晩酌しようよ

【晩酌】って『大人の愉しみ』みたいな、ちょっとワクワクするような響きがあると思いませんか。今晩あたり、一杯どうです?

国民唱歌

2012-11-13 | 随想
ちょっと前の話になるが、日本で一番うたわれた歌(カラオケ)は
『世界に一つだけの花』だという。

曲を作った人や歌ってる人に恨みはないが(僻みはあるけど)、
これは本当に”ゆとり”の歌だなぁと思う。

花なんて、自然界の生存競争の象徴のようなものなのに
『どれが一番だなんて争うことはしないで』という。
当の花は周りの花よりも虫を引き付けるとか、立派な種ができるようにとか
競争に勝つために咲いているのに。


そもそも、世界で一つだけになるために頑張る、ってどういうこと?
勉強でたとえれば、国語はそこそこ、数学は諦めた、でも英語だけは絶対一番、
という人は英語で”争って”一番ですよね。
ぜんぜん一つだけじゃない。
たとえば、期末テストの時、問題が配られ、初めの合図がかかったら
おもむろに机の上に倒立し、『世界に一つだけの花』を逆から歌い始める。
テスト時間中、ず~っと一所懸命に歌う。
うん、これならたぶん世界で一つだけだと思う。
もっとも、私が想像できる範囲だから、保証はできかねるが。


つまりは、競争を止めて自分なりに一所懸命だなんて無いんですよ。
それはもう、人間をやめるか狂人になるか、山月記の世界。
だいたい、『お、あいつがんばってるな』って思える人は
すべてすでに認められた道(花の種類)じゃないでしょうか。
もちろん、それが最先端を行っていて、周りの人(花)が追いつけないことはあるとしても。



子供のころ、マラソン大会で『順位は何番でもいいから一所懸命走ってください』というようなことを
言った先生がいたような気がするが、じゃあその一所懸命って何を基準にはかるの?
いっそ、『勝つために走ってください』といってくれた方が一所懸命の意味は分かりやすい。
少しでもいい順位、少しでもいいタイムを目指して走って、
結果びりだったとしても、それは一所懸命だったといえるし、”足が遅い”はその人の個性といえるでしょう。

でも、スタートから逆に走ったり、できるだけ遅く走ることに一所懸命になっている子供を
槙原やSMAPは認めてあげられるのだろうか?

子を持つ親としては、こんな歌が学校の唱歌にならないことを切に望むのである。

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