し、軍事力、経済力がジリ貧となり、ゴルバチョフ氏が懸命に国の再建に挑んでいました。ブレジンスキー氏が、この段階でソ連の崩壊を予言しているのは、優れた意見だと思います。「中国政府は、アメリカに挑戦することなど考えてもいない。」と、間違った思い込みもありますが、学者や政治家は誰も間違いをします。寛大な気持ちで、氏の正しい意見の方を息子たちに紹介します。

 「本書は、共産主義の末期的な危機を扱ったものである。」「その教義と体制が、徐々に崩壊してきた様子を分析し、21世紀までに共産主義はもはや巻き返しのできないほど衰退し、その実践や教義は、人類にとって的外れなものになっているだろう。」

 「共産主義が生き残り、外面のレッテルをとどめていも、内実の本質を捨て去ったところばかりである。」「おおかた20世紀の、もっとも異常な政治、思想上の脱線現象として記憶されるにすぎないだろう。」

 本が出版された翌年、1991 ( 平成3 ) 年12月にソ連共産党が解党し、ソ連邦が消滅しました。氏が共産主義の実態を残酷に語ったことへ、敬意を表したくなります。私にとつても、今の左翼共産主義思想は、実態のない形骸化した思考であるに過ぎません。共産主義国は、異分子の抹殺と国民の弾圧と、独裁的権力の行使がなければ成立できない国家です。

 「人間が平等で、自由に暮らせる素晴らしい社会」を、目指していますが、そこに到達するまでは、違う意見を認めるません。自由な意見を放任していたら、計画通りの「ユートピア」ができませんから、庶民大衆の意見など聞く耳を持つ余裕がありません。一つの目的に向かい国民を権力で束ね、鞭打って走らせます。違うことをいう者が現れたら、あるいは現れそうになったら、そんな人間は隔離して獄に入れるか、面倒なら抹殺してしまう。

 これが、共産主義国家の74年の歴史です。レーニン主義の誤り、スターリン主義の誤りを、氏が徹底的に説明しています。平成2年に本が出ているというのに、日本の反日左翼政治家や、学者や官僚たちは、一度も目を通さなかったのでしょうか。維新の会を除く反日の野党は、マルクスの思想から離れられず、どうしようとしているのでしょう。

 役立たずの左翼思想でも、団塊世代の老人たちには青春の思い出ですから、強い郷愁を抱いています。彼らがいくら頑迷固陋な教条主義者だとしても、私と同じ定めで、そのうちあの世へ旅立ちますからしばらくの辛抱です。

 問題なのは、若くて左翼思想に染まっている人間たちです。反日マスコミにおだてられ、時代錯誤の有害思考とも気づかず、「平和憲法を守れ」などと、寝言を言っている若者たちです。

 彼らは安倍政権を攻撃し、政府を批判していますが、自分たちでは、どのような日本の未来を考えているのでしょう。空っぽの頭で、どんな指導者になるつもりなのでしょう。これが、不思議でなりません。

  現在、227ぺージを読んでいます。これまでのところで、氏から教えられた収穫は、「日本はまだ失望する段階ではない。」という希望でした。大国として君臨していたソ連邦が、今にも崩れそうになっている時、ゴルバチョフ書記長は、精力的に働いていました。「ペレストロイカ ( 改革 ) 」「グラスノスチ ( 情報公開 ) 」と、画期的な政策を打ち出し、国民に語りかけていました。

 この政策は、共産党の独裁政権下では諸刃の刃でした。実行しなければ、ソ連の再生が望めませんが、実行すれば独裁政権の土台が崩れる。

 切羽詰まった状況下で、ゴルバチョフ氏が孤軍奮闘します。安倍総理は、移民問題だけでなく、いろいろな政策でつまずいていますが、当時のソ連に比べれば、危機の度合いが違います。反対の野党にしても、テロに走ったり、薬物を使ったり、そんな物騒なことはしません。外国勢力が介入しているとしても、ソ連に見られた露骨さはありません。

 なぜそうならないのは、日本には国を大切にする国民がいるからです。国民はもう、マスコミの捏造報道に踊りませんし、反日政治家の胡散臭さも知っています。通常はサイレント・マジョリティーですが、考えもなく黙っているのではありません。

 ブレジンスキー氏が描く、末期症状のソ連を見ていると、むしろ日本の現状に希望を抱きます。

 「安倍総理は、なぜ日本崩壊の政策を、次々と打ち出すようになったのか。」

「誰が、安倍総理への外圧となっているのか。」「アメリカの勢力なのか、中国か。」

「それとも、自民党内の獅子身中の虫に、弱みを握られ、脅されているのか。」

「あるいは、総理が、もともと八方美人の政治家だったのか。」

 しばらく事実の究明に時間を費やしても、一年や二年で日本は倒れません。だから「温故知新」の読書を続け、明日の日本のための指針を探します。

  もう一つ、大切なことを忘れていました。日本の現在に失望しない、長いばかりで面白くなく、独りよがりのブログに訪問される方々がおられるということでした。ブログにコメントを入れ、励ましてくれ方々がおられる。こんな日本に、失望できるでしょうか。

コメント (2)
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