『自由の哲学』を読む ~日々の暮らしから~

日々の「?」から始めて一歩ずつ
自分で見て考えて、行動していきたい。
私の自由が人の自由にもつながりますように。

聞くことは、力を送ること。

2020年11月26日 | 中学生と育つ
中学生の子どもに「おやすみ~」と言いに行くと、
布団に入ったまま、「あのさ…」と、
暗闇の中でぽつりぽつりと話しだした。
今日も昨日も、試合中に集中的に怒られたらしい。

他の子が同じ失敗をしても怒られないのに理不尽だ、
先生やメンバーの期待に応えられないのが情けない、
結果を出せって言われるけど一所懸命練習してる、
というような事を、行きつ戻りつ。

運動部の顧問の先生って熱血が多いから、
言いすぎることも多い。
子どもにしても、そんなのは慣れっこなのに、
珍しく弱音を吐いた。

よっぽど辛かったんだろうなぁ。
唯一、一所懸命やってる事でダメ出しされて、
自信が揺らいでしまってるんだろうなぁ。

「かーちゃんが先生と話をしようか?」と言えば、
「何て言うの?」と聞き返す程度には
追い詰められている。

考えてみたら、スポーツ選手って、
最後に勝つ人以外は、全員負けるんだもんね。
同じ悩みをほとんどの人が持っている気がする。
自分のせいで負けたのも誤魔化しようがないし、
メンタルタフネスじゃないと続けられない。

でも、真面目にやってるからこそ、
自分の能力が早目にわかる。
プロになるわけじゃない。教育活動の一環だ。
何を学び、身に付けるための部活なのか。

思う事はたくさんあるけど、
ともかく、子どもの話をひたすら聞いた。
以前、傾聴を学んだ時のことを思い出しながら。
こういう時は、感情に振り回されない性格が役立つ。

傾聴の基本ルールは、
ダメ出しも、励ましもせず、
自分の似た経験にもすり替えず、
誰がいいとか悪いとか勝手な評価をせず、
賛成も反対もせず、話とともに伴走すること。

話をまっすぐ聴いて受け止めることで、
これまでだって、子どもは自分で
何やかや、乗り越えてきた。
聴く事は、話す人の力を充電する事だ。

充電だけでいい。
珍しく弱音を吐くほどしんどいのに、
励ましや評価や否定や応援は要らないはず。

叱咤激励した方が上手になるのかもしれないけど、
私はコーチでも監督でもない、親だもの。
レギュラーであろうがなかろうが、
部活を続けようが辞めようが、どっちでもいい。

だから、時々、気持ちの確認をしながらひたすら聴く。
大変だったね。辛いね。よく頑張ってるよ。
それが気になってるんだね?
どうしたら楽になる? 一番イヤなのは何?
今、出来ることって何かあるかな?
私に何か手伝える?

もやもやっとしたまま、
感情のままにダメージを受け続ける状態の時、
聴く人がいて、話す人が言葉にしてみることで、
意識にピン止めされる。

意識することは、乗り越えるための第一歩。
自分の靴をじっと見ているような時があっても、
その後、気持ちを整理して歩き出すのを待とう。

親の仕事は、信じて待つことって言うけど、
結構辛いんだよね、これが。
ピンチが成長につながりますように。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ZIP)
2020-11-26 08:40:14
怒る必要があるわけです。
怒るに値する能力を備えているわけです。   
怒る理由はそれ以外にはないはずです。
返信する
傾聴 (soratombo)
2020-11-26 12:54:14
子どものあれこれに関して、つい、「問題点を明らかにして、解決に向けて効果的なアドバイスを与える」ことに走りがちな私としては、胸に刺さるトピックスでした。

傾聴。
心がけてみようと思います。
ありがとうございます。
返信する
Unknown (ZIP)
2020-11-26 22:56:39
聴くべきことを選択し、話しをさせること。
コンスタントに実績を出せる営業は、喋り上手より聴き上手です。
返信する
Unknown (オキツ)
2020-11-27 01:57:55
▼soratombo様
「聞くぞ!」という時には改めて意識したいアレコレですが、理想の聴き方とは程遠いです。願わくば、外から支えるのではなく、自分で立つことを応援できればと思います。
▼ZIP様
相手のニーズを知るところから始めるのが大切なんでしょうね。
返信する

コメントを投稿